国立音楽院南部校は、フリースクール「ピアくにたち学習センター」を開校した。
ゆったりとした空間の中で好きな音楽に触れて
国立音楽院南部校は、「桜と蛍の舞う町」と呼ばれる鳥取県南部町に校舎をかまえている。
学院生の年代は10代から80代までとさまざま。学生寮もあるため、西日本エリアを中心に全国から学院生が集まっている点が特徴だ。オープンシラバス制を利用し、皆が思い思いに音楽を学んでいる。
学科はリトミック本科や音楽療法学科、管楽器リペア科、ピアノ調律科など8種類。中学部・高等部もあり、高等部では県立高校の通信制課程で高校卒業資格の取得が可能。
自然に囲まれたキャンパスには、都会にはない豊かさがあるそうだ。都会の生活に疲れた人も、ゆったりとした空間の中で好きな音楽に触れ、学ぶことができる。
フリースクール「ピアくにたち学習センター」開校の背景
国立音楽院はこれまで、不登校の子ども達が音楽や造形といった学びを通して、心身のバランスや元気を取り戻す姿を数多く見てきた。
また、2012年度に開校した「インクルーシブ教育コース」をはじめ、初等部・中等部・高等部で数多くの不登校生を受け入れてきた。
同校のフリースクールでは音楽を中心とした専門授業のほか、中国語、韓国語、中学生・高校生の一般科目の学習サポートなど、幅広い分野の授業を自分のペースで受講することができる。
従来のフリースクールの概念とは異なる自由な学びのスタイルは、不登校の子どもの受け入れを長年行ってきた国立音楽院だからこそ提供できる環境だ。
国立音楽院南部校のフリースクールの特長
国立音楽院南部校のフリースクールは、多様性を受け入れるオルタナティブスクールだ。その特長を紹介したい。
同校のフリースクールでは、さまざまな分野に触れ「好きなこと」に出会うことで、それぞれの個性を伸ばす手伝いをする。
また、受講科目の範囲を絞らず、音楽やものづくりなど興味のある分野を幅広く学べる環境が整っている。一人ひとりのペースに合わせて通学頻度を決めることができる。毎日必ず通わなければいけないというわけではない。
もちろん毎日通うことも可能だが、午後から通学もできる。自由な通学ペースで、無理なく通い続けることができる。
また、一方的な講義形式はとらず、生徒は仲間と共にさまざまな角度から学びを深めていく。多角的な視点を育む環境で、生徒は自分のペースでそれぞれの感性を磨いていくという。
キャンパスには、老若男女問わず幅広い年代の学院生が出入りしている。自分と違う年代の人々と関わることができるので、同世代同士特有の雰囲気が苦手な人でも、安心して学ぶことができる環境だ。