オンラインサロン業界でいま最も注目を集める起業家、河村真木子さんが初著書『超フレキシブル人生論 “当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』を上梓しました。仕事に家庭に子育てに、頑張っているけどどうしても行き詰まってしまう、もっと自分らしく生きたい!本書には、そんな女性たちに贈る人生のヒントが詰まっています。

前回の「結婚はしなくてもいい」をはじめ、本書には恋愛・結婚に関する金言が盛りだくさん。国際社会を経験してきた彼女ならではの、「結婚するなら外国人」説とは…?

(以下、本書より一部抜粋)

河村真木子さん
河村真木子さん
◆結婚するなら外国人(※どの国でもいいわけではありません)

外国人男性
※写真はイメージです
1度目の結婚相手の名誉のためにお伝えしておきますが、元配偶者はきわめて常識的な紳士で、実際には家事なんかも私よりちゃんとやってくれていました。きれい好きできちんとした性格の人で、実際にはジェンダーバイアスとも無縁な人でした。

でも、私は婚姻期間中ずっと何かと戦っていた。多分、この配偶者と戦っているのではなく、後ろに控えている日本社会のジェンダー圧と戦っていました。

普段は見えない敵。でも確実に息をひそめている敵。それが日本の結婚におけるジェンダーバイアスなのです。

「家事は女性がやるもの」「お母さんなんだから」「男性を立てて」「女性は一歩下がって」「名字を変えるのは女性」「男性の籍に入る」……。

今まで一人で頑張ってきたワタシが消されていくように感じました。

◆私の人生の主役は私

結婚した途端に「サブキャラ」にされるのも嫌でした。結婚するまでは自分の人生の主役は自分だった。少なくとも、誰かを立てるように社会から言われたり、二番手に押し込められるような感覚はなかった。

「私の人生の主役は私」。その感覚が取り戻したくなり、結局、元配偶者とは喧嘩が多くなり(ぶっちゃけ、私が勝手にジェンダー圧と戦い過ぎて疲れただけで、先方は全く悪くない)、離婚してしまいました。

そして2度目の結婚は、この日本社会にはびこるジェンダー圧が嫌過ぎて、「基本的に結婚しないけど、もしするなら外国人」と決めていました。

実際、離婚後にお付き合いしたのは外国人ばかり。

外国人(欧米系やシンガポール人)との恋愛は果てしなくフラットで、ジェンダー圧もほとんど感じることがなく、「主役の座」を奪い取らなくても自然と「お互いが主役」を実感できて、見えない何かと戦うこともないストレスフリーの恋愛でした。

「仕事の付き合いでキャバクラ行かなきゃいけないんだよね」なんて言ってくる外国人もほぼゼロで、なぜ行ってほしくないかを力説する必要もありませんでした。

◆バリバリの日本人からのプロポーズ

プロポーズ
なんとなく「外国人となら結婚してもいいかな」と思っていた時に出会ったのが、バリバリの日本人の元配偶者。本人にも「私は結婚は興味ない」と言い続けて、「再婚」の話が出ないように慎重に過ごしていました。

ただし、先方はまだ一度も結婚したことがなく、なおかつご実家が名家だったこともあり、そちらからの結婚のプレッシャーが強くなっていた時期でした。お見合いの話がチラホラ出始めた頃、先方は流れでお見合いの席に行くことになってしまいます。

「ちゃんと付き合っているワタシがいるのに、お見合いって何ごと?」と泣いてわめいた私に、「じゃ、結婚しようぜ」とプロポーズ。

キターー……。

散々、日本社会のジェンダーバイアスについてトラウマを持っていた私のことを重々承知の彼は、「僕は典型的な日本人じゃない。理系脳だし、高校から留学して寄宿舎で生活していたし、大学も海外、その後長いこと外資系金融機関にいた。君もよく知ってる通りだよ」との説明でした。

◆どこへ行っても自慢の配偶者

夫婦
私も、彼自身がジェンダーバイアス満載の日本人ではないことは重々承知していましたし、だからこそ付き合えた。

でも、その時私の頭に浮かんだのは、「あなたがそうなのは分かってます。でも、あなたの後ろに控えている大勢のご親族やご学友の方々は大丈夫?」ということ。

「社会」は一人では作れません。どんな社会も小さな人間関係の輪からできている。その「輪」がどんな考えなのかは、とても重要なのです。

2度目に結婚した相手も、1度目同様、何も悪くない。10人中10人が彼を「人格者」と言い、「気品と人間力のあふれるジェントルマン」と言います。私も彼のそんな人柄が大好きでした。

どこへ行っても自慢の配偶者。結婚後すぐに海外移住したこともあり、二人で数々のパーティやイベントに出席し、楽しい日々を過ごしました。

◆どうしても「結婚している自分」が好きになれなかった

離婚
ただ、私はまたもや「結婚」という基盤を通じて、日本社会のジェンダー圧と戦うことになります。どうしても「結婚している自分」が好きになれなかった。時々感じる「日本社会からのジェンダー圧」「サブキャラ」「一歩下がって」。どうしても無縁ではいられません。

1度目の結婚の時に「旦那も稼いでるんだから、君のボーナスは旦那からもらえ」と当時の上司に言われたことなども走馬灯のようによみがえり、数々の場面で、また「サブキャラ」にされ、私はだんだんと元気をなくしていきました。

日本では女性がキラキラと輝く「結婚」がどうも難しい。配偶者よりも稼ぎが多かった日には、「メンズのプライドを傷つけた」なんて言われたりもする。この国でフラットな結婚50年ぐらいかかりそうだなぁと思いつつ、2度目の結婚も静かに幕を閉じました。

◆どの国の外国人との結婚なら「ジェンダー圧」と無縁でいられるのか

この国で「結婚」を選択する若い人たちが、私が経験したようなジェンダー圧を感じずに済むような社会の実現を願います。まずはジェンダーギャップの世界順位を上げるところからでしょうね。

ちなみに先程は散々外国人推しをしましたが、「外国人」といってもどの国の人でもいいわけじゃないです。韓国などは、ほとんど日本と変わらないジェンダー問題を抱えていそうです。

では、どの国の外国人との結婚なら「ジェンダー圧」と無縁でいられるのか? その答えは、OECDのジェンダーギャップ指数の高順位国ですね。で、日本は116位なので、日本の上の115か国のメンズは、日本よりはマシということになります(笑)。

超フレキシブル人生論

<河村真木子 文・構成/女子SPA!編集部>

【河村真木子】

1976年、奈良県生まれ。将来に不安を抱いた高校時代のモラトリアム期を経て、高校3年生の春にロサンゼルスのLe Lycée Français de Los Angels高校へ転入を決意。20歳で卒業後、関西学院大学に進学するも自主退学。再び渡米し、UCバークレー校に進学。卒業後は帰国し、米系投資銀行に就職。“バリキャリ金融女子”として日々奮闘した。2021年8月よりオンラインサロン「Holland Village Private Salon」をスタートし、わずか1年で業界トップの規模を確立。その他現在は、炭酸パックブランド「Carrie」の開発・販売も展開。