新型コロナウイルスによる感染症の影響で、世界中が大きな打撃を受けている昨今。日本もこれまでの働き方や生活様式を見直す転換期となることでしょう。そこでこの記事では、コロナ後の世界を生き抜くために、20代が身に付けておくべきスキルを3つ紹介します。

コロナショックで社会に大きな変化が起きている

コロナショックで社会には大きな変化が起きています。2020年6月5日の段階で「新型コロナウイルス関連倒産」は全国で222件が判明しています。倒産企業の多かった業種の内訳は「ホテル・旅館」(39件)、「飲食店」(30件)、「アパレル・雑貨小売店」(17件)、「食品製造」(15件)、「食品卸」(13件)、「建設」(8件)です。

さらに新型コロナウイルスの影響で業績の下方修正を行なった上場企業は643社にのぼります。減少した売上高の合計はおよそ4兆8,173億円になっています(5月20日現在)。これだけ多くの企業が新型コロナウイルスによるダメージを受けた以上、以前のように社員を雇うのが難しくなる可能性は否定できません。

また、新型コロナウイルスは働き方にも大きな影響を与えています。シンクタンクのパーソル総合研究所が2020年4月と5月に実施した調査によれば、全国で3月半ばには13.2%だった正社員のテレワーク実施率が緊急事態宣言後には27.9%まで増え、中でも東京都は約50%となっています。

同調査では、全世代で53%、20代・30代では6割が、新型コロナウイルスが収束した後もテレワークを希望するという結果となっており、継続的にテレワークが実施される可能性もあります。

このように人を雇う企業がダメージを受け、働き方も変わる可能性が高い現在、20代の若手ビジネスパーソンは、コロナ後の世界を生き抜くためのスキルを習得することが必要不可欠と言えるでしょう。

アフターコロナに備えて身に付けておきたいスキル

アフターコロナの世界ではテレワークが現在よりも普及するかもしれません。もし、そうなったときに備えて身に付けておきたい3つのビジネススキルを確認していきましょう。

1.文章力~メール、チャットでいかにわかりやすく伝えるかが重要

リモートワークが導入されるなか、これまで重視されてきた対面でのコミュニケーション能力の重要性が低下し、チャットやメールなどのコミュニケーション力、つまり文章力の重要性が増大することが予想されます。

コミュニケーションにおいて有名なメラビアンの法則では、メッセージの受け手が内容を理解するのに使うのは言語情報が7%、話し方などの聴覚情報が38%、見た目や表情などの視覚情報が55%であり、非言語コミュニケーションが重要であるとされています。

対面での会議であれば、非言語コミュニケーションで相手を説得することもできました。しかし、チャットやメールであれば、言語コミュニケーションに大きく依存します。文章でいかに上手くコミュニケーションを取れるのかが非常に重要です。

いかにわかりやすくチャットやメールで考えを伝えるか、そうしたスキルが求められるのではないかと予想されます。

2.情報活用能力~フェイクニュースを信じ会社に損失を与えないために

新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが不足するというデマが流れた結果、多くの人が買い溜めに走り、実際に一部の地域では品不足から購入が難しくなりました。WHOはこのような事態をインフォデミックと呼び、災害としています。

検索エンジンやSNSなどの情報プラットフォームが急速に発展したことにより、情報が大規模に拡散されるようになりました。有益な情報もあれば、フェイクニュースと言われる嘘の情報もあり、情報リテラシー(情報活用能力)が低いと信憑性の低い情報を信じかねません。

こうした嘘の情報を信じ拡散したり、人に伝えたりすると信用を失ってしまいます。それはプライベートだけでなく仕事においてもです。嘘の情報を信じてしまい、自分の会社だけでなく取引先やお客様にそれを伝え損失を与えてしまったとなっては大きな問題になります。

まずは情報を鵜呑みにすることをやめ、その情報のソース(情報源)はどこか、誰が言っているのか、一次情報なのか、それとも二次情報なのか、そういった視点から判断することが大切になってきます。正しい情報を取捨選択できる情報リテラシーを培っていきましょう。

3.適応力~新しい働き方に慣れる!

パーソル総合研究所の調査では、テレワークを実施している人の43.6%が「仕事に集中できない」と答えており、32.8%は「仕事への意欲ややる気が低くなった」と答えています。自宅で仕事をすることで効率が落ちてしまう人も少なくないようです。

しかし、テレワークの導入が今後も進み、当たり前になれば否が応でもその働き方をしなければなりません。会社でないと集中できない、やる気が出ないなんて言っていられなくなりますよね。そうした新しい働き方を受け入れ、適応していく必要があるでしょう。

適応する手段として、自宅でもやる気と能率があがるよう仕事用のデスクや椅子を購入してもいいでしょう。働く環境を整えればモチベーションもアップします。変化の激しい今の時代において、世の中の移り変わりに柔軟に対応していく適応力は、今後ますます重要になってくると思われます。