「絵本ホテル」は、2022年度グッドデザイン賞・2022年度キッズデザイン賞をダブルで受賞した。審査の過程で評価された「徹底した子ども目線によるものづくり」をプロダクトにも発展させ、プロデューサー/デザイナーである「studio D’ORO」の公式ウェブショップにて「みんなの本棚」を販売中だ。

みんなの本棚の製作にあたって

「絵本ホテル」は、開業以来多くユーザーに利用されているが、1日1組限定のため、体感できる人数に限りがあることが課題の一つだったという。

『宿泊以外でも「絵本ホテル」を身近に感じてもらえないだろうか』『「絵本ホテル」のコンセプトを家庭でも楽しめるサービスを作れないだろうか』と日々試行錯誤してきた結果、「子どもが主役」のコンセプトをそのまま体現した「みんなの本棚」が完成した。



同商品は、子ども目線でも本棚上部に置いた絵本の表紙がしっかり視認でき、子ども自身がついつい手に取りたくなるという。また下部は床との設置面に斜めの断面形状をした材を使用しているため腕の力が小さな子どもでも自分で取り出し、片づけがしやすい設計だ。

素材は吉野ヒノキ

「みんなの本棚」に使用する素材は吉野ヒノキ。「絵本ホテル」の計画時と同様、同商品の開発においても「シンプルな材料調達」「シンプルな製作工程」「最小限の運搬距離」を重視して地元の協業先を模索してきた結果、「PROP」とコラボレーションすることに。

「PROP」とのコラボ

「PROP」は、吉野の無垢材にこだわり、学校や教育現場向けの家具の供給経験も豊富、「絵本ホテル」のコンセプトにも賛同し、計画段階から一緒に取り組んでくれたそうだ。

一点モノの手作りの良さ


「みんなの本棚」は全て受注生産でweb販売となる。本棚の幅は、希望のサイズに指定が可能。在庫ロスをゼロにすること、各家庭にあったサイズで届けることで、一点モノの手作りの良さを生かした環境配慮ある取り組みを進めていくそうだ。

絵本ホテル

「絵本ホテル」は、奈良にUターンした異業種3人が地元を盛り上げたい想いで作った「子どもが主役」のホテル。旧公務員宿舎の一室をリノベーションして2021年12月にオープン。

世界中から選りすぐった200冊を超える壁いっぱいの絵本だけでなく、子どもサイズで設計されたトイレや洗面台、自由に落書きし放題の「Drawing wall」、壁に穴を開けた「ノゾキアナ」、子どもだけが入れるサイズで一番人気の読書スペース「秘密のアルコーブ」など、楽しさ満載の客室空間が好評を博し、予約の取れないユニークな人気宿だ。



「みんなの本棚」は、「チェルビアット絵本店」をはじめとする、ブックキュレーターによるオリジナル選書絵本セットも販売。セレクトされた絵本と一緒に楽しんでみては。

■絵本ホテル
住所：奈良市赤膚町1144-6 トルナーレ学園前105号室

「studio D’ORO」公式ウェブショップ：https://d-collections.shop/

(角谷良平)