2020年UNESCO無形文化遺産に指定された宮大工の木造技術を次世代に継承していくために設立された「宮大工木造技術継承協会」は、「こども宮大工1000人プロジェクト」のキックオフイベントを、11月19日(金)、神奈川県相模原市のアリオ橋本店で開催される「森フェス2022」にて実施する。

世界最高峰とされる宮大工の技術は元祖SDGs


宮大工は、日本全国の神社仏閣を地域の人と共に守っていくため、世界遺産や国宝などの建造物を始め、地域に根ざした神社仏閣などの建築や補修を行っている。


釘などの金具を使わない「木組み」と呼ばれる伝統工法を用いた高い木工技術を持ち、材木だけで建築物を作る宮大工は、非常に専門性が高く「大工の世界最高峰」とも呼ばれている。


宮大工の木工技術は、2020年12月、「伝統建築工匠の技」としてユネスコの無形文遺産に認定され、自然と調和する伝統木工技術として世界的にも高い評価を得ている。

遠い昔から木を育て、建築物のために伐採利用し、また木を植えるという循環とともに地域の森の維持にも貢献してきた宮大工。宮大工は、1000年以上前からサステナビリティとSDGsを体現してきた存在とも言える。

木工技術を次世代につなげるプロジェクト


そんな世界に誇る日本の技、宮大工の木造技術を次世代に継承したいとの思いから、日本文化を支える木造技術の継承と発信に挑戦する「宮大工木造技術継承協会」が、現役宮大工によって9月に神奈川県横浜市に設立された。地域に根ざした形での宮大工の活躍の促進、地域の神社仏閣や歴史的建造物の維持継承のための協力、宮大工の技術の国内外への普及・発信に努めていく。


宮大工は、かつては日本全国に数百人いたが、現役職人は100人程度しか残っておらず、高齢化も進んでいる。技術の習得に最低でも10年はかかると言われ、宮大工の技を次世代に継承していくためには時間も必要だ。日本の社寺建築、ひいては全国神社仏閣に根付いた日本文化、地域文化を守っていくためには、若手宮大工を増やしていくことが急務となっている。


そこで同団体は「宮大工養成塾」を開校。現役の職人の元で3年間かけて技術を学ぶことにより、次世代を担う若手宮大工の育成を目指している。

子ども向けの体験会を実施


また、全国の子どもたちに宮大工の技を見て、聞いて、体験をしてもらう「こども宮大工1000人プロジェクト」をスタート。このプロジェクトを日本全国に広げ、1000人の子どもたちに参加してもらうことを目標に活動に取り組んでいる。

アリオ橋本店1階グランドガーデンで行うキックオフイベント「はじめての宮大工体験」では、カンナ削りデモンストレーションを開催。道具・パネルの展示や、宮大工の写真展示も実施する。予約は不要なので、当日直接会場に来場して体験してみよう。

宮大工木造技術継承協会HP:https://miyadaiku-japan.or.jp
宮大工養成塾HP:https://miyadaiku-yoseijyuku.com/

■アリオ橋本店
住所:神奈川県相模原市緑区大山町1番22号
URL:https://hashimoto.ario.jp/

(山本えり)