A. 初めて犬を飼うのであれば、日々の様々なことが不思議であったり、謎であったりしますね。生理というか、発情は犬にとって大切なことなので、しっかりどのような状態か、また注意点は何かなどをお話していきましょう。
犬の生理は人間のような生理とは異なっています。犬の陰部からの出血は『発情が始まりますよ!』という合図なのです。この出血が見られる期間のことを『発情前期』といいます。『発情前期』は出血開始から約7~10日間続きます。これには個体差があり、長い個体では20日間ほど出血が認められることがあります。1ヵ月以上出血が続く場合は卵巣や子宮の異常が考えられます。その場合には一度動物病院で検査を受けましょう。

☆ 発情出血は個体差があり、量が多い子、少ない子がいます。量が多い場合には、犬用の生理パンツなどをはかせておくと、室内が汚れなくてすみます。また、量が少ない子は舐め取ってしまって、発情前期が来たかどうか不明な場合もあります。

発情前期の後、すなわち出血が止まった頃が『発情期』となります。『発情期』は約10日間続き、この時期に排卵が行われます。発情期の特徴としては、陰部の腫大とともに、雄を許容するようになります(雄が交配しようとして、雌の上に乗ることを許します)。また、会陰部をそっと刺激すると、尾を片側に寄せるようになります。この状態になってから、約2日後に排卵が起こるといわれています。

☆ 雄の精子は1週間、雌の卵子は排卵後3~4日間、授精能を保持します。そのため、発情期の前(発情前期の間)から、誤交配のないように注意しましょう。

発情期の後、雌は再び雄を許容しなくなります。この時期が『発情後期』といわれる時期です。
『発情後期』は犬の妊娠期間と同じ期間、すなわち約2ヶ月間続きます。この時期にホルモンの関係から妊娠していないのに乳腺が発達したり、乳汁分泌が見られたり、巣穴を作ろうとしたりといったことが見られる個体がいます。これは、犬では多く認められる状態なのですが、この期間に食欲が低下してしまう場合や乳腺炎を起こしてしまう場合がありますので、もしも子供を作らない予定であれば、避妊をしてしまうこともひとつの方法です。

☆ この時期にはホルモンの関係から感染に対する抵抗力が低下してしまう時期でもあります。そのため、高齢の雌犬では子宮蓄膿症などが起こってしまう場合があります。

発情後期の後は発情が全然ない時期、すなわち『無発情期』となります。
『無発情期』は犬種や個体によって変わりますが、4~10ヶ月続きます。

このように、犬の生理は『発情前期』→『発情期』→『発情後期』→『無発情期』→『発情前期』というサイクルになっています。


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