最高の音響システムとゲストの心を掴む音楽
音楽家を目指し、バンドに明け暮れた生沼氏。ホテルのコンセプトを作るにあたり、まず初めに考えたのが音楽。開業の1年以上前、最初に購入した備品がビンテージ・ピアノというのも生沼氏らしさです。さらに館内の音響機器や選曲にもこだわります。
▲どこにいてもいい音で、いい音楽を聴けるサウンドシステム
ヤマハの高音質な音響機器を導入し、音響設計は専門家に依頼。隣接するロビーとレストランの音楽が交わらないよう設定するほか、ロビーと同じ空間にあるフロントは、ゲストとのやりとりに支障が出ないよう、音楽が流れ込まない音響設定をしています。
▲ロビーの天井の黒い梁には、目立たない棒状のラインアレイスピーカーをマウント。ロビー全域に明瞭なサウンドを均一に放射します
ゲストの会話の邪魔をせず、最高のシステムで質の高い音を聴けるラウンジやレストラン。選曲はジャズやポップなどジャンルにとらわれず、昼間は軽快な曲に振り、夜はビートの効いたリズムがキュレーターのセンスで選ばれます。館内で流れる音楽に、ぜひ耳をかたむけてみてください。
▲毎晩19時と20時30分の2度、ロビーで開催されるライブパフォーマンス「ショーケース」。生沼氏が一目ぼれしたビンテージ・ピアノが活躍する夜もあります
演奏者はプロ・アマ・学生を問わずオーディションで選ばれ、曲のジャンルは自由。そして演奏の条件は「演奏者が一番テンションの上がる曲を、思う存分弾くこと」。バックグラウンドミュージックではなく、人の心に響く演奏が、音楽家を目指していた生沼氏の狙いです。この夜は美しい歌声と情熱的なピアノ、そして窓の夜景を満喫しました。
絵画の世界感をアフタヌーンティーとカクテルに
“画家のアトリエ”をコンセプトにしたバー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」では、世界的な名画を題材にしたアフタヌーンティーやミクソロジーカクテルを用意。好奇心を刺激されるひと時を過ごせます。
▲バー&ラウンジ「ウィスク」
人気のアフタヌーン・エキシビジョン“午後の展覧会”は、世界的に有名な絵画をテーマにしたアフタヌーンティーを用意。写真は2023年3月31日まで行なわれているオーストリアの画家クリムトの「接吻」がテーマ。過去には、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」やダ・ヴィンチの「最後の晩餐」など、クリエイティブなスイーツや画家の生きた時代に触れられるセイボリーを用意します。
▲人気のアフタヌーン・エキシビジョン
バータイムも創造性豊か。もちろんビールやウイスキー、カクテルなどもありますが、ユニークな体験ができるのは、有名な絵を題材にしたカクテルやノンアルコールモクテルの“ミクソロジーカクテル”です。
▲ゴッホの名画「ひまわり」をカクテルで
ひまわりの花はドライパイナップル。テキーラをベースにパイナップルジュースやレモンジュースが使われ、ヒマワリの蜂蜜がアクセント。フォトジェニックなカクテルです。
“アルジャントゥイユの庭で制作するモネ”をオマージュしたジンベースのカクテルは、画家のパレットに見立ててフルーツのピューレを絵の具のように落とし愉しむ趣向です。
▲印象派の巨匠クロード・モネが7年間を過ごし、数々の風景画を描いたパリ郊外の町の名がつけられたカクテル「アルジャントゥイユ」
このほか北斎の「神奈川沖浪裏」やムンクの「叫び」、ミレーの「落穂拾い」など、名画をイメージした多彩なアートカクテルを提供。カメラの用意もお忘れなく。