・コン・ユのグラビアとインタビューが、10月25日に『ELLE KOREA(エル・コリア)』で公開された。
・彼の代表作の1つである映画『トガニ 幼き瞳の告発(2011)』について言及、熱い思いを語っている。
・韓国社会に一石を投じた本作の秘話をご紹介。
コン・ユが、大ヒット映画『トガニ 幼き瞳の告発(2011/以下、トガニ)』にかけた思いを語りました。
10月25日、ファッションマガジン『ELLE KOREA(エル・コリア)』は、コン・ユのグラビアとインタビューを公開。
2021年でデビュー20周年を迎えたコン・ユがこれまでを振り返り、その過程で出演した『トガニ』に関して言及しました。
それは、「俳優はどうしても選ばれる側の人間ですが、『トガニ』に出会ってからは自信が持てるようになりました。自ら選択したことを最後までやり遂げ、被害者家族のためのプロジェクトを遂行したという事実が自信になったんです」というもの。
作品を見てない人はご存じないかもしれませんが、『トガニ』は、韓国のある聴覚障害者学校で、教師から常習的な性的虐待を受けていた子どもたちの、悲しく残虐な実話を基に作られた衝撃作。
そして実は、この出来事を映画化しようと最初に行動を起こしたのがコン・ユだったのです。
きっかけは、彼が2008年から約2年間軍隊に服務していた時のこと。階級が兵長に昇格した際、記念品として受け取ったのが『トガニ』の原作となった小説だったのだとか。
「僕たちが戦うべきなのは世の中を変えるためではなく、世の中が僕たちを変えられないようにするためだ」、という部分に強い印象を受けたというコン・ユ。
「映画化する過程の作業に参加するのはもちろん、絶対出演しようと決心した」と言います。
そこで、軍服務中の最後の休暇を利用して、作者のコン・ジヨン作家に接触、直談判したそうです。
その結果コン・ジヨン作家に、「こういう俳優が『トガニ』の主人公をやるべきだ」と言わしめるほどの信頼を得て、晴れてコン・ユの提案が実現。こうして上映された本作は、観客動員数466万人を記録、興行は大成功を収めました。
さらには、映画の背景となった聴覚障害者学校での事件に対する大衆の関心が高まり、再捜査が決定。当該学校は、法人格を失い廃校という重い処罰が下されることに。
また、性に対する自覚がまだない幼い年齢の子どもに対する大人の関わり方や、世間の目を気にして公になることのなかった児童への性的暴力、私立学校法が見直されるなど、本国の隠れた社会問題も浮き彫りになる契機となりました。
映画の公開から10年以上が経過した現在も、未成年に関与した性犯罪が起こると、必ずと言ってもよいほど『トガニ』が再注目されています。
コン・ユは『ELLE KOREA』のインタビューで、「“この話を世に出したい”という純粋な気持ちが全てだった」と語りました。
本作がコン・ユにとって代表作の1つであることは有名ですが、彼のまっすぐな思いが、原作者をはじめ大衆を動かしたことまで知っている人は少ないのではないでしょうか。