散歩中、他の犬とのすれ違いざまに吠えてしまったり、飼い主さんが外出したときに、扉の向こうからいつまでも大きな鳴き声が聞こえてきたり…。
そんな愛犬の行動に困った経験はありませんか?

飼い主さんの中では「無駄吠え」とも呼ばれるものですが、愛犬にとっては決して“無駄”なことではなく、確かな意味を持つものです。では、いったいどんな理由から吠えているのでしょうか。飼い主さんが取るべき対応もあわせてご紹介します。

1.犬が無駄吠えする理由

【専門家監修】犬が無駄吠えする理由とは?原因から対処方法まで解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

理由① 警戒心や嫌悪感

散歩中にすれ違った他の犬や人に対して吠えるようなことがあれば、それは「近づかないで」と警戒しているのでしょう。また、玄関のチャイムが鳴ったときや、家の窓から外に向かって吠えているような場合も、自分と飼い主さん以外の存在に対して警戒していると考えられます。

理由② うれしい感情の高ぶり

犬は「うれしい!」という喜びの感情が高ぶっているときにも吠えることがあります。飼い主さんが帰って来たタイミングや、おやつの準備をしているときなどに吠えるケースが、この喜びの感情表現と言えるでしょう。

理由③ 要求

飼い主さんに自分の欲している事を要求するために吠えることもあります。「おなかがすいたよ」「散歩にいこうよ」「ケージから出して」など、飼い主さんに何かをしてもらいたいという気持ちを表しています。

理由④ 不安感

犬は、不安な気持ちを抱えたときにも吠えることがあります。特に多いのは、飼い主さんが出かけるときや、一緒に過ごしていた部屋から離れたときなどに起こす「分離不安」が強いケースと言えるでしょう。

理由⑤ ストレス

引越しや宿泊など、大きな環境の変化などからくるストレスでも吠えることがあります。大きな声を出してストレス発散!といった人間の持つ心理と似ているかもしれません。

2.犬が無駄吠えしたときは、どう対応するのが良い?

【専門家監修】犬が無駄吠えする理由とは?原因から対処方法まで解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

①警戒心や嫌悪感で吠えている

警戒心を和らげる

人や他の犬の声・姿に警戒して、家の中から外に向かって吠えることがあります。このようなときは、テレビの音や音楽を流す、姿が見えないようにカーテンを閉める、窓の外にサンシェードを取り付けるなど、音が聞こえにくくなるような工夫が大切です。また、警戒してしまうタイミングで知育玩具などに愛犬の好きな食べ物を詰めて与え、楽しいことに気持ちを反らしましょう。

散歩中に吠えてしまいそうな場面が予想されるときは、対象となる人や他の犬から距離を取る、場合によっては抱き上げて、おやつを与えながらすれ違う。といった対応を繰り返すうちに、警戒心が和らいでくるでしょう。

②うれしい感情の高ぶりで吠えている

飼い主さんは冷静に

愛犬がどんなにうれしそうでも、飼い主さんが同じように興奮してしまってはさらに興奮が高まり、より一層吠えるようになるでしょう。あくまでも飼い主さんは冷静に。帰宅したときに興奮していたらまずは少しだけご褒美をあげ、落ち着いたタイミングでたくさん触れ合ったり遊んであげるのが良いでしょう。

③要求するために吠えている

簡単には受け入れずに、待つことできたら褒めてあげて

要求吠えで一番やってはいけないのが、吠えたときにすぐにその要求に応えてしまうことです。「吠えれば何でもやってもらえる」と学習させることが、その無駄吠えを助長させることにもなり逆効果に。

何かを要求しながら吠えていると思われるときは、犬が落ち着くまで構うのを我慢しましょう。その後、落ち着いたタイミングで褒めてあげることで、「吠えても要求は通らない」「待てば褒めてもらえる」と学習していきます。

④不安感で吠えている

出かけるときはさりげなく。家の中でも離れた空間でのトレーニングを

外出時に声をかけすぎたり見つめすぎたりすると、犬は期待感を持ってしまいます。しかし、外出時は相手をすることができないため、犬にとっては期待が裏切られる形となり不安を感じるように。

外出するときは、過度な期待感を持たせないようにあまり干渉はせず、さりげなく出かけることが大切です。家の中でも過干渉にならず、犬が知育玩具などで一人で遊ぶ時間をつくることで、適度な自立心を育むことができるでしょう。

ただし、日常的に物を破壊したり嘔吐を繰り返すなど重大な症状がみられるときは、「分離不安症」という障害を抱えている可能性もあるため、動物病院での受診をおすすめします。

⑤ストレスで吠えている

ストレスの原因を探って、できる限りのコミュニケーションを

まずは、愛犬にとってストレスになるようなことがなかったかを思い返してみましょう。引越しや宿泊などはわかりやすいストレス要因ですが、例えば飼い主さん自身の気持ちが不安定だったり、家族の中でケンカが続いているなど、飼い主さんが思いもよらないちょっとした変化を敏感にキャッチして、ストレスに感じている可能性もあります。

思い当たるストレス要因があったら、できる限りそれを取り除くこと。そして、スキンシップやコミュニケーションの時間をたっぷりととってあげると良いでしょう。