世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの人が「家での時間をどう過ごすか」という課題に向き合っているのではないでしょうか?一方でAmazonプライムビデオをはじめとしたサブスクリプション型映像配信サービスの需要が日増しに高まっています。本記事では同サービスが提供する膨大な作品群の中から、クリエイティビティを刺激してくれる映画作品を3つリストアップしました。

おしゃれに楽しくセンスを磨いて持て余しがちな“おうち時間”を有意義なものにしてみませんか?

1.『セックス・アンド・ザ・シティ』

大都市・ニューヨークで暮らす女性4人の生活をコミカル&シニカルに描き世界的な大ヒットとなったドラマが、SATCこと『セックス・アンド・ザ・シティ』です。テレビシリーズの最終回から4年後のストーリーを描いた映画版も全世界で4億米ドルを超える興行収入を記録しました。Amazonプライムビデオで同ドラマのシーズン1~6、さらに映画版まで一気に楽しむことができます。

・キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)
地元紙に『SEX AND THE CITY』という赤裸々な記事を連載するコラムニスト

・ミランダ(シンシア・ニクソン)
エリート弁護士で毒舌家

・シャーロット(クリスティン・デイヴィス)
画廊でアートディーラーを務めるお嬢様気質

・サマンサ(キム・キャトラル)
PR会社の社長として辣腕を振るい貪欲にセックスを楽しむ

彼女たちと関係を結ぶ、一癖も二癖もある男性陣も魅力的です。個性豊かな面々が繰り広げる知的かつ過激なトークの数々は、仕事や恋愛に生きる女性たちに笑いと勇気をもたらしました。

それぞれにタイプが異なる女性たちがセックスについてオープンに語り、さまざまな壁にぶつかりながらも信念を貫いて生きる姿を描いた作品です。思想潮流としてのフェミニズムが、広く共有されるようになった近年の世界のあり方を予見したものとして評価することもできるでしょう。

シリアスなエピソードや登場人物たちの友情のあり方から、性別を問わず多くの人が学びや刺激を得ることができるのではないでしょうか。

またサングラスやカバンといった小物の使い方を真似るフォロワーが続出するなど、視聴者を魅了しました。登場人物たちの洗練された装いは、名スタイリストのパトリシア・フィールドが担当。主人公のキャリーが愛するマノロ・ブラニクのパンプスは、とりわけ象徴的なアイテムの一つです。

ファッションに興味がある人は、2017年に公開されたドキュメンタリー映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』とあわせて楽しむのもいいかもしれません。

2.『ホドロフスキーのDUNE』

フランク・ハーバートのSF小説を原作に、チリ出身の監督アレハンドロ・ホドロフスキーによって1975年に企画された映画『DUNE』。

莫大な予算を投じて超豪華なスタッフ・キャストを配し絵コンテまで用意されながらも、撮影前にプロジェクトが頓挫してしまった“未完の大作”。同作の謎を解き明かしたドキュメンタリー映画が『ホドロフスキーのDUNE』です。

シュルレアリスムの代表的な画家サルバトール・ダリ、ローリング・ストーンズのボーカリストであるミック・ジャガーや映画史上に残る大傑作『市民ケーン』を手がけた巨匠オーソン・ウェルズがメインキャスト。

『AKIRA』で有名な大友克洋らに影響を与えたフランスの天才漫画家メビウスが、絵コンテとキャラクターデザインを務め、さらに劇伴にはピンク・フロイドと、『DUNE』には世界中の才能が結集しました。

映画『エル・トポ』(1970年)でカルト的な人気を博していた当時41歳のホドロフスキー。「この映画に携わるすべての人間は魂の戦士だ。最高の戦士を探す」というコンセプトで自ら彼らを口説き落とし、出演や協力を取り付けます。妥協なく理想を追い求める前のめりな姿勢は、クリエイターとして一つの理想を示していると言えるでしょう。

  • 「失敗が何だ?だからどうした?『DUNE』はこの世界では夢だ。でも夢は世界を変える」
  • 「私にとって映画は芸術だ、ビジネスである前に」 ホドロフスキー本人による力強い言葉の数々は、なにかを生み出すために努力するすべての人に勇気を与えてくれます。『スター・ウォーズ』シリーズをはじめ、後のSF映画に大きな影響を与えたというハイセンスな設定資料の数々も必見です。