月間10億PVもの閲覧数を誇る、日本最大級の掲示板サイト『爆サイ.com』(以下、爆サイ)が、またもや物議を醸している。

 11月7日に時給額10万円を争った爆サイ管理人総選挙の結果が発表され、暴露系YouTuberコレコレ氏が管理人の座についたことで大いにネットを賑わせた爆サイだが、今度は大炎上を起こした“あの”騒動に乗っかった。

 12月16日に大手小売ドン・キホーテが公式キャラクター・ドンペンの退任と「ド」という文字に手足が生えたような、ド情ちゃんの公式キャラクター就任をTwitterで突如発表。認知度が高くオリジナルグッズも作られるほど人気の高いドンペンの退任は大手メディアも取り上げ、Twitterでもファンから苦情が殺到。この大炎上に吉田直樹社長などドン・キホーテ幹部陣が緊急会議を開き、ドンペンの続投と謝罪を発表する事態となった。

 しかし、この退任劇はドン・キホーテ側が仕掛けた、“炎上マーケティング”ではないかといった疑いが囁かれている。ドン・キホーテが退任を発表したイラストには各キャラからメッセージが添えられており、そのメッセージの頭文字を拾うとドンペンは「たたかいます」、ド情ちゃんは「こチラはほンき」となる。また、退任発表から8時間でのスピード撤回も「動きが早すぎる」「最初から撤回が決まっていた」など疑惑が残るものとなっている。

 ドン・キホーテの広報は「ネタではなかった」といった旨を発表しているが、こういった炎上マーケティングは海外で前例がある。

 海外の著名な広告賞であるカンヌライオンズで2011年に2部門でグランプリを受賞したルーマニアのチョコレート菓子「ROM」に関するプロモーションがそれにあたる。ルーマニアの国旗をモチーフとしたパッケージで親しまれてきた「ROM」だが、若者受けが芳しくなくなってしまっていた。そのため、若年層へのアプローチのために行われたプロモーションでは、なんとパッケージをルーマニアの国旗からアメリカの国旗への変更を発表。これに愛国心がくすぐられたルーマニア国民は猛反発をおこしたそうで、それを受けた形で「ROM」はジョークであることも含めた上で撤回を発表したとのことだ。

 このマーケティング手法は、「長年、親しまれてきたブランド」が「全く違う姿に変わる」といったことへの保守的な反応を促進することで成り立つ。ドン・キホーテはジョークであったことは発表していないが、話題化することには成功した形だ。