コーヒーの新たな可能性
適量を飲めば、体に良いことで知られているコーヒー。フロリダ大学の研究で、コーヒーが持つ新しい可能性が発見されました。
コーヒーがニコチンへの欲求を和らげる
ニコチンガムやニコチンパッチはニコチンが成分に含まれており、徐々に使用量を減らしたり、段階的にニコチン含有量の少ない製品に変えたりすることで禁煙をサポートします。しかし、禁煙補助薬には吐き気やめまいといった副作用が表れる場合も。また、重い不整脈やうつ病を患っている人などは、ニコチンを含んだ禁煙補助薬の使用は推奨されていません。
それらの人々に朗報となるのが、今回フロリダ大学が行った研究結果です。コーヒーに含まれる有機化合物のNMP(N-メチルピリジニウムイオン)の総称で知られている、1-メチルピリジニウムと1,1-ジメチルピペリジニウムがニコチン受容体の機能障害を回復させる可能性があることから、研究者たちは、コーヒーがたばこを吸う人の朝のニコチンへの欲求を抑えるのに役立つかもしれないと結論付けました。
研究者たちは、習慣的にたばこを吸う人がたばこを吸う代わりに朝一杯のコーヒーを飲むことで、ニコチンがもたらすであろう脳内作用のバランスを取っているのではないか、と考えているようです。この研究をもとに、もしかすると近い将来、コーヒーを原材料にした新しい禁煙補助薬が誕生するかもしれません。
すでに知られているコーヒーの健康効果
1日2,3杯ほど適量のコーヒーを飲むことは、体に良い影響を与えます。コーヒーが私たちにもたらす健康効果には、大腸がんや肺がんの予防、肥満防止、2型糖尿病の血糖値の改善、血行促進による脳梗塞や心筋梗塞の予防、呼吸器機能の改善などが挙げられます。これらの健康効果は、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やカフェインによるものです。
さらに、香りの良いコーヒーはリラックス効果があることで知られています。コーヒーの香りをはじめ、なんらかの香りの情報が脳の視床下部に伝わると、その種類によって交感神経系もしくは副交感神経系に作用します。コーヒーの香りはα波を発生させますが、α波が出ると副交感神経が優位な状態になり、リラックス効果が得られるのだそう。
多かれ少なかれ、わたしたちは毎日ストレスを感じて暮らしています。とくに慢性的なストレスに悩まされている人は自律神経が乱れやすく、免疫物質の分泌量が少なくなる結果、免疫が低下した状態に陥るのだとか。しかし、コーヒーの香りで癒されてリラックスした状態になると、副腎皮質ホルモンの一種でストレスホルモンとして知られるグルココルチコイドの分泌が低下する一方、免疫物質が正常に分泌されるようになり、免疫力を高めることができます。
コーヒーを使った新しいニコチンパッチができるかも?
驚くほどたくさんの健康効果を持つコーヒーですが、フロリダ大学の研究により新しい可能性が発見されました。アルコールが脳内のニコチン受容体にどのように作用するかについての研究はこれまで数多く行われてきましたが、今回のようなコーヒーとニコチン受容体の相互作用についての研究はほとんど行われてこなかったといいます。
喫煙者の方いわく、コーヒーとたばこの組み合わせは「最高!」だそうですが、健康のことを考えればできるだけ早く禁煙したほうが良いといえるでしょう。将来、コーヒーから作られた禁煙補助薬が誕生する可能性もあるようですから、今後さらに研究が進むことを期待したいですね。
提供・Cafend
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