高校時代にギャルメイクにハマって以降、なかなか濃いメイクがやめられないという人もいるのではないでしょうか。「そろそろ落ち着いたメイクに挑戦したい」と思っていても、普段慣れていないメイクをするのは難しいですよね。
今回は夫の厳しい本音を聞き、大好きなギャルメイク楽しめなくなってしまった女性のエピソードをご紹介します。
◆ナチュラルメイクは裸みたいなもの
「高校生の頃にギャルデビューして、それ以来ずっとギャルメイクがやめられませんでした。ナチュラルメイクなんて、裸で外歩くみたいで恥ずかしいです」
そう話してくれたのは新田秋華さん(仮名・32歳)です。結婚4年目という秋華さんは、未だにギャルメイクがやめられないことで悩んでいました。
「周りの友人たちはもう誰もギャルメイクなんてしてないんですけど、私はなかなか卒業できません。髪の毛も明るいのが可愛いし、ネイルも長い方が可愛いって思ってます」
そう話す秋華さんですが、現在の髪色は深めのダークブラウン。つめは短いジェルネイルで、比較的落ち着いています。
「本当はもっと自分の好きな格好をしたいし、おばあちゃんになってもギャルでいたい。でも夫に反対されてから、自由にできなくなっちゃいました」
◆30歳の誕生日に銀座デートのはずが…
秋華さんが夫に言われたのは、結婚して2年経ったある日のことでした。
「30歳の誕生日を目前に控え、その日はバースデープレゼントを買いに銀座へ行くことになっていました。30歳の節目に、ちょっと良いバッグを買ってくれる話だったんです」
夜にはおしゃれなディナーも予約してくれていたといい、秋華さんはいつもよりもファッションに気合いをいれました。
◆気合を入れてギャルメイク、夫の反応は
いつもよりも濃いめのメイクで、染めたばかりという金髪を時間をかけてセットし、洋服はお気に入りのミニワンピース。華やかなファッションに身を包み、家を出ようとしたそのときでした。
「準備が終わってから家を出ようとしたら、夫に突然『着替えてきて』って言われたんです。夜に行くレストランが結構お高めのところだから、もう少し上品な洋服にしてほしいとのことでした」
渋々ロングワンピースに着替え、家を出たという秋華さん。しかし銀座の街についてから、夫に思わぬ一言を告げられます。
◆「30にもなって恥ずかしい」
「歩いていたら、突然夫に『やっぱり一緒に歩くの恥ずかしいからやめてほしい』って言われたんです。何の話だろうと思っていると、私のギャルメイクが気にくわないようで…」
秋華さんの夫は、銀座の街並みでは少し浮いてしまうほど派手な秋華さんのメイクに苦言を呈してきたといいます。「洋服を着替えても派手なことに変わりはない、30にもなって恥ずかしい」「もっと年齢を考えてほしい、若作りが痛いよ」と秋華さんの夫は容赦なく口にします。
「年齢なんて関係なく、好きなものをいつまでも楽しみたかった。だからその場で反論しましたよ、誰にも迷惑かけてないからいいでしょ?って。そしたら夫に『そのままでいたいなら好きにすればいいけど、そんな人とデパートになんて入りたくないし、ディナーも恥ずかしくて行けない。今日のデートは無しね』って言われました」
◆自宅へ戻ってメイクもヘアセットもやり直し
楽しい誕生日デートを過ごせるはずが、一瞬でどん底に突き落とされたという秋華さん。
「好きなものを否定されるのはとても傷つきました。でも夫と喧嘩したまま今日が終わってしまうのも嫌だった…夫とのことは大好きだったから、それなら私が折れるしかないかなって思いました」
結局そのあと、秋華さんは一度帰宅してメイクを落とし、ヘアセットも変えたといいます。
結局バッグを買ってもらう時間はなくなってしまったものの、無事にディナーには行けたという秋華さん。しかし当時を思い出すたびに「全然楽しくなかった」と感じるのだそう。
「楽しくないですよね。好きなものを否定されて、朝から頑張って準備したのに全部意味がなくなって、慣れないメイクでディナー…正直ご飯の味も分かりませんでした」
◆夫に隠れてギャルメイク
それ以来、秋華さんは夫の前でギャルメイクができなくなったといいます。
「思い返せばデートのたびに、夫は私の隣を歩くのを嫌がっていたように感じます。私が30歳を迎えることでますますギャルメイクへの抵抗感が強まったのでしょう。好きなものを我慢するのは苦痛ですが、夫とこれからも仲良く暮らしていくなら仕方ないのかなって…。今は今日みたいに夫がいない場所で、ギャルメイクをコッソリ楽しむのがストレス発散になっています」
現在は苦手なナチュラルメイクも、夫のために頑張って挑戦しているという秋華さん。しかしギャルメイクのときのほうが自分らしくて好きだと、少し寂しそうに語ってくれました。
―シリーズ「ヤンキー・ギャル・コギャル」―
<文/横山すじこ イラスト/やましたともこ>