「コーヒーがなければ、1日がはじまらない」と、毎日欠かさずコーヒーを飲んでいる人も少なくないはず。じつは、コーヒーのようになにげなく飲んでいるドリンクが歯に与える影響は、わたしたちが思っている以上に大きいものです。
例えば、身近な病気である歯周病はコーヒーを飲めば予防できるそうですが、はたして本当なのでしょうか? 本記事では、コーヒーと歯周病の関係についてご紹介します。
歯周病ってどんな病気?【原因と症状】
誰もがかかる可能性がある歯周病ですが、じつはとても恐ろしい病気です。なにが原因で、歯周病になってしまうのでしょうか?
歯が抜け落ちてしまうことも
歯周病とは、歯茎が炎症を起こす炎症性疾患で、そのまま放置しておくと悪化して歯を支えている歯槽骨が溶け、大切な歯を失ってしまう病気です。日本では、成人の約8割が歯周病にかかっているといわれています。
ほとんど自覚症状がないため、かなり進行してから気が付く場合が少なくありません。口の中の粘つきや口臭、歯茎の腫れや痛み、歯を磨いているときに出血する、歯の間に隙間ができて食べ物が詰まるなどの違和感があれば、歯周病にかかっている恐れがあります。
歯周病にかかると歯が抜けてしまうだけではなく、血栓ができやすくなるので心筋梗塞や脳梗塞になったり、肺炎や早産を引き起こしたりします。さらに、歯周病で炎症性物質が生成されるとインスリンの働きが抑制されて、血糖コントロールが悪化してしまい、糖尿病になる可能性があります。
歯周病になる原因は?
歯周病の原因は、口内細菌の塊であるプラーク(歯垢)です。通常、口の中には300~500種類もの細菌が住んでいるといわれていますが、歯磨きの仕方が甘いと、歯の表面に付着した細菌が残ったままに。やがて、口内常在菌のミュータンス菌が、食べものや飲み物に含まれている砂糖を分解し、グリコカリックスという粘りのある成分を作って細菌の巣を形成するとプラークになります。
プラークにはさまざまな細菌が含まれていますが、中には歯周病を引き起こす悪玉細菌も棲みついています。この悪玉細菌が出した毒素が、炎症を招いて歯茎を腫らしたり、歯の周辺の骨を溶かしたりしして歯周病を引き起こすのだとか。また、遺伝的に歯周病になりやすい体質の人も存在しますし、ビタミンやミネラル不足のほか、ストレスや睡眠不足、喫煙やホルモンの影響等で歯周病にかかりやすくなります。