あなたは占いを信じますか? 信じる度合いは人によるものの、ライトな自己分析の一つとして、占いを楽しむ人はわりと少なくないのではないでしょうか。
人気占いバラエティ番組『突然ですが占っていいですか?』(フジテレビ系)に出演中で、著書『未来を変えるイルミナフォーチュン手相』(マガジンハウス)が話題の占い師・大串ノリコさんも、ひょんなことから占ってもらった結果で人生が変わった一人。占いがきっかけで、世界64カ国を回って手相の旅に出ることになったのだとか!
今回は、そんな占いで大きく運命が変わった大串さんに、人生のターニングポイントと手相の旅でのエピソードについて、伺ってみました。
◆占いで突然知った「自分らしい生き方」
実は大串さん、元々占いは信じていなかったのだとか。
「雑誌の占いくらいは見ていましたが、怖くて信じていなかったし、どちらかというと好きじゃありませんでした。でもある時、占い師の友人ができて、占ってもらったんです。生年月日と出生時間でみる紫微斗数という占いで見てもらったのですが、その時出た結果が、私の人生の疑問に対する答えだったんですよ。それから占いに対しての意識が変わりました」
◆安定より刺激を求めるタイプだった
それまでの大串さんは、「早く結婚して若いお母さんになりたいはずなのに、その理想とは真逆の行動に出てしまう」と悩んでいたそう。
「当時の私は、若いお母さんになりたいと願う思いとは裏腹に、結婚してからワーキングホリデーで海外に行ったり、離婚してしまったりして、理想とは相反する生き方ばかりしていたんです。なんで自分はこんな生き方しかできないのだろうと悩んでいたところ、友人の占いで、私は『安定すると破壊したくなり、次の刺激を求めて旅立ってしまうタイプ』だと知りました。『理想としていた道に進むのは幸せではなかった、今のこの道が正解なんだ』と気づけて、その時初めて自分の人生に自信が持てたんですよね」
思いがけず、占いで「自分らしい生き方」を知ることになったのです。
◆リストラの退職金片手に“64カ国手相の旅”へ
それからIT企業に就職し、未経験からマネージャーまで昇進した大串さん。ところが、「破壊したくなる性格」によりこの時点で会社員としての仕事に満足してしまい、刺激を求めるようになります。
「次にどうしようかな、と考えた時に、『世界』というワードが頭に浮かぶようになりました。すると、ちょうどそのタイミングで大規模なリストラがあり、辞めようと決意。多めにもらえた退職金を利用して、世界一周旅行に行くことにしました」
ここで、大串さんにさらなるターニングポイントが! 占いのワンデースクールに誘われ、「手相占い」を学ぶことになったのです。そこで出会った占いの師匠の助言もあり、ついに「世界の手相を見る」という前代未聞のテーマを掲げて、世界へと旅立つこととなりました。
◆コミュニケーションツールとして手相が活躍
大串さんが1年8か月かけてめぐった国は、64カ国。旅の途中で仲良くなった人や、お店の人など、出会った人の手相を見ていったそう。
「値下げ交渉で、安くしてもらう代わりに手相を見てあげるなど、コミュニケーションツールとして、使っていました。人によって手相が違うので、何人見ても初めて見る線を見つけたりして、発見がたくさんありました」
64カ国を回って手相を見ていて気付いたのは、国によって手相に傾向があること。
◆インドで見た「ニート線」、モロッコでは結婚?!
「インドで見た手相は、バラエティに富んでいましたね。とても恰幅(かっぷく)の良い女性が『お金をください』と手を出してきたので手相を見たら、知能線が下降して生命線にくっついた、めずらしい手相だったんです。占いの師匠に電話で何の線か聞いてみたら『ニート線』と判明(笑)。働かなくても生きていける人の手相だったんです」
またモロッコでは、ホームステイさせてもらった家の若い男性の手に「恋愛の兆候」を発見し告げたところ、相手は大串さんを恋のお相手と勘違い。家族が婚約者と認識し、母親から指輪をもらう事態にもなったのだとか!
◆1年8ヶ月の旅を終えて帰国後は?
そんなウルルン滞在記を地で行くような、波乱万丈なバックパッカーの旅を経験していた大串さん。その終盤「旅を終えた後何をしよう、この経験を活かせる仕事はないだろうか。そう考えた時、もしかしたら占い師だったらいかせるかもと思いました」
「そう思った翌週、日本から『占い師にならないか』と誘いの連絡が入ってこれは運命かも、と勢いで占い師になってしまいました」
導かれるように、ついに大串さんは占い師としての人生をスタートさせたのです。
◆占いは「人を元気づけられるツール」
大串さんの占いは「命術(紫微斗数や四柱推命など)」と「相術(手相)」「卜術(タロット)」の3つを掛け合わせた独自の『イルミナフォーチュン』という方法を用いています。
「私自身、占い師をしていますが、今も占いを信じきっているわけではないんです。実際、当たるし、占いってすごいとは思いますが、それで全部人生が決まってしまうのは“違う”と思っていて。私にとって占いとは、『自分らしい生き方見つけて、人生を輝かせるためのツール』。まずはエンタメとして楽しんでもらいたいと思っています」
◆前向きに生きるヒントが詰まっている
もとから占いを怖がり、信じていなかった大串さんだからこそ、占いを受ける人の気持ちを大切にしているのだとか。占いでは、「結果を押し付けず、占いから見える傾向を客観的に伝えるようにしている」と大串さんは言います。
占いは依存してしまうと怖いもの。でも「自分の選択を後押ししてもらう」「チャンスの一歩を踏み出す勇気がほしい」という時には、前向きに生きるヒントをもらえそう。占いで気軽にアドバイスをもらうのも、上手に生きる知恵の一つなのかもしれません。
<文/関由佳>
【関由佳】
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitter/ブログ