A. ストルバイト結晶の療法食は内臓に負担をかけることはありません。ただ、結晶を作らせないように、また尿をたくさん作って、結晶のもととなるものが固まる前に排尿するように、少し塩分が高めに設定されています。そのために、心臓や腎臓の調子が悪くなっているような場合には、すでに悪くなっている腎臓や心臓に水分・塩分による負担をかけることがあります。また、療法食には尿石溶解用のものと、尿石予防用のものがあります。

溶解用のものでは、結石の溶解を第一の目的としているので、長期間の投与では栄養バランス面からいっても体に負担がかかります。しかし、尿石予防用のものでは、長期投与を考慮し、栄養バランスも考えられているので、健常な子では問題はありません。療法食以外でも、ストルバイト結晶をコントロールする方法はありますが、結晶の原因となる物質自体の量を体に必要充分な分だけ、供給できるようにと、最も詳しく研究されているのは、やはり療法食になります。ストルバイト結晶は、尿がアルカリ性になると析出しやすくなるため、尿pHを下げることを目的とした栄養補助食品がいくつかあります。尿がアルカリ性になる原因には体質的なもの、食事内容、また細菌感染性の膀胱炎によるものがあります。市販食の中でも、尿石予防のものが最近多くあります。それに変更し、栄養補助食品を添加するというのも一つの方法ですね。ただ、再発を繰り返す場合には、定期的な尿検査による尿pHの管理、尿中結晶の有無、膀胱炎のチェックなども必要となってきますので、必ず、主治医の先生と栄養補助食品については、よくご相談されてみてください。


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