A. ご質問者のご家庭のご事情はわかりませんが、もしも一人暮らしをされておられるのでしたら、これ以上の猫を同居させる事はあまりお勧めできません。

一人の人間が、多数の猫と暮らす場合、愛情やしつけの面だけでなく、各種予防(室内飼育であっても予防接種は推奨されています)や健康診断、万が一病気になった時などに病院へかかる時の時間、手間そして費用を考えるとそれらの負担が大きなものになってくるかもしれません。

また、昨今何かと災害のニュースが耳にされます。もし何かの災害があったとき、皆を連れて、彼らのフードや水、トイレ用品などを持って避難する事が可能でしょうか?動物を飼う、ということは彼らの健康面をしっかり管理し、病気になったとき、災害にあったときにできるだけケアをしてあげる覚悟が必要です。

もし、上記の手間や時間、費用面でも4匹分大丈夫であり、災害時にも面倒がみられるというのであれば、4匹の雄猫の同居は可能かもしれません。

ただ、人間でも言えることですが、猫では限られた空間内で同居する際には個々の相性が問題となってきます。このため、通常、多頭飼育する場合には親子兄弟関係、同年齢にちかい子猫同士、あるいは異性同士である事が推奨されています。

今回のご質問者の方は2匹の雄猫がいる所に2匹の雄猫を迎えるとのこと、先住猫2匹の社会化が十分になされていたとしても、相性が合わない可能性が上記の組み合わせに比べて少し高くなります。

相性が合わない猫たちが、限られた空間で暮らしていくためには、お互いに距離を保つことが重要となってきます。このためには、それぞれのくつろぎの場(眠ってリラックスできる場所)や食事場所、そして(頭数+1)個のトイレの場所が必要となってきますので、これらの場所を猫のために用意する事が可能かどうかもお考えになってみてください。

それぞれの猫が互いの距離を保つ事が可能であるならば、子猫を迎える前に子猫の健康診断をしっかり行っておきましょう。子猫から先住猫たちに病気が感染しないように動物病院で健康診断を受け、寄生虫感染やウイルス感染の有無を確認しましょう。
またワクチンの接種はすべての猫で行なっておかれることをお勧め致します。

子猫を迎えたら、子猫と一緒にたくさん過ごしたくなるかもしれませんが、子猫を迎える事で驚き、時に怯えている先住猫のことをまず第1に考えてあげましょう。真っ先に先住猫たちに話しかけ、食事もブラッシングなども先住猫を優先するようにしましょう。

また、子猫が先住猫と遊んでもらおうと、しつこくじゃれ付いてくることがあります。その際に先住猫がうるさく感じて威嚇したり、軽い猫パンチを繰り出したりしたとしても、子猫に怪我がなければ特に手を出す必要はありません。
代わりに先住猫が子猫の手の届かない場所でくつろぐ事ができるように、高い場所、あるいは子猫出入り禁止の別室に先住猫たちの居心地の良い空間を作ってあげましょう。

※ 同居生活がうまくいかない場合、尿スプレーや過剰グルーミング行動などの問題行動が生じてくる場合があります。このような際には行動学専門の獣医師にご相談される事をお勧め致します。


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