配偶者の不貞行為を疑った時、あなたならどうしますか? スマホをこっそり見たり、行動を注視したりしますよね。でも確実ににしっぽをつかむためにはプロに任せることが懸命かもしれません。今回は、夫の不倫を疑った妻が探偵を雇って暴こうとしたエピソードです。

◆娘の学校イベントに夫婦で参加

娘の学校イベントに夫婦で参加
写真はイメージです。(以下同じ)
「娘の通う学校では、課外授業やレクリエーションがとても盛んなんです。先日も、週末に『親子グランピング体験』っていう催しがあったので、私と夫も一緒に参加してきたんです」

そう話すのは、英会話教師のパートタイマーを週2でこなす主婦の梨花さん(仮名・36歳)。梨花さんの夫清人さん(仮名38歳)はシステムエンジニアで最近は主に在宅勤務だそうです。そんな梨花さん夫婦の間には、一人娘の雛ちゃん(仮名・小学2年生)がいます。

 娘の学校行事は妻任せの清人さんは、あまりこういうイベントには消極的で、滅多に参加しないそうですが、今回は幸い仕事のスケジュールも空いていて、娘の雛ちゃんたっての希望もあり、久々の参加となったそうです。

◆ママ友とLINE交換する夫

ママ友とLINE交換する夫
 当日のグランピングでは、他の保護者たちも参加しており、梨花さんはママ友の友莉子さん(仮名・32歳)と雑談をしつつ作業をしていたそうです。するとその際、たまたま話題はパソコンの話になったそうです。

「最近は子供たちもITを駆使した学習体制になっていて、学習効率が上がるのはいいんですがテクニカルな問題もよく発生するんです。うちではそういった問題は夫が解決してくれるので、夫に友莉子さんの相談についてアドバイスをもらうことにしました」

 こうして妻の梨花さんに呼ばれたことがきっかけで、友莉子さんと清人さんは初対面を果たしました。現役エンジニア清人さんの的確なアドバイスに、友莉子さんは目から鱗だったそうです。それからは色んな話題も交え3人は談笑し、お酒の酔いも手伝って友莉子さんは清人さんとLINEを交換していたとのこと。

◆スマホをこっそり見て不倫を確信

「なんか、その後も時々友莉子さんからLINEでメッセージが来ていたみたいなんです。最初の内は主人も隠すことなく私の前でも返事をしたりしていたんですが、しばらく経つとその気配も無くなってなので最近は連絡がないんだと思っていたんですよ」

 そう語る梨花さん。でも、二人のオンライン逢瀬は止むことなく続いていたそうです。そんなある夜、入浴中の清人さんのスマホをこっそりと見てしまったそうです。するとそこには友莉子さんとの密会をほのめかすような内容のLINEが。梨花さんは2人の不倫を確信したそうです。

スマホをこっそり見て不倫を確信
夫とママ友のLINEを再現(梨花さん提供)
「風呂から上がってきた夫へすぐに問い詰めたんですが、確定的な証拠がなくしらを切り通されてしまいました。そこで私はどうしても尻尾を掴みたい一心で、探偵事務所に足を運ぶことにしたんです」

◆不倫の証拠を掴むため探偵事務所へ

 夫への怒りが頂点に達した梨花さんは、朝一番にネットで調べた探偵事務所に足を運んだそうです。ところが、その探偵事務所は、よくドラマなどで見る暗いイメージの雑居ビルではなく、サロンのような明るい雰囲気で、おまけに担当の探偵さんは梨花さんタイプのイケメンだったそう。

不倫の証拠を掴むため探偵事務所へ
「何度か細かな打ち合わせで足を運ぶ内に、私、あろうことかその探偵さんのことが好きになってしまったんです……。なんというか、夫の不貞行為の件で気が動転していて、しかも緊張の連続で、そんな中探偵さんがその気持ちを和らげてくれて心に隙間ができたというか……。もちろん何度も自制しようと努力しましたが、気持ちが大きくなるごとに夫の不倫どころではなくなってしまったんです」

 探偵の男性もどうやら梨花さんが好みの女性だったらしく、相談者と探偵という構図が徐々に崩れ始め、時間を重ねるごとに急接近します。そして、二人は暗黙の了解で梨花さんの夫の不貞行為を立証することで離婚を成立させ、一緒になることまで考えていたそうです。

◆悲しむ娘を見て離婚を踏みとどまる

 その後、梨花さんは複数の証拠を入手し、清人さんも不貞行為を認めたため離婚に向けた話が進められたそうです。しかし、清人さんは離婚に同意したものの、ここへきて梨花さんも後ろめたさを感じるようになったそうです。

悲しむ娘を見て離婚を踏みとどまる
「私たち両親の不和で悲しむ娘と、自らの失態とはいえ落ち込んだ夫を目の当たりにして、我に返ったんです。もちろん夫が他の女性と関係を持ったこと、私を裏切ったことに対しては、そう簡単に許すことができませんよ。でも……」

 梨花さんは“離婚”という選択肢を選ばない代わりに、もうしばらく夫には反省する時間を持ってもらおうと考えたそうです。探偵さんにも心のうちを話したところ納得してもらえらしく、梨花さんも元鞘に戻る方向で考えることにしました。

「それ依頼、夫の反省の色は生活態度にも表れ、一生懸命家庭に尽くすようになり、娘にも笑顔が戻り円満な家庭が戻ってきました。雨降って地固まるじゃないですけど、以前より理想の家庭になりつつあります。ただ、私はもう少し腹いせに探偵さんと楽しみますけど……」

 と苦笑し梨花さんは話を締めくくりました。

―シリーズ「不倫のてん末」―

<文/大杉沙樹>

【大杉沙樹】

わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。