キム・ペトラスと、サム・スミス Photo: David Fisher/Shutterstock
「第65回グラミー賞授賞式」で人気歌手のサム・スミスとキム・ペトラスが、ヒット曲「アンホーリー」をパフォーマンスした。
米時間2月5日(日)、米カリフォルニア州・ロサンゼルスで、音楽界最高峰の祭典「第65回グラミー賞授賞式」が開催。世界のアーティストたちが一堂に集結した。
この日、サム・スミスとキム・ペトラスは、コラボ曲「アンホーリー」でみごと最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)賞を受賞。キムにとっては今回が初ノミネートで初受賞。さらに、同賞を受賞した初のトランスジェンダーウーマンという快挙を成し遂げた。
キムはスピーチで、彼女の道を切り開いてくれた先人のトランスジェンダーたち、LGBTQの人権のため戦ってくれたマドンナ、そして彼女を育ててくれた母親への感謝の気持ちを述べ、会場を感動させた。
サムとキムの会場での生パフォーマンスのプレゼンターを務めたマドンナは、「私は新しい道を切り開く、反逆者たちに感謝するためにここにいます。あなたたちの大胆不敵な姿を、私たちは知っています、見ています。そして感謝しています。多くの批評を乗り越え、戦い、『アンホーリー』という美しい楽曲を誕生させた、信じられないほど才能豊かな2人、サム・スミスとキム・ペトラスです」と2人を紹介した。
マドンナに紹介されたあと、サムとキムがステージに登場し「アンホーリー」のパフォーマンスを披露。真っ赤に染まったステージでは、サムがツノの生えた帽子をかぶって悪魔を表現。さらにジーザスをイメージしたようなダンサーたちと共に踊りながら熱唱した。
さらにキムは、赤いレザーのセクシーなミニドレスで登場。オリに閉じ込められ、炎に包まれながら妖艶なダンスをし、圧倒的な歌唱力で歌い上げた。
サムは「アンホーリー feat. キム・ペトラス」について、「危険すぎるから(今までにないサムのビジュアルや歌詞が)みんなに見捨てられるかも!」と振り返るが、本楽曲は自己愛を追求したサムだからこそ表現できる、サムの勇気ある精神の表れである。
この曲は激しいコーラスで幕を開け、パートナーや子どもを軽んじる人を罵倒する歌詞となっている。サムはいま楽曲が作られるまでの過程をこのように語っている。「この曲を初めてセッションしたスタジオでは、私とキムと9人の男性がその場にいて、キムにスポットライトが当たると、その部屋のエネルギーは明らかにアンバランスになった。私はセッションを止めて、みんなを黙らせて『キムにキムをやらせる必要がある』と言い、本来のキムの実力を出せるようにしたんです。そうしてキムはバース全体をフリースタイルで歌い上げました」また、「アンホーリー feat. キム・ペトラス」が収録されている、最新アルバム「Gloria/グロリア」について、サムは「『グロリア』には女性の影響が大きいのです。スタジオでは、男女のバランスが取れていることを確認できました。それはすばらしいことです。私のキャリアでは、共同作曲家やプロデューサーは男性に偏っていたので」と語っている。
「アンホーリー feat. キム・ペトラス」は、全米シングル・チャートで3週間、全英シングル・チャートで4週間1位を獲得し、アルバム発売前に全世界で合計10億回以上のストリーミング再生数を記録している。