「求人に書いてある試用期間ってどういうこと…?お試し採用って言うことなら、クビになることもあるのかな。」
「試用期間中なら退職できるってホント?」
パートで働く場合、本採用前に試用期間を設ける職場もあります。「試用期間中の時給は-100円」のような記載を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
もし試用期間中に退職したいと思った場合、どうしたらいいのでしょうか?
また、試用期間で終了です、と本採用に至らないこともあるのでしょうか。
今回は、パートの試用期間について紹介していきます。
そもそも試用期間って?
試用期間とは、実際に勤務をすることで適性などを確認し、本採用とするかどうかを企業側が判断するための期間のことです。
正社員、パート・アルバイトなど直接雇用の場合に多く用いられています。
試用期間は、働く人、採用する人双方にメリットがあります。
・働く人へのメリット
・その仕事に向いているか?がわかる
・その条件で本当に働けるかが確認できる
・職場環境がわかりやすい
・採用する人のメリット
・職務適性があるかを把握できる
・勤務態度を確認できる
・試用期間でどの業務に合うかの確認ができる
採用側にはどんなところを見られている?
採用する側は、試用期間中に仕事を任せられるか?を確認します。その際見られるポイントとしては
・仕事への理解、適性
・チーム等周りの人との相性
・勤務態度(欠勤や遅刻・早退の頻度など)
採用活動では、書類審査や面接、適性検査などを実施しますが、実際の実務スキルや適性は採用選考で見極めることはできません。
試用期間中にクビになることもある?
一般的な雇用契約とは異なり、試用期間中の労働契約は「解約権留保付労働契約」となります。つまり、採用する側としては、労働契約をとりやめる権利を保留にしている状態です。
「解約権留保付き労働契約」では、試用期間中の仕事ぶりや勤務態度を見て、自社の基準と照らし合わせて「この仕事を任せることはできない」と認めた場合、解約権を行使することができます。
その場合、働いている人との契約を解除することができるのです。
ただし、試用期間があってもなくても、労働契約を結ぶ=雇用効力が確定しています。
試用期間は〇ヶ月以内でないといけない!とは決まっていませんが、「仕事の適性を判断するために必要な合理的な期間」を定めることが求められています。
企業が設けている試用期間を見てみると、1か月~6ヶ月程度としているところが多いようです。
試用期間を設ける場合は就業規則や労働契約書に明記しておかなければいけないことになっています。
試用期間と研修期間は違うもの?
では、研修期間とは違うのでしょうか?
試用期間は、採用する側が働く人を本採用するかどうか期間を設けて仕事ぶりや勤務態度をみるための期間です。
研修期間は、採用したのちに業務を行うために必要な知識やスキルを身につけるための教育期間を指します。
試用期間の延長はある?
研修期間については業務習熟が不十分となれば延長されることもありますが、試用期間も延長されることがあるのでしょうか?
基本的には「延長をするべき客観的な合理性が必要」です。
たとえば、試用期間中に介護等やむを得ない事情で欠勤が多く、試用期間を延長せざるを得ない場合などは可能性があるでしょう。
ただし、一方的な試用期間の延長は認められていないため、採用する側と働く側で話し合い同意を得ることで延長をすることが求められます。
※延長をする場合でも就業規則や契約書に明記が必要です。
試用期間だから最低賃金以下なの?
「試用期間中は-100円」という募集を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
試用期間中だからといって、時給を払わなくていい、給与を最低額よりも低く設定していいということではありません。
ただし、本採用よりも時給を低く設定する場合、平均賃金が最低賃金を下回らなければ法令違反にはなりません。
試用期間中の給与額÷試用期間中の勤務時間=試用期間中の平均賃金 これが都道府県別最低賃金を上回ればOKです。
試用期間中に辞めてもいい?辞めるときはどうすれば?
試用期間中に退職する場合は、雇用契約が有期雇用か無期雇用により異なります。
・無期雇用=雇用期間に終わりの定めがない場合
民法627条には、雇用期間の定めがない場合「いつでも退職の申し出をすることができ、雇用は退職を申し出た日から2週間を経過することによって終了となる」と定められています。
結論、ルール上原則として退職希望日の2週間前までに退職の意思表示をすれば、試用期間中であっても退職は可能です。
しかし、あくまで法律上のルールの上でのお話しです。基本的には、働いている職場の就業規則や退職規定を見るか、職場の人に相談するのが良いでしょう。
退職日も先に希望の日程を職場の上司にお伝えして、話し合いながら決めていく方が、賢明です。
・有期雇用=終了の期間が決められている場合
雇用される期間が決まっている=有期雇用の場合は、基本的に契約終了日まで契約を終了することができません。
しかし、やむを得ない事由がある場合は、基本的には即日退職ではなく最短でも2週間前には申告するのが良さそうです。
実際にやむ得ない事由について、法令には具体的な記載はありません。
主婦の場合、体調不良やケガなど本人が就労不能な状態になる場合と、
親の介護や子供の通院、転勤など、家族の事情で就労の継続ができない場合が考えられます。
急ぎ退職をしないといけない場合、まずは職場と相談してるのがよいでしょう。
試用期間中の退職をする場合の手続き・フロー
・①上司に口頭で退職意思を伝える
【準備しておくこと】
・退職希望日を決めておく→あくまで自分の希望でOK
・退職理由を具体的に考えておく→体調不良や介護など
・引継ぎ先の確認
・②退職の意思を伝えたら人事担当者に必要な書類の確認を行う
【書類】
・退職届→自分で用意する場合、会社で用意されている場合があります。
・雇用保険、健康保険など→試用期間中の場合、各種保険の手続きが完了していない場合もあります。
・失業保険を受け取れるかどうかの確認
※退職後、健康を保険をどうするのかなど、考えておく方が良いです。
・③引継ぎ準備を行う
・引継ぎ相手がいる場合は、退職までに引継ぎが完了できるように準備をする。
・後任の人がいない場合は、引継ぎマニュアルなどの作成を用意する。
④有給がある場合、有給消化スケジュールを作る ・退職後の予定を考えておく
まとめ
パートの試用期間は、本採用するかどうかを企業側が判断する期間。ですが、
求職者にとっても、環境などをお試しできる期間でもあります。
試用期間中にクビになることもありうるので、
試用期間であっても、気を抜かずもしものために、
就業規則や労働契約書、雇用契約書の内容を確認しておいた方がいいでしょう。
また試用期間は、通常より時給が下がる場合がありますが最低賃金を下回っていなければ法令違反ではありません。
試用期間中に辞めたい場合は、基本的には、試用期間を待ち、継続勤務しない旨を伝えましょう。
もしも試用期間を待たずに辞めたい場合は、退職希望日より2週間前には、上司に申し出ましょう。
提供・しゅふJOBナビ
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