「田舎暮らしは甘くない」高知市のPR動画が話題
移住して田舎暮らしを夢見る人に冷水を浴びせる様なPR動画が話題になっています。それが高知市の移住PR動画「田舎暮らしは甘くない」です。この作品には移住後に必ず生じるといってよい「移住者」と「在住者」にズレが描かれています。
「ぐろ~かるCM大賞2020」を受賞した話題の動画
高知市の移住PR動画「田舎暮らしは甘くない」は2020年度の「ぐろ~かるPR動画大賞」に輝きました。テレビCMの戦略立案やコンサルティングを行う株式会社テムズが運営する「ぐろ~かるCM研究所」においてマーケティング戦略において優れたローカルCM・地方PR動画の中から優れた作品を選出する大会です。
2020年は6回目で、世間にも浸透してきたこともありノミネートされたCMおよびPR動画は105素材にも及び、その中からの大賞受賞は大きな話題となりました。授賞理由としては移住者と在住者の価値観のズレを「お互いが宇宙人に見える」という設定に置換した的確で秀逸なアイデアが高く評価されたことが挙げられています。
移住の置いてのシビアな面を宇宙人というインパクトとユーモラスな表現を用いて見る人に適格に伝えたことも高評価の要因と言えるでしょう。
地方移住者の6組のうち1組は移住先を離れている
この「田舎暮らしは甘くないで描かれているのは、移住してきた人から見た在住者と在住者から見た移住者が互いの事を「宇宙人」に見えているという点は、ユーモラスに表現されていますが、リアリティもあります。移住してきた人は移住先に夢をもってやってきますが、在住者はそんな移住者の高揚とした思いに冷ややかな目を向けます。
東京などの都会から田舎にやってきた人に対して在住者は「何か訳があるのでは?」と勘ぐってしまいますし、移住者は在住者の良く分からない風習や習慣に戸惑ってしまいます。
その為、移住地を離れてしまう移住者が6組に1組の割合でいます。この動画を見るとお互いの事をけん制し合っていることが良く分かり思いのズレが見て取れます。
そして「田舎暮らしは甘くない」ということがよりリアルに打ち出されているのです。
移住のミスマッチには「二段階移住」が有効
移住後のミスマッチに対して高知県が提唱しているのが「二段階移住」です。これは移住を考える人に対して高知県の中でも比較的都市部の高知市に移住・滞在することを1ステップ目にして、そこを拠点に高知県を巡り自分に合った場所を見つけ、安心して最終的な移住を行うという2ステップで完成する移住作戦です。
都会からいきなり田舎へ移住することに不安を感じる人に対してかなり有効な手法だと言えます。この手法を元に高知県と移住雑誌「TURNS」の共同企画で移住ツアーが組まれるなど多角的な展開も見せています。
移住を2段階で完結させる手法は他の自治体でも流用可能な良い施策だと思います。
しかし「田舎暮らしは甘くない」を公開後はSNSを中心に様々な意見が飛び交ってもいます。「二段階移住だけじゃミスマッチはなくならない」や「ネガティブキャンペーンみたい」といった声もありますし「自分たちは変わらないの?と思ったけど、二段階移住でフォローする姿勢は良いと思った」といった意見もありました。
移住後のリアルを考える切っ掛けにもなった作品は、話題だけでなく多くの事を学ばせてくれました。
移住前に準備しておきたい5つの事
移住後の生活では多くの問題点が出てくることを紹介しましたが、事前準備で解決できることもあります。ここでは移住前にやっておきたいことを5つ紹介していきます。
運転免許証は必ず取っておこう
まず田舎暮らしで必要になってくるのが移動手段です。ですので必ず運転免許は取得しておきましょう。
移住後に運転免許を取得しようにも、教習所に通うこと自体が難しい地域もあります。移住した後にすぐに動くことが出来ることは、その後の生活がかなり楽になるので、必須事項と言っても過言ではありません。
仮に運転免許を持っていなくて移住を考えている場合などは、合宿免許がおススメです。合宿免許であれば、移住前に免許を取得できますしその間の生活の心配もありません。
都会の家から田舎に移住する前に合宿などで最低でも普通車を運転できる様になってから移住する事が重要です。
昔ながらの風習が根強い村や集落は避ける
移住後に昔ながらの風習が残っている村や集落は絶対に避けるべきです。先祖代々の付き合いなどが残っている村や集落が日本にはまだあります。信じられないかもしれませんが、先祖代々その村に住んでいる者にしか家や土地を売らない地域も残っているのです。
そんな村に移住したら、かなりの制約が掛かる上に祭りや集りなどに強制的に参加させられる上に、なぜか説教をされる羽目になってしまいます。特に初めて移住をする方にとっては田舎特有の風習が残る地域は絶対におススメできません。
移住初心者は地方都市から選ぼう
移住が初めてという方にはやはり地方都市がおススメです。地方都市であれば都会に比べると人も少ないですし、お店や公共交通機関も発達しているので比較的便利です。
マンションやアパートなどに住みながら、週末は近くの田舎地域に行ってみるという生活で徐々に田舎に体を慣らすことができます。コンビニが無い生活がいかに不便かという事を田舎に移住して身に染みて分かりました。
地方都市での生活は普段は都会の生活とほとんど変わりはありませんので、変化によるストレスはないでしょう。高知県が推奨している「二段階移住」もこの考えから成り立っています。移住を考えたらまずは地方都市から探してみるのがよいでしょう。
移住先での仕事は前もって決めておく
移住後に最も重要になってくるのが仕事です。いかに田舎と言えども現金収入は必須です。
そこで移住前に仕事を決めておくことが重要です。地方の仕事であれば移住先のハローワークや自治体に相談してみれば何かしらは仕事を見つけることが可能です。
また農業などの第1次産業に携わりたいのであれば農業学校などに通いながら補助金を受けることもできます。ただ農業だけで食べていくのには、それなりの時間がかかりますのでまずは仕事と兼業することをおススメします。
そして昨今では今やっている仕事をテレワークで移住後も引き続き行える企業が増えていっています。田舎でもネット環境が充実していることも多いので、テレワークを行う前提で移住前にワーケーションで訪れてみるのも、選択肢を広げる方法だと思います。
移住先のインフラやネット環境を調べておく
移住後に意外と困るのがライフラインとネット環境です。ライフラインでよくあるのが下水道が通っていないという場合です。下水道が無い場合は浄化槽が取りつけられており定期的な点検や汲み取りの費用が掛かってきます。
ネット環境でよくあるのが光ケーブルが導入されておらずネットが重いという場合です。テレワークなどを行う場合はネット環境が必須なので、事前に確認することをおススメします。また現在ではほとんどありませんが、携帯の電波が届かない場所というのも少しはありますので注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?移住を考える人にとっては、あまり聞きたい情報では無かったのかもしれません。
しかし移住後に後悔してまた元の生活に戻るとした場合、時間と費用が無駄に掛かってしまいます。移住前にできるかぎり情報収集と生活の準備をしておくべきでしょう。
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