有馬陣営はやはり鷲津にとって強力な敵となった。手配していたうぐいす嬢が3人全員、有馬陣営に引き抜かれてしまう。さらに、鷲津を貶めようとするビラが出回る。犬飼を引退に追い込んで出馬した、実は息子を虐待していたなどと中傷する内容に加え、鷲津事務所が“ブラック”がゆえにうぐいす嬢に逃げられたとする、事務所内の事情に妙に詳しいものも。事務所内にスパイがいる可能性が浮上し、秘書の蛍原梨恵(小野花梨)は秘書見習いの蛯沢眞人(杉野遥亮)に疑いの目を向ける。蛯沢は兄が自死した背景に兄の陳情を犬飼が放置した件にあるとして犬飼を恨んでいたが、第4話で実は兄の対応をしたのが鷲津だったことが発覚。蛍原はこの事実に気づいていたからだ。

 蛯沢はこの第5話で、さらに選挙違反となる行為も行い、鷲津の足を意図的に引っ張ろうとしているかと思われたが、これはどうやら無知ゆえの行為だったことが明らかになり、また事務所内の「スパイ」も、おしゃべり好きなスタッフが敵陣営に利用される形で情報をうっかり流してしまっていたことが突き止められ、とりあえず裏切り者はいなかったということで事なきを得た。だが、蛍原が蛯沢に「もしかして、知ってたんじゃ? あなたの本当の標的は……」と、兄の陳情を放置したのが鷲津であることを知っているのではと確認した際、蛯沢は聞こえていなかったのか、聞こえないフリをしたのか、まったく関係ない話を始めた。蛯沢が鷲津を狙っている可能性はまだゼロとは言い切れない。蛍原が第5話最後で、蛯沢兄の陳情の記録を抜き取り、自分のデスクに閉まっていたところからすると、この件はまだ今後の展開にひと波乱生みそうだ。

 鷲津は、事務所内のおしゃべりスタッフから有馬陣営が情報を得ていることに気づき、逆にこれを利用することで、総理秘書官の猫田正和(飯田基祐)が竜崎の指示で有馬をバックアップしていることを突き止める。鷲津は、息子の事件の隠ぺいを指示したのが竜崎ではないかと考え、問い詰めるが、猫田は「初耳です」と答え、有馬の応援も自分が個人的にやっただけで竜崎は関係ないと言って立ち去る。猫田による選挙妨害を見破り、鶴巻幹事長や厚生労働大臣・鴨井ゆう子(片平なぎさ)の応援演説、鶴巻からもらった500万円を使っての票集め、そして最後の街頭演説での鷲津の涙ながらの訴え……どれが功を奏したかはわからないが、鷲津は見事、それまで優勢だった有馬を打ち破り、当選を勝ち取るのだった。

 一介の秘書から代議士となった鷲津は、警視庁に乗り込み、息子の事件の捜査をストップさせたのは総理ではと問い詰める。だが、対応した警察幹部は「何もわかってないんだな」と鼻で笑う。そして続いて出てきた言葉は、「本当に怖いのは誰なのか。あなたも敵に回したくないでしょ、幹事長だけは」。鶴巻幹事長が黒幕なのか。衝撃の発言で第5話は幕を閉じた。