コロナ禍で加速したキャンプブーム。女性のソロキャンパーも増加しているなかで、身の危険を感じるような体験をする人も少なくないようです。
ソロキャンプ歴10年の金田ユキ(仮名・29歳)さんも、思いもよらぬところで恐怖体験をしたといいます。いったい何が起きたのでしょうか。
◆大好きな北海道でツーリングへ
金田さんはキャンプやツーリングなどのアウトドアが好きで、普段から1人でいろいろな場所を旅しているといいます。
「月に1~3回は旅行へ行きます。バイクの後ろにキャンプ用品を積んでツーリングし、行った先にあるキャンプ場に泊まることが多いです。田舎のほうへ行けばキャンプ場はあるので、基本的に宿は予約しないですね」
ある夏の日、金田さんは北海道へツーリングへ行きました。
「ある日、北海道へ旅行しに行きました。夏の北海道が大好きで、つい夜遅くまで観光してしまい、気づいたら23時になっていたんです。ここまで遅い時間になると、女性一人でキャンプ場まで移動するのは危険だと感じ、ホテルや旅館を探していました」
◆宿が見つからず、キャンプ場に泊まることに
しかし、宿はなかなか見つかりません。
「北海道のなかでもさらに田舎のほうにいたため、観光客に向けた宿はありませんでした。私は見たことがなかったのですが、北海道は熊が出ると聞いたこともあり、1人でキャンプ場に行くのも怖く、宿泊場所としてキャンプ場は最後の選択肢として残しておきました」
結局宿は見つからなかったため、泣く泣くキャンプ場を選ぶことに。
「深夜なり、眠気も疲れも頂点に達しそうでした。あたりは光もなく真っ暗闇だったので、何かあったときにすぐ助けを求められるようにと、交番が近くにあるキャンプ場を選びました」
やっと寝床が見つけられたと安心した金田さん。テントを設置し、寝る準備をします。
◆「殺すぞ!」との声で目を覚ます
しかし、突如金田さんに恐怖が襲います。
「これでなんとかぐっすり眠れると思い、目をつぶったとき、いきなりエンジン音のようなものが聞こえてきました。最初は寝れないな~と思っていただけなのですが、徐々に音が近づいてくるのがわかりました」
騒音を我慢していましたが、さらなる出来事が起こります。
「エンジン音が近くで止まったんです。すると、次は誰かが『殺すぞ!』との罵り声をあげ、それ以外の人たちも高揚するように罵倒し始めました。正確には何を言っていたかはわかりませんが、テントの中から聞いた限り、10人以上の怒号が聞こえ、怖くてテントの外に出ることもできませんでした」
◆暴走族と警察官のやりとりだった
突然の喧嘩が勃発した原因とは何だったのでしょうか。
「『静かに』と落ち着いた声が聞こえました。おそらく警察官が暴走族を捕まえて交番前で揉めていたのでしょう。警察官が止めに入るような言葉をかけるものの、暴走族は怒りがおさまらず、物を投げたり叩きつけたりするような音も聞こえてきました。
結局、深夜3時ごろまでこの騒ぎは鳴り止むことはなく、恐怖で眠ることはできませんでした。寝不足のまま次の日を迎えることになり、眠気と闘いながらツーリングしたのを覚えています」
ソロキャン中にテントの外から罵声が聞こえるなんて、かなりの恐怖だったはず。今回は防ぎようがないケースだったと思われますが、キャンプ場の立地や口コミはしっかりとチェックしておいたほうが良さそうです。
<文/Honoka Yamasaki イラスト/カツオ>
【Honoka Yamasaki】
ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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