おっさんのY2K即ち2000年代初頭は高校生~大学生辺りであり、その時分は売り上げの7割がAVで成り立っている地元のレンタルビデオ店でアルバイトをしており、その職権をフルに濫用する形で色々な映画をタダ借りして観まくっており、その知識と経験が今日こうして映画も書ける#ショウムライターの血となり肉となり金となっている訳であるが勿論、AVもタダ借りしており、その知識と経験は血にも肉にも金にもそして決して無駄にもなっていない訳であるというどうでもいい文章。
やたらと晴れやかな海沿いの街で繰り広げられるパニックと、それに立ち向かう人々の青春と兄弟愛と親子愛は、正しいティーンホラーの王道を行く内容であったし、やっぱりプロム(アメリカの高校生活最後に開催されるダンスパーティの事)はメチャクチャになったし(パーティシーンをそうするのも王道中の王道)、終始能天気なノリと西海岸のメロコア風味のBGMやメタフィクションなエンディング(曲も映像も)など、オフスプリングとか311とかゼブラヘッドとかシュガーレイとか聴きながら通学してバイトして帰って借りて来た下らなくてつまんねえんだけどサイコーに面白いホラー映画(勿論大半がアルバトロス配給)とAVを観てたおっさんからするともう、懐かしいわ愛おしいわ、本作で望郷心に駆られたアラフォーのおっさんは多い筈だというかそんなおっさんは俺の同志というか殆ど俺です。
そんな愛しき“アルバトロス感”に溢れていつつも物語としてはちゃんとしていて、ラストの大いなる飛躍で驚かせもしてくれて、これをきっちり描き切った監督とこれをしっかり演じ切った役者とその周りのスタッフ陣はマジで、全員いいヤツというか俺の同志というか殆ど俺なんだろうなと思う内容でした。
冒頭でも取り扱ったキャッチコピーである「サメの時代は終わった。」が鑑賞後に別の意味合いを帯びてくる所なんかホントに、これ付けた御仁には一杯ご馳走したいの心持ちではあるのだが、何と先日飛び込んできた速報によれば来る4月14日からは『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』なる映画(しかもこのタイトルでまさかの邦画)が公開されるとの事。