「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」(以下「外あそび推進の会」)は11月2日(水)、小倉將信少子化担当大臣に子どもの外あそび環境の整備に向けた要望を申し入れた。

子どもの生活リズムの乱れと改善策

近年、デジタルデバイスの浸透など生活環境の変化から、子どもの生活リズムが崩れ、自律神経の乱れや体調不良などが引き起こされている。また、近視の増加や体力低下なども生じ、子どもの健全な成長が脅かされているという。

そんな中、子どもの生活リズム改善の一点突破口として注目されているのが“外あそび”。「外あそび推進の会」は、外あそびが子どもの身体的・社会的・知的・精神的・情緒的な成長に重要な役割を果たし、健全・健康な発育に加え、社会の未来に貢献する、自立した人間形成に貢献するものと考えている。

失われていく“サンマ”

子どもが十分に外あそびを行うためには、空間・仲間・時間(3つの間:サンマ)の確保が必要。特に、子どもの居場所となる地域のあそび空間が不足する状況が続くと、家庭の経済格差が子どもたちの体験格差につながると懸念されている。

しかし、都市化やテクノロジーの進化が加速する近年、都市部や地方にかかわらず、このサンマが喪失しているという。

小学生が小倉大臣に直接申し入れ

そこで「外あそび推進の会」は、「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」とともに、日本における外あそび推進の環境整備に向け、2021年6月に加藤官房長官(当時)に提出した政策提言で取り上げた課題の解決策を2月~6月にかけて議論し、要望書にまとめた。


また、9月22日(木)には放課後NPOアフタースクール協力のもと「もっとこんな風に外あそびがしたい!子ども作戦会議」を開催。これに参加した小学生たちは、話し合った内容を意見書にまとめ、先述の要望書とともに小倉少子化担当大臣に提出した。

要望書の概要

要望書では、こどもの施策を総合的に推進するためのこども大綱に、子どもの健全な成長に不可欠な外あそびの重要性が明記されることを求めている。

また、“サンマ”を取り戻すために必要な外あそび推進の環境整備として、子どもたちに外あそびを促すこと、安全を見守る人材の確保、外あそびに関する包括的ガイドブックの作成・普及、校庭開放および園庭開放の促進、街区公園の整備、地域の新たなあそび場の整備、デジタルデバイスの利用における外あそびの推奨、という7つの項目における施策を政府に求めた。

要望書の全文:https://kodomo-sotoasobi.com/pdfs/kankyoseibi-01.pdf
「子ども作戦会議」意見書:https://kodomo-sotoasobi.com/pdfs/kodomosakusenkaigi-01.pdf

(Higuchi)