逮捕されたエドガルド・グレコ逮捕されたエドガルド・グレコ

イタリアンマフィアのボスが、ある意外な場所で発見された。

先日、イタリアの対マフィア警察が、逃走中だったマフィアのボス、エドガルド・グレコ(63)を逮捕した。なんとエドガルド・グレコはこのとき、フランスのセイント・エティアンヌにあるイタリアンレストラン「カフェ・ロッシーニ」でピッツァイオーロ(ピザ職人)として働いていた。

「パオロ・ディミトリオ」という偽名を使って働いていたグレコは、1991年、ステファノとジュゼッペ・バルトロメオの兄弟を鉄棒で殺害した後、遺体を酸で溶かしたとされる二重殺人の罪に問われることに。その後、欠席裁判の末、有罪判決を受けたが、それ以来、罪をつぐなうことなくイタリアの法執行当局から逃れていた。

対マフィアの検事でカラブリア州カタンツァーロ検事局長のニコラ・グラッテリは、グレコを「危険な逃亡者」と表現。グレコが刑務所職員数名の殺人未遂でも有罪判決を受けていることから、「プリズン・キラー(刑務所殺し)」の異名を持っていることも明かされた。

なお、今回グレコが捕まるきっかけとなったのは、フランス紙「Le Progres」が彼がピザ職人として勤務する店を取材し、記事として掲載したことだった。その後店側が公式フェイスブックアカウントに記事を紹介。検事局の知るところとなった。

なお、カラブリア州警察は、グレコがこれまでに偽名を使って複数回、SNSに投稿していたことも確認している。

ジャーナリストで作家のロベルト・サビアーノは、マフィアのボスが注目を浴びようとするのは「めずらしくない」と語る。

このたび、CNNのインタビューに応じたロベルト・サビアーノは今回のような例について「典型的なことだ」とし、「(メキシコの麻薬密輸組織のボス)エル・チャポは現役時代、ショーン・ペンに会いたがった。自作映画に出てほしかったんだよ。(アメリカのギャングのボス)アル・カポネも映画『スカーフェイス』の撮影現場を見学したがっていたようだ」と例を挙げている。