秋といえばさつまいもがおいしい季節。さつまいもといえば、オナラが出やすくなる食べものといわれていますよね。今回は、そんなさつまいもに関する恥ずかしいエピソードについて好美さん(仮名・32歳・会社員)が語ってくれました。

◆絶対にオナラをしない彼

絶対にオナラをしない彼
写真はイメージです。(以下同じ)
 好美さんには、1年ほどお付き合いしている彼氏がいます。共通の趣味が多く、一緒にいて楽な関係ではあるものの、好美さんは彼氏の前で気をつけていることが1つだけあったのです。

「彼は人前でオナラをしないよう厳しく注意されて育ったため、人前でオナラをしないんです。1年付き合っていますが、私は一度も彼のオナラを聞いたことがありません」

 仕事の休み前は必ずといってよいほど、一人暮らしをしている彼氏の家にお泊りする好美さん。一緒にいる時間が長いものの、彼氏のオナラを一度も聞いたことがないそう。

「私にも女としてのプライドがあります。彼がオナラをしないなら、私だってしないと心に決め、付き合ってから一度だって彼の前でオナラをしなかったんです」

 親しき仲にも礼儀ありの言葉通り、好美さん達はお互いのオナラを一度も聞いたことがなかったのです。

◆秋に焼き芋にハマる

秋に焼き芋にハマる
 好美さんが彼氏と円満な生活を過ごす中、季節は秋へ。

「会社の人からさつまいもを大量にもらったのがきっかけで、焼き芋にハマっていました。オーブンを使って、じっくり低温調理した焼き芋がとにかくおいしくて。便秘体質なので、食物繊維が豊富なさつまいもで解消できて一石二鳥でした」

 便秘に悩んでいたこともあり、好美さんはもらった大量のさつまいもを焼き芋にして食べていたそう。

「ちょうどその頃、『銀魂』というアニメを彼と観るのがブームでした。声を出して笑っちゃうほどの破天荒なストーリーとギャグセンスが面白くて。その日は寒かったので、彼とくっついて『銀魂』を観ていたんです」

 横になっている好美さんを、彼氏が後ろから抱きしめるような体勢で『銀魂』を観ていたそう。仲睦まじく過ごしている2人ですが、この体勢が思いもよらない悲劇を呼ぶことになるのです。

◆アニメの爆笑シーンで思わず「ブッ!」

「その日に作った焼き芋がとても美味しくて、少し食べ過ぎてしまったんです。食べ過ぎと、数日便秘が続いていたこともあり、お腹が張っていました」

 オナラが出そうになるものの、『銀魂』を一時停止するのも気が引けたため、エンディングまで観てからトイレへ行こうと思っていた好美さん。

アニメの爆笑シーンで思わずオナラ
「ちょうど爆笑できるシーンがあり、思わず声を出して笑ったのですが、同時に『ブッ!』とオナラが出てしまったんです」

 好美さんは、お尻とお腹に力を入れてオナラを必死で我慢していました。ところが、笑いとともに気が緩んでしまい、お尻から全力のガスが放たれてしまったのです。

◆「今オナラしたよね!?」と彼

「音声でオナラの音はかき消されたかなと思い、何事もないように笑っていたんです。すると、彼がすかさず『今オナラしたよね!? お腹に風圧来たんだけど!』と大爆笑。銀魂と私のオナラ、どちらに笑っているのかわからない状態でした」

 密着により、放ったオナラの風圧が彼氏のお腹にクリティカルヒット。言い逃れできず、好美さんはオナラが出てしまったことを正直に白状しました。

「今オナラしたよね!?」と彼
「彼は『自然現象なんだから仕方ないじゃん』と私を慰めてくれましたが、音だけならまだしも、彼のお腹にオナラの風圧まで当ててしまい、さすがに恥ずかしくてたまらなかったです」

 さつまいもの食べ過ぎと便秘のタイミングが重なってしまい、好美さんは彼の前ではじめてオナラをしてしまったそうです。

「さつまいもを食べ過ぎなければよかったと後悔しました…」と自嘲気味に笑う好美さん。

 お腹の中にガスを溜め込むのはよくありませんが、彼氏にオナラの風圧を当てるのは気恥ずかしいですよね。食欲の秋ですが、さつまいもの食べすぎはほどほどに。

―シリーズ「秋のトホホ」―

<文/東あきえ イラスト/カツオ>

【東あきえ】

ライター兼2人のヤンチャな男の子を育てる母。ビールと唐揚げをこよなく愛す。食べることが大好きゆえに、食育について勉強中。笑えるものから感動するものまで、さまざまな人間模様を綴る。Twitter:@akar184