寝たきりになったシニア犬や介護犬が注意しなければいけない、床ずれ。
重症化すると細菌感染を起こし命に関わる危険性もあるものですが、飼い主さんの工夫や心掛けで予防することができます。
こちらでは、そんな床ずれの予防法や対策グッズをご紹介します。
1.床ずれとは
床ずれとは、犬の体がマットや床と長時間接することにより血流が悪くなり、皮膚や筋肉が壊死してしまう状態を言います。同じ姿勢が続くことによる圧迫・摩擦が引き金となるため、寝ていることが多いシニア犬や、病気やケガなどによって寝たきりの状態が続く犬は特に起こりやすいでしょう。
初期症状は、皮膚が赤くなる程度ですが、進行すると皮膚が薄くなり痛みやかゆみが出ることも。さらに悪化すると皮膚に穴があき、骨や関節が露出してしまうこともあります。犬にとっては痛みもあるうえに再発もしやすい、非常にやっかいなものです。
2.床ずれの対処方法
床ずれになってしまったら、まずはできるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。状態によっては細菌感染の検査なども行い、適切な治療と自宅でのケア方法を獣医師からアドバイスしてもらうことが大切です。
処方された薬を使用しながら患部を清潔に保ち、乾燥を防ぐことを心がけましょう。
3.床ずれの予防方法
体を清潔に保つ
床ずれの予防として非常に大切なのが、体を常に清潔な状態にしておくことです。
排泄物で汚れやすいお尻まわりは毛を刈ることでケアがしやすくなり、衛生面を保つことができるでしょう。さらにしっぽを包帯で巻いておくと、より安心です。
また、蒸しタオルなどで定期的に体を拭いてあげたり、介護用品として市販されている、水のいらないシャンプーなどを使って体を洗ってあげるのも良いでしょう。
マットで体圧を分散させる
体の特定部分だけが圧迫されるのを防ぐには体圧を分散させることが大切なため、市販されている体圧分散マットを使用するのがおすすめ。また、すでに床ずれを起こしてしまっている場合でも、床ずれ部分をやさしく包み込むようなジェル素材などのマットに寝かせることによって、症状の緩和が望めます。
サポーターなどで部分的な保護をする
頬や肩・腰・足首・足首など骨が出っ張っている箇所は、特に床ずれが起こりやすい所です。そのようなところにはサポーターやタオルを巻くなどして、部分的に保護をしてあげましょう。
定期的に寝返りをさせる
2~3時間に1回ほど、寝返りをさせてあげましょう。
ただし、寝ている状態のまま脚だけを引っ張って寝返りをさせるのは内臓に大きな負担がかかるため、必ず飼い主さんが一度抱き上げ、寝返りをさせてください。
~上手な寝返りの打たせ方~
①犬の背中側から片手を犬の肩下に差し入れ、ゆっくりと上体を起こす。
②もう片方の手で後ろ脚を持ち、おなか側を下に向ける方向で体を回転させる。
③そっとお尻から下ろし、反対向きに寝かせる。