高齢者だけでない!前屈みになると後ろ重心になりがち!
立っている時、前重心になった体が前に転ばないように懸命に支えてくれる場所はどこだと思いますか?
正解は足指です。
ヨガのクラスでよく行う半分の前屈ポーズ(アルダウッターナアーサナ)をしてみてください。
このポーズは踵の上にお尻を持ってくることがポイントですが、多くの人が最初は「踵重心」になってしまいます。
そのため、踵よりだいぶ後ろにお尻がくる(つまりへっぴり腰)になりがちです。
健康な私たちでも、このポーズ(上半身の前重心)をするとどうして踵重心になりがちです。
なぜなら、足の指を開いて下半身の重心をつま先方向に分散する力が非常に弱いから。
足の指側より踵の方が地面に着地させやすいからです。
ですから、このポーズをするときに踵重心になっていると感じる人は、高齢になった時に後ろに転ぶ予備軍だと自覚しましょう。
私のクラスではこのポーズの練習時、足指の前にブロックをセットし、踵の上にお尻が来るようにつま先側にも重心を移し、足裏の3点(母指球=親指の付け根、小指球=小指付け根、踵の中心)でバランスを取る練習を繰り返します。
さらに足指は1本1本大きく開いてパーにすることで、土踏まずを引き上げる力を作り、つま先重心に移動しても前にひっぱられないようにする足裏&足指力をつける練習もしています。
つまり、足指を開いて地面を掴むような「踏ん張る力」がないと、ほとんどの人は上半身が前かがみになった時に下半身は後ろ重心になってしまうのです。
するとどうでしょう…体を前屈みにして踵重心になると、前から肩先をつんとつつかれるだけでも後ろに転倒しそうになるはずです。
後ろに転倒しないようにブレーキをかけられたとしたら、それは足指でキープできたからではないでしょうか。
- アルダウッターナアーサナ
- 足指と足裏の3点で重心を取ることで、踵の上にお尻を持ってきて前にも後ろにも倒れない状態を作っているポーズ。
踵重心になると「すり足になる」
もう一つ、高齢者がつまづきやすい原因に「すり足」があると思います。
足をきちっと持ち上げず、小さい歩幅でするように歩く高齢者特有の歩き方です。
なぜすり足になるのかという点も、足指と大きく関係しています。
試しに、その場で足指を軽く上に持ち上げて(地面から離す)歩いてみてください。
年齢に関わらず誰でもすり足になってしまいます。
足の指を使わないと、すり足でないと歩けなくなってしまうのです。
本来、歩行時の足の指は下に向けて大地を掴むようにしながら蹴り上げる役割がありますが、ほとんどの人がその役割を知らずに放置し、ほとんど使うことさえありません。
私のクラスではゴルフボールを足指で掴んで持ち上げるというウォームアップをほぼ毎回行ってもらっていますが、これも足指の力を鍛えるのに非常に有効なのでぜひ取り組んでみて欲しいと思います。
まとめ
他にも足指と手指で握手をして足指を根元からよく回す・足首をよく回す・足指同士を握手させる、足裏をよくほぐす、このようないつでもどこでもできる簡単なウォームアップも、実は非常に有効です。
これらのウォームアップは若いうちには「誰でもできる」簡単なことですが、しないうちにとどんどんできなくなり、できなくなった時には「よくつまづくな」「膝が痛いな」「足裏が痛いな」「股関節が痛いな」「坐骨神経が痛いな」と、さまざまな不調の要因になっていくのです。
できるうちにせっせと足指を使い、足裏を鍛えて、転倒リスクから自分やご家族を守ってください。
提供・yoganess
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