■溜め込んだ怒り、ある日上司にキレた

職場では冷静さが求められることもあり、怒りを感じる場面でも、さそのまま怒ったり怒鳴ったりするというわけにいきません。

部下に対してどう伝えればいいのかも悩ましいところですが、上司に対しての怒りはどう伝えたらいいのだろう……と悩む人も多いようです。

「溜め込まずに、適切なタイミングでちゃんと言っておけばよかったんですよね。溜め込んだ怒りが積み重なって大きな怒りになり、とうとう上司との面談でブチ切れてしまいました……」

先日、Aさんからこんな相談を受けました。

Aさん(30代後半)は、事務職として勤務して十数年というベテラン。仕事もできて頼りにされているからなのか、どう考えても同じ部署の女性事務職の人たちと比べても仕事量が多いし、何かと部長(50代男性)から無茶ぶりされることもあったというのです。

「あ、Aさん、これも頼むね」と新人でもできそうな雑務まで頼むことがしばしばあり、「他にも手が空いている人はいるのに、なんで私ばっかりこんなに負担が多いの?」と、不公平感が募っていたといいます。

ですが、その気持ちを部長に言うのも憚られ、「私が言う前に部長が気づくべきだ」という意地のようなものもあって、怒りを溜め続けていたある日、部長との面談でとうとうブチ切れてしまったのです。

きっかけは、「〇〇さん、後輩のBさんより余裕がないように見えるけど」という一言。「誰のせいだと思っているの⁉」と、我慢して抑えていた怒りが抑えきれなくなり、本音があふれ出しました。

「部長はどこ見てるんですか⁉ 私ばかりが無茶ぶりの仕事を引き受けていますよね? Bさんより私の方がより多く仕事を引き受けていること、わかってないんですか⁉ ちゃんとマネジメントしてください。あのときも……」と、言い出したら止まらなくなり、部長はただ呆然とするばかり。

後味が悪い面談となり、冷静になったときに自己嫌悪に陥ったとのことでした。

 

■「言う」「言わない」の線引きを明確にしておく

こんな風にあるとき突然、怒りを爆発させ、「あんな怒り方しなければよかった……」と後でおおいに後悔する……。いわゆる“キレる”と呼ばれる状態ですが、そんな経験がある人も少なくないと思います。

そんな突然の爆発を防ぐためには、下手に怒りを溜め込んで理不尽な思いを募らせることなく、最適な場面できちんと気持ちを伝えること。

この“最適な場面”というのは、自分自身で決めることができます。「言う」「言わない」を見極め、線引きをしておくのです。

「この怒りは相手に伝えたほうがいいのか、伝えないほうがいいのか。どうする?」と自分自身に問いかけ、「ここまでは許容できる。でもこれ以上の仕事の依頼、無茶ぶりは嫌だと伝える」というように、自分の中の基準をはっきりと決めておくといいでしょう。

そうすれば、次に怒りを感じた場面で、相手に伝えるべきか伝えないべきか、都度悩むことが減っていくと思います。

 

■「嫌だ」という気持ちの上手な伝え方

さて、「伝える」と決めた場合には、どのような言い方が良いでしょうか。まず、相手を責めたり、感情的になるのはもちろんNGです。

「現状はこういう状態であり、そして今後はどうしてほしいのか」という要望を、穏やかに伝えると伝わりやすいでしょう。

以下のような例が望ましい言い方です。

「今の私の現状をお伝えしたいのですが、現在、私は〇〇の仕事を抱えています。Bさんと比べると、負担がかなり多いと思います。仕事の割り振りも検討してはいただけないでしょうか。〇〇の仕事は、今後Bさんにお願いしていただきたいのです」

また、上司から頭ごなしに、「君はやる気がない!」「使いものにならない!」など、こんなふうに言われて頭にくる! という相談を受けることもありますが、この場合も同じ。

この言葉は聞き流せない、と判断するならば、「やる気がない、とまで言われるとショックです。私なりに一所懸命取り組んできました。どのようなところがそう感じられたのか、教えていただけないでしょうか」というように自分の気持ちや、どうしてほしいのかを伝えてみませんか。

 

■「伝える」「伝えない」を決めるのは自分自身

もちろん、感じた怒りを「伝えない」という選択もあります。このとき重要なのは、その判断は自分の責任において下すということ。

「上司は誰に対してもが高圧的だから言っても無駄! だから言えない」

「どうせ私のいうことなんて聞いてもらえないから言えない」

などと理由を相手のせいにするのではいけません。相手がどうあれ、「伝えられない」のではなく「伝えない」と自分自身が決めたのだという納得感が必要です。

「伝えない」と決めたのであれば、怒りは溜めることなく、その都度、流してしまいましょう。「なんであんな言い方をするんだろう」「納得できない」と思い返してイライラするのではなく、「こういう言い方する人がいるのね」と客観的に受け止め、流してしまうのです。「聞き流す」というスキルです。

すべての物事にいちいち反応していたら体がもちません。相手が怒りをぶつけてきたり、こちらが不快に思うことを言ってきたとき、過剰に反応せず、ときには聞き流すことも必要です。これができると、余計なことでイライラしなくなるでしょう。

 

■キレてもいい。キレ方に後悔があるならアンガーマネジメントを

アンガーマネジメントは、決して怒ってはいけないということではありません。怒りの感情を抑圧するのではなく、上手にコントロールし、怒りで後悔しないことを目指すものです。

「あんな怒り方しなければよかった」「あんなことで怒らなければよかった」「あのとき、怒っておけばよかった」と後悔しないよう、怒らなくていいことには怒らなくてすむように、怒る必要があることは適切な怒り方ができるようになれれば最高ですよね。

心の平穏と健康のために、アンガーマネジメントに取り組んでみてください。

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