A. 子猫ちゃんたちが疥癬にかかってしまっていて、かつ飼い主の方ご自身にお子様がいるとなれば、ご心配ですね。でも、取り扱いさえしっかりしておけば、予防は可能なものです。以下に疥癬についてご説明をさせていただきます。
猫に感染する疥癬を『猫小穿孔疥癬虫』といいます。別名猫疥癬、猫ヒゼンダニなどと呼ばれています。以下、猫疥癬と略称させていただきます。
猫疥癬は猫の皮膚にトンネルを掘り、寄生する外部寄生虫です。この寄生虫に感染すると、初期は激しい痒みが顔面や頭部、頚の部分にみられ、猫が頭を振ったり、自分で色々引っ掻いたりして、傷を作ってしまうことがあります。これを放っておくと次第に症状が進行していき、フケや脱毛、カサブタがみられるようになります。感染が重度となってくると、皮膚がどんどん肥厚し、顔や頭部にシワがよったように見えてきて、まるで一気に年を取ったかのように見えてきます。
(* このような特徴をもった猫(顔や頭部などにシワがあるような猫)では疥癬に感染している可能性が高いため不用意に素手で触れないようにしましょう。)
猫疥癬の診断は皮膚の一部を掻き取り、それを顕微鏡で検査し、疥癬の本体を検出することで行います。診断が確定しますと、治療の開始となります。疥癬に効果がある薬剤があるため、定期的に治療を2~3回程度受けることで治癒していきます。
猫疥癬は人獣共通の寄生虫で、直接接触することにより感染します。
(* ごく稀にしか人に感染せず、感染しても一過性と考えられています。猫疥癬に人間が寄生されますと皮膚の柔らかな部分に発赤や線状の炎症、水泡などがみられるようになり、痒みが大変強いものですが、猫の治療を行っていけば、通常自然に人間の方も治っていきます。ただし痒みが激しかったり炎症が酷い場合には、人間の皮膚科にご相談なさることをお勧め致します。)
猫疥癬に感染している猫を取り扱う場合には、猫に直接皮膚が触れないように、ビニールの薄手の手袋をして、なるべく体に猫が接触しないようにします。
また、猫から落ちるフケの中に疥癬がいる可能性もあるために、猫が住まいとする部分にはビニールシートなどを敷き、更に捨ててもよいような布やペットシーツなどを敷き、日々交換し、交換したものはすぐに袋に入れ焼却処分にするようにします。
子猫をつい抱っこしてしまった時には、服をすぐに洗濯するようにしましょう。繰り返しますが、猫疥癬は接触感染によって感染する人獣共通の寄生虫ですが、人に感染することは少ないものです。
しっかり予防策をとって、猫の治療を行っていけば、それほど恐れる必要はありません。
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