芸人になってからテレビ出演やレギュラー番組を持つことにそこまで苦労はしなかった。僕としてはかなり順風満帆だと思っていたが、ある時与座から「認知されるまでに時間がかかったね」と言われ「え?」と思ったが、どうやら与座は2~3カ月でバンバンテレビに出られる想像をしていたらしい。それを聞いたときに与座が二つ返事で芸人をやることを了承した意味がわかった気がした。

 ある程度苦労しながらも上手く進んでいたホーム・チームだったが、危機が無かったわけではない。僕たちが25歳になろうとしていた年、与座から「解散したい」と言われた。

 理由は「スタントマンになる為」だった。与座は夢を諦めていなかったのだ。僕はかなり動揺したが、僕の夢に何年も付き合ってくれた与座へ対して夢を諦めさせるわけにはいかない。ショックを受けつつ、目の前が真っ白になりながら、解散を快諾し、事務所へ報告した。

 もちろん事務所にとってもいきなりのことだったので、騒然とした。とりあえず解散を決めずに話し合おうということになり、事務所と話し合いをすることとなった。嬉しい事に以降の仕事もいろいろと決まっており、「今ホーム・チームを辞めさせるわけにはいかない」と思っていただいたようで事務所としては辞めさせないよう、僕というよりは与座を説得する話し合いとなった。

 話し合いの結果、与座はお笑いを続けてくれることとなり、結果的に2010年までホーム・チームをやり続けてくれた。コンビ結成から解散までいろいろあったが、与座にはどれだけ感謝しても足りないくらい感謝している。

 そしてホーム・チームが解散したあとも、与座はお笑いを続けてくれて、芸歴27年目にして新しい道を歩みだすことになったのだ。

 もし僕がお笑いに誘っていなければ、与座には違う未来があり、本当にやりたかった事を精一杯やれたかもしれない。そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、与座の新しい門出をネガティブな感情で汚すわけにはいかない。それに与座だったらあの笑顔で「気にしなくていいよ」と言ってくれる気がする。だから僕は、前向きな感情で応援していこうと思う。

 46歳で家族もあり、その状況で新しい世界へ飛び出すのはとても勇気がいることだと思う。ただ僕たちがお笑いを始めた頃よりも、現代は明らかに夢が叶う可能性が広がった。今の時代だからこそ46歳からでも夢が追えるのだ。

 世界へはどういう形で飛び出すかはわからないが、今の与座の現状を見て無謀だと横やりを入れる人がいるかもしれない。もちろんそんな事で心が折れる人じゃないのは知っているが、あえて与座にはあの言葉を返したい。

「大丈夫!続けてれば絶対認められるから!」

 長い間お疲れ様でした。ホーム・チームをやってくれてありがとう。そして……頑張って!

 12月25日17時30分より、永田町にある星陵会館ホールにて与座よしあきの最後のお笑い単独ライブ「与座よしあきの大感謝ライブ」が行われます。限定300人の無料ライブとなっておりますので、お時間ある方はぜひ足を運んでいただけると幸いです。詳細は与座のツイッターに載っています。

 記憶力がそこまである方じゃないので、間違った思い出になっている可能性があるかもしれませんが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 引き続き与座ともども応援よろしくお願いいたします。