自由になるお金の多い20代は、人生において「お金の貯めどき」です。貯めたお金があれば、ライフイベントや夢を実現するチャンスが訪れたときに、人生の選択肢は格段に増えるでしょう。貯蓄額の目安や20代のお金の貯め方を解説します。
20代独身はもっともお金を貯められる時期
人生に3つあるお金の貯めどきは、(1)子どものいない結婚前、(2)子どもの小学校入学前、(3)子どもの独立後と言われています。(1)と(2)は20代から30代、(3)は40代から50代になることが一般的です。その中でも特に、(1)に該当する20代独身がもっともお金を貯められるといえるでしょう。
実際に20代の人はどのぐらい貯蓄しているのでしょう。貯蓄や年収などお金のことは親しい間柄であっても話題にしにくいものです。話題になったとしても、周りの反感を買わないように少なめに言う人もいれば、見栄を張って多めに言う人もいます。
そこで「20代はどのくらい貯蓄しているの?」「年収に対して妥当な貯蓄割合は?」といったことを、具体的なデータや数字を見ていきましょう。
平均貯蓄割合から預金額の目安をシミュレーション
20代の平均貯蓄割合は15%、賞与からの平均貯蓄割合は32%
平均貯蓄割合については「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成30年 金融広報中央委員会より)」を参考にしています。
同調査によると、20代の貯蓄割合の平均は15%。これは賞与などの臨時収入を含む年間手取り収入に対する割合です。貯蓄している人を多い順でみると、貯蓄割合10~15%未満の人が14.7%、35%以上の人が12.5%、5~10%未満の人が10.5%でした。
また、平均貯蓄割合は他の年代と比較して20代がもっとも高く、年代が上がるにつれ下がっていきます。このことからも「貯蓄は年収が上がってから」と考えるのではなく、20代のうちから積極的に貯蓄している人が一定数いることがわかります。
賞与などの臨時収入からの貯蓄割合の平均は32%です。貯蓄している人をみると、貯蓄割合60%以上の人が14.7%、50~60%未満の人が9.1%、10~20%未満の人が7.4%の順でした。貯蓄をする人は賞与が入ったからといって全額使うことなくきちんと預金していることがわかります。
平均貯蓄割合を基にした年収と預金額の目安
続いて平均貯蓄割合を基に、年収ごとの預金額の目安をシミュレーションします。手取り額に20代の平均貯蓄割合15%をかけると下記の通りです。
年収250万円 手取り約200万円 年間貯蓄額約30万円
年収300万円 手取り約236万円 年間貯蓄額約35万4,000円
年収350万円 手取り約274万円 年間貯蓄額約41万1,000円
年収400万円 手取り約312万円 年間貯蓄額約46万円8,000円
1回の賞与が月給の約2ヵ月分とし、賞与から20代の平均貯蓄割合32%を貯蓄すると金額は下記の通りです。
年収250万円 毎月約1万2,000円 賞与からそれぞれ約8万円
年収300万円 毎月約1万4,000円 賞与からそれぞれ約9万4,000円
年収350万円 毎月約1万6,000円 賞与からそれぞれ約10万9,000円
年収400万円 毎月約1万8,000円 賞与からそれぞれ約12万5,000円
このシミュレーションは全国平均から導き出された結果で、お金を貯めるうえでの一つの目安となるでしょう。もちろん働いている場所や生活費によっても預金にまわせる金額は変わります。
目標金額から預金額の目安をシミュレーション
平均貯蓄割合から預金額の目安を計算する方法の他に、目標金額から逆算する方法もあります。
たとえば、預金を始めるとき預金1,000万円をひとつの目標にしたとします。預金1,000万円以上の人の割合は、20代で1.7%、30代で10.6%です。30代では10人に1人以上が1,000万円の預金を実現しているのです。
22歳で就職して30歳までに1,000万円を貯めるための預金額の目安は下記の通りです。
1年目 年間貯蓄額60万円 毎月約5万円
2年目 年間貯蓄額80万円 毎月約5万円、賞与からそれぞれ約10万円を預金
3年目 年間貯蓄額100万円 毎月約6万3,000円、賞与からそれぞれ約12万円を預金
4年目 年間貯蓄額120万円 毎月約7万7,000円、賞与からそれぞれ約14万円を預金
5年目 年間貯蓄額140万円 毎月約9万円、賞与からそれぞれ約16万円を預金
6年目 年間貯蓄額150万円 毎月約9万5,000円、賞与からそれぞれ約18万円を預金
7年目 年間貯蓄額170万円 毎月約10万8,000円、賞与からそれぞれ約20万円を預金
8年目 年間貯蓄額180万円 毎月約11万3,000円、賞与からそれぞれ約22万円を預金
この結果を見ると、かなりストイックに預金しなければ30歳までに預金1,000万円は達成できません。
目標期間や預金額は自分の年収や生活状況を踏まえて柔軟に設定することが大切です。生活を切り詰めすぎて健康を損なわないように注意しましょう。