アーロン・カーターアーロン・カーター

グラミー賞の追悼コーナーに昨年亡くなったあの歌手が登場せず、物議をかもしている。

米時間2月5日(日)、世界最高峰の音楽の祭典「第65回グラミー賞授賞式」が開催された。

この式典では毎年、この1年で亡くなった音楽界に大きな影響を与えた人物をしのぶコーナー「In Memoriam」が設けられている。

今年は、リサ・マリー・プレスリー、スティーブン・“トゥイッチ”・ボス、クリスティン・マクヴィー、デヴィッド・クロスビー、オリヴィア・ニュートン=ジョンといった偉大な面々が会場の巨大スクリーンに映し出される中、昨年11月に亡くなった元アイドル歌手アーロン・カーター(享年35)の姿が見えなかったことから、ファンが怒りの声をあげている。

アーロン・カーターの兄であり人気ボーカルグループ「バックストリート・ボーイズ」のメンバーでもあるニック・カーターの代理人は、今回のグラミー側の対応について「とても悲しい」と語っている。

アーロンは10代の頃から子役としてそのキャリアをスタートさせ、90年代後半を中心に「I'm All About You」「I Want Candy」、「Aaron's Party (Come Get It)」といったヒット曲を世に送り出すと、アイドル歌手としてその地位を確立させた。

しかしその後、薬物とアルコール依存に苦しみ、度重なる不祥事を起こして表舞台から姿を消している。

そして昨年11月、自宅の浴槽で亡くなっているところが発見された。死因は薬物の過剰摂取による事故と見られている。

アーロンの生涯は波乱に満ちたものだったが、それでもグラミー賞の場で彼の遺志がたたえられなかったことは、ファンからのひんしゅくを買った。

あるツイッターユーザーはこの日、アーロンの写真を投稿。「グラミーは、亡くなった歌手たちに敬意を表しながら、アーロン・カーターの写真を採用しない選択をした。とても悲しい事態なので、私がここで、ささやかながらも追悼する。アーロン・カーター、安らかにお眠りください」とキャプションを添えた。

さらにほかのユーザーからも、「アーロン・カーターが追悼コーナーから外されている意味がわからない。彼はティーン・ポップスの流れを変え、多くの記録を破り、彼に続くポップスターのために道を切りひらいたんだ」とアーロンの功績をたたえる声や、「グラミー、なんで10分も追悼コーナーの時間をもうけておきながら、アーロン・カーターを入れなかった!?彼の死に方は問題だったかもしれないが、彼も昨年亡くなったミュージシャンだ。なんで彼は入らなかった!?」「おいグラミー、アーロン・カーターを追悼コーナーに入れないなんて、めちゃくちゃ失礼だぞ」と反発する声が見られている。