妊娠20週を過ぎると、胎児の体ができあがってくるので、超音波による胎児診断が非常に重要になります。また、母体においては、「妊娠合併症」といわれる妊娠中に特有の疾患について、注意しておく必要があります。超音波による胎児診断(超音波検査)と、妊娠合併症についてそれぞれ解説します。

■超音波検査で分かること

胎児の推定体重

超音波検査では、子宮の中の胎児の体重そのものを測定することはできませんが、頭の大きさ、体の大きさ、足の長さから、推定体重を測定することができます。
胎児にも個人差があるため、大きいことや小さいことが必ずしも異常というわけではありませんが、一定の基準を外れている場合には、母体や胎児、あるいは胎盤の機能などに何か問題が生じていないかを考える必要があります。

性別の判定

妊娠20週前後になると、胎児の陰部の所見から、女児または男児の判定ができるようになります。胎児の向きなどによって分かりづらいこともあるので、20週後半や30週前後などで、2~3回確認することが大切です。

外表や内臓の状態

四肢あるいは手指の状態、口唇口蓋裂(唇や口蓋、上顎など、口の周りに生まれつき裂がある状態)の有無など、体の外表の状態を確認したり、心臓や肝臓・腎臓などの内臓の状態を確認することができます。

■母体の合併症について

もともと何か基礎疾患を持っている女性は、妊娠が進むにつれて、それらの疾患が悪化する可能性があります。妊娠経過とともに、その疾患の状態もしっかりみていくことが大切です。

また、妊娠中は誰でも、妊娠前よりも血圧や血糖値が上昇しやすい体質になります。その上昇が基準値以上の場合、「妊娠糖尿病」や「妊娠性高血圧症」という診断になります。

それぞれの疾患についての説明は省略しますが、ひとつ大切なことをあげるとするならば、多くの妊娠合併症には、「肥満」が原因として関わってきます。
妊娠中期から後期にかけては、適切なカロリーの中で適切な栄養素をしっかり摂ることを意識した食事療法が重要です。

■流産と早産の境界

また、母体や胎児に何か問題が発生し、双方あるいはどちらかの生命に危険がある場合には、妊娠22週を超えられるかどうかということが、産科医の判断の指標のひとつになることがあります。

日本産科婦人科学会の定義では、妊娠22週未満の出産を「流産」といい、妊娠22週0日~妊娠36週6日までの出産を「早産」としています。
早産では生まれてきた児の命を助けられる可能性があり、各国の新生児医療技術によって、その定義される週数は異なります。
医療の進んだ日本においても、妊娠22週~23週という早産で生まれた500g前後の超低出生体重児のケアは、その合併症などから非常に難しい医療となります。

妊娠20~30週は、多くの方の体調が安定しているため、妊婦健診は4週間に1回のところも多いと思います。
普段の生活の中で、頭痛やむくみ、体調不良などの体の調子の変化や、胎動の感じ方などに注意を払い、何か異常を感じた時には、健診以外でも産科外来に相談することが早期の対応につながります。

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