2022年はフェムテック・イヤーといっても過言ではないほど各社参入し盛り上がっているフェムテック界隈。10月には都内・六本木アカデミーヒルズと東京ビッグサイトで大きなふたつのフェムテック商品の展示会が行われました。
まさに「秋のフェムテックまつり」、ライター河合がレポートします。
◆スーツケースの会社がフェムテックに参入?!
まず10月14日から16日の間に行われた今年で3回目となる「Femtech Fes! 2022」。
会場入口から驚いたのは、バッグやスーツケースメーカー「ACE」のブースがあったこと。なんでも、一体なぜバッグやスーツのメーカーがフェムテックに?
営業本部第三事業部三課の佐藤七海さんいわく「外出や旅行に出かけるためのバッグを作るメーカーだからこそ、女性の好きなタイミングで好きな場所に、女性自身のペースで行けるように、その手助けとなるセルフケアブラン『pace(ペース)』を立ち上げました」とのこと。
現時点で発売されているのは、和漢ブレンドティーとCBDをブレンドしたロールオン。お茶は気分のリフレッシュに、ロールオンはリフレッシュはもちろん、肩こりの症状を若干、和らげる効果があるのだとか。
◆どうやって使うの?謎の球体「nopole ZERO」
次に目に止まったのが、謎の球体「nopole ZERO」。クラウドファンディング達成により開発された商品で、FTM(男性の心を持ちながら女性の体で生まれた人)とそのパートナーのためのセクシャルウェルネスアイテムです。
「セックス=挿入」を覆すバイブレーションで、お互いのいいところにあてて同じひとつの振動を共有することで、一緒に気持ちよさを感じるられるというもの。挿入がないので相手が満足しているか不安、両手で抱きしめながらできないといった課題を解決してくれます。レズビアンやXジェンダー(性自認が男性にも女性にもはっきりと当てはまらない人)の方など挿入しない2人であれば誰でも使うことができるそうですよ。
◆「ウーマナイザー」とマリリン・モンローとコラボ!
次はお馴染み「ウーマナイザー」ですが、なんとマリリン・モンローをアイコンにしたものすごいコラボのバージョンが登場。
大理石のような柄の本体は高級感があり、36年という短い生涯ながら「重力なんかに負けないわ」とボディを鍛え上げ続けたモンローの気高い美しさを感じます。
◆ローヤルゼリーの会社が入浴剤を開発中
そんななか、創業55年のローヤルゼリーのメーカー、ジャパンローヤルゼリー株式会社が膣の経皮吸収に特化した入浴剤を開発中だという展示も発見。
皮膚に何かクリームを塗布すると、そこから経皮吸収されるわけですが、例えば二の腕の内側の吸収率を1とした場合
・手のひら:0.83倍
・頭皮:3.5倍
・ほほ・あご:13倍
・背中:17倍
・デリケートゾーン:42倍
というわけで、膣からの吸収率は最も高いのだとか。そんな時にジャパンローヤル株式会社が着目したのは“実は既存の入浴剤のほとんどは酸性である”点。実は膣の良い状態を保つ上では弱酸性が良いので、それにこだわったものを作ろうと開発スタートしたのだそうです。
今回の会場では、柑橘系やバニラ系のフレーバー、どれが好みかを来場者にシールを貼ってもらう形で統計を取っていました。これは商品化が楽しみです。
◆生理用ナプキンの無料提供サービス
日付とところ変わって10月20~22日まで東京ビッグサイトで開催された今年で第1回目となる「Femtech Tokyo」の様子をレポートします。
これは良い取り組みだと感じたのが、こちら。商業施設や公共施設などの女性用トイレ個室に生理用ナプキンを無料提供するサービス「OiTr」。こちらはオイテル株式会社によるサービスで、すでに全国各地1000台ほど設置されてるそう。営業チーム設営営業の住本葵さんは、前職時代に有楽町の丸井でこのサービスを見つけ、感動して転職。
「“あ! なっちゃった(汗)”という時にナプキンを買いに行かずとも不測の事態に備えられるサービスに感動しました。不動産勤務だった前職から給料はかなり下がりましたけど、まったく後悔してないしこのサービスを全国に広めたい!」(住本さん)
サービスはスマホにアプリをダウンロードし、設置された機器にIDを読み込ませることでナプキンが配給される、というもの。本当に、これはありがたいサービスですね。
◆最先端の生理用品「月経ディスク」
最後にこちら、月経カップよりも大容量の月経ディスク「MOLARA」。
通常の月経カップが15mlから30mlの容量に対し、この「MOLARA」は59mlの経血を受け皿にできるのだとか。
しかもオートダンプという、便座で膝を抱えるようなポーズを取ることで膣内からディスクが排出。
ディスクに触れることなく溜まった経血を押し出すことができるのだとか。そう、手を血で汚さずに使えるのがナイスなのです。
様々な商品、サービスが展示された二大イベントを見学し、女性がより良く快適に生きるためのアイテムや様々なアイディアに触れ胸が踊りました!
<文/河合桃子>
【河合桃子】
1977年、東京都生まれ。男性週刊誌の記者をしながら、気になった女性ネタを拾って書いたりしてます。2児を育てるシングルマザーでもあります。