シングル里親の大変な点を聞かれると、「もうしょっちゅう、何もかもですけど……」「妻がいれば、私が怒っちゃっても妻がフォローしてくれたな~とか、妻だったらきっとこういうふうには言ったりしないんだろうな~だとか。そういうことを思うと、やっぱり泣けてきちゃう」と吐露。
仕事・育児・家事をすべて1人でこなしていれば当然、疲れてしまう。シンさんは自分の親や、里子を一時的に預かってくれる制度「レスパイト・ケア」に助けられながら奮闘しているそう。
「自分に本当に余裕がなくなると、子どもに優しくできなくなっちゃうんですよね。『子どもを1人でちゃんと育てていく』っていう覚悟を、ずっと継続させていくためには、やっぱりまずは自分が無理せずちゃんと生活できないと、子どもに優しくすることもできないし、人の面倒見るなんてことも、まずできないんだなって思うようになったので、そこからはもうあんまり抵抗なく(レスパイト・ケアを)使おうと思っています」と語った。
「子どもを育てていく覚悟を継続させるために制度を使う」という言葉、シングル里親だけでなく、子育てをしている多くの人の胸に沁みるのではないだろうか。
また、シンさんは里親ならではの葛藤も抱えている。「結局、里親っていう制度なので、両親がそろっている里親さんに育ててもらうこともできるんです」と言い、「自分としては育てたいですけど、子どもからしたら、両親がいる環境でちゃんと育ったほうがいいんじゃないかって思うところはあります」「今私が育てているっていうのは、ある意味、私が育てたいっていうエゴで……」と悩みを打ち明けた。
「彼が大きくなったとき、今の記憶って多分ないんじゃないかなって思うと……。里子としてマックス18歳まで預けられるとしたら、このあと(別の里親のもとに行けば)15年間、両親がそろって幸せな家庭っていう記憶が残るので、そっちのほうがいんじゃないかなって」
そう逡巡するシンさんに、熱いエールを贈ったのは、ぱほりん(中身はYOU)だった。
1997年に男児を出産し、途中からはシングルマザーとして息子を育て上げたYOUには思うところがあったようで、「そこを慮っちゃうのはわかるんですけど、なんか、みんなで育てる感じでいいような気がします。それこそ学校も、親御さんとか養護施設の方とかも、これから出会う方たちとも、みんなで育てる感じでいいような気がします」と、涙で声を詰まらせながら語りかけた。