秋篠宮ご夫妻の長女眞子さんと結婚した小室圭さんが、アメリカ・ニューヨーク州の司法試験に3度目の挑戦で合格しました。10月21日に合格が明らかになりましたが、その後11月2日に合格後初めて報道陣の前に姿を現した小室さんは呼びかけに無言のままでした。

皇室ウォッチャーのコラムニスト・辛酸なめ子さんはどうみたのか、寄稿いただきました。(以下、寄稿)

◆試験に勝つ、だけでなく、日本に勝つ…小室圭さんの不敵な笑顔

勤務先「ローウェンスタイン・サンドラー法律事務所」サイトに掲載された小室圭さんの写真(画像:Lowenstein Sandler LLPより)
勤務先「ローウェンスタイン・サンドラー法律事務所」サイトに掲載された小室圭さんの写真(画像:Lowenstein Sandler LLPより)
 7月に行なわれたNY州の司法試験の3回目の入試の日、試験を終えて出てきた小室圭さんは,ラルフローレンのシャツ姿で、マスクごしでもわかる笑みをたたえていました。今思えば、あの時すでに勝利を確信していたのかもしれません。試験に勝つ、というだけでなく、日本に勝つ……そんな意気込みすら感じられる不敵な笑顔でした。

 そして10月下旬、合格発表よりも前に、勤務先「ローウェンスタイン・サンドラー法律事務所」のホームページに笑顔の「Kei Komuro」の写真が掲載。しかし世間は、週刊誌をはじめとして小室さんは3回目も落ちることを予測していたようでした。再受験組の合格率の低さや、慣れないNYでの新婚生活で勉強する暇はないのでは、などと言われていたのですが、そんな風潮を見返すかのように小室さんは合格。

◆今まで小室さんを心配していたけれども

 受かった直後は情報番組などで小室さんの努力を称えていましたが、わりとすぐにトーンダウンしていた印象です。これは今の日本の状況を考えるとしかたないのかもしれません。

 今まで自分を含めて、日本人の何割かは、「物価の高いNYで貧乏暮らしをしている小室さん眞子さんを心配しつつ見守る」というスタンスだったと思われます。

 ロークラークの年収は約600万円。日本では高収入でもNYでは家賃にもならないとか、3回目も落ちたらクビになってさらに困窮するのでは、とか、物価の高いNYを出てウィスコンシン州で受験勉強する、という説まで浮上。ラーメン3000円とかアルミホイルも3000円といったインフレニュースが流れるたび、小室さんのことを案じていたのですが、それは余計なお世話だったかもしれません。

小室眞子さん小室圭さん
日本雑誌協会代表撮影
◆年収3000万円で超パワーカップルへ お2人の圧勝

 小室さんはめでたく弁護士試験に合格。予測では1年目から年収約20万ドルももらえるとのこと。2021年の時点では「合格したら2000万円!」と言われていましたが、ここ最近円が急激に安くなったため、小室さんの年収はいつの間にか3000万円までアップ。日本が貧乏になればなるほど、小室さんがリッチになる、という計算に。

 既に払っていましたが、長らくもめていた400万円というお金も、今なら為替の差益で瞬時に返せます。また、留学時に援助を受けていた元勤務先の奥野総合法律事務所にも余裕でお金を返せるのではないでしょうか。

 年収3000万円は、開業医や外資系投資銀行員クラス。ちょっと前までは、事務所の同僚のピザを買い出しに行って、縦に持っているとか指摘されていた小室さんが一気に手の届かない存在に……。また、ここへきて小室さんは引く手あまたで、5年後には年収1億円越えになるのではないか、という予測も浮上。まだ実績がないうちから、小室さんのステージがどんどん上がっていきます。小室さんの合格を素直に喜べない人がいるのは、突然の立場逆転による敗北感のせいかもしれません。

小室眞子さん小室圭さん
日本雑誌協会代表撮影
 また、眞子さんというしっかりしている長女で皇女でもあられた方が、なかなか合格できない小室さんと結婚している、という事実は、世の中のダメンズ的な男性と付き合っている女性に、勇気を与えていた,という面もありそうです。それが小室さんのリベンジで、一気に格差を見せつけられることに。2人は普通に超パワーカップルだったという現実が。

 日本に決別して出て行かれた夫妻ですが、お2人の圧勝ということを認めざるを得ない状況です。眞子さんの先見性、プロデュース力のすごさを感じます。

◆日本のメディアなど相手にしていないのかも

 そして最近、さらに小室さんを遠く感じてしまうニュースが。試験合格が報じられ、日本のテレビ局などがマンション前に集結。しかしリポーターがマイクを向け、お祝いを伝えたあと質問しても、小室さんは完全無視を徹底。

小室圭さん司法試験合格
「この度はおめでとうございました」「……」

「眞子さんとお祝いする時間はありましたでしょうか?」「……」

「眞子さんから何かお話とか……」「……」

「一言いただけませんでしょうか?」「……」

といった感じで、イヤホンを耳に装着して何も聞こえていない風に、でも勝ち組感を少し漂わせながら、NYの街を肩で風を切って歩いていました。1年ほど前、結婚直前にもこんな風に日本のリポーターを完全無視していたような……、デジャヴュ感とともに一抹の淋しさが。

「週刊文春」(2022年11月10日号)によると、「デイリーメール」など海外メディアにはフレンドリーで笑顔で「サンキュー!」と言ったりするとか。そこまで日本のメディアがお嫌いだとは……。もはや海外セレブになったので日本のメディアなど相手にしていないのかもしれません。

◆お2人への複雑な感情が変化

眞子さまと小室圭さん写真:日本雑誌協会代表取材
写真:日本雑誌協会代表取材
 小室さんと眞子さんに対する複雑な感情は、同情→祝福→淋しさ→敗北感と変化していった感が。先日の完全無視の姿に、悔しさを感じる人もいることでしょう。

 もしかしたら、国力が下がっている日本に対して、小室さんがわざと不遜(ふそん)な態度で刺激して、日本人を鼓舞してくれているのかもしれません。そんな小室さんのメッセージを受け止め、謎の敗北感から立ち上がりたいです。

<文/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】

東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。