こんにちは、婚活アドバイザー・デートコーチの田中亜依です。みなさんの周りにも、美人で優しそうなのに何故かいつも彼にフラれてしまう女性っていませんか? 今回は、婚活中の麻美さん(36歳、仮名)のお話をしたいと思います。

◆4年間付き合った彼と破局し大ショック

4年間付き合った彼と破局し大ショック
写真はイメージです。(以下同じ)
 麻美さんの第一印象は物腰が柔らかく、男女共に好かれそうな優しい雰囲気の女性でした。

 彼女は、26歳〜29歳まで4年間付き合っていた彼氏がいましたが、残念ながら結婚には至りませんでした。一般的に、20代後半は男性からもモテる時期でもありますし、女性としては30歳までに結婚したい!という想いが強い時期でもあります。やはり麻美さんも、30歳までに結婚するため頑張ったそうですが、残念ながらお別れしてしまい、ショックのあまり次の恋愛に進めないというのが悩みでした。

◆アプリで出会った商社マンの彼

アプリで出会った商社マンの彼
 彼との出会いは、マッチングアプリでした。彼は、大手の商社マンで3歳年上。当時はブラジルによく出張に行っていたようで、かなり忙しい彼でしたが、麻美さんは献身的に支えたそうです。そんな大和撫子的な彼女を気に入り、「こんなに尽くしてくれる女性って今時いないよね。ぜひ僕と付き合って欲しい」と、お付き合いが始まりました。

「彼はお仕事の付き合いも多いので、外食が多かったんです。だから彼と会える時はできるだけ私の手料理をふるまいました。あと、疲れていそうだったのでマッサージを習って彼にしてあげたりもしました」と麻美さんは当時のことを振り返りながら話してくれました。

なんと献身的で素敵な彼女なんでしょうと感心すると同時に、なぜこんなに優しい麻美さんを彼は選ばなかったのだろう?と疑問が出てきました。

◆遠距離恋愛でも一途に尽くす

 順調にお付き合いを重ね、麻美さんが28歳を迎えた頃、彼はブラジルに駐在に行くことが決まりました。麻美さんはそのまま結婚して一緒にブラジルにいけるものだと期待していたそうですが、彼は結婚せずに単身でブラジルにいくことを選びました。

遠距離恋愛でも一途に尽くす
 麻美さんは彼の決断を尊重して「待ってるね!」と伝えたそうです。「ブラジルと日本の時差はちょうど12時間で、昼と夜が真逆なんです。連絡が取りづらかったんですが、彼が起きた時と家に帰ってくる頃を考えて“おはよう”とか“おやすみ”のメッセージは欠かさず送っていました。あと、日本食とか恋しくなるかなと思ったので、お味噌汁とかを手紙と一緒に送ってました」と遠距離になっても変わらず麻美さんは献身的に頑張りました。

◆彼からの突然の別れのメール

しかし、彼がブラジルに行って半年後、突然別れのメールがきました。「ごめん。やっぱり別れよう。麻美がいろいろしてくれるのは嬉しいと思っている。けどそれがプレッシャーだと感じる時があるんだ。本当にごめん」と。

 麻美さんは、「私はそのメールをもらった時は悲しくて仕方がなかったです。私は彼にたくさん尽くしました。発言、行動も全て。それでも、彼は結婚をしてくれなかったんです。だから私って頑張っても結婚できないダメな女だなって思います」と少し自暴自棄になっている様子でした。

◆「尽くす」と「重い」は紙一重

 麻美さんのお話を聞きながら、彼が別れを告げた理由を私なりに考えていました。恐らく最初は尽くしてくれる麻美さんが愛おしかったのでしょう。しかし、別れを告げた時点ではそれが「重い」と感じるようになってしまったのではないでしょうか。

「尽くす」と「重い」は紙一重
 尽くすことは相手への愛情表現として大切ですが、それを受け取る側が「重い」と感じてしまう場合もあります。これは紙一重で、尽くす側は注意しなければなりません。麻美さんのケースで「重い」方に振り切れてしまったキーワードは、「同調」と「見返り」だと思います。

◆「同調」しすぎはかえって負担に

 麻美さんは、常に彼を困らせないような言葉を発しているようでした。

 例えば、「デートの時、彼が行きたい場所に興味がない時もありました。でも別に、私が行きたいところも無かったので彼に合わせていました」とか「彼が私に何を食べたいか聞いてくれるんですが、好き嫌いも無いので何でもよかったんですよね。だからあなたが食べたいものでいいってよく答えていました」というところです。彼の意向にすべて同調するという感じですね。

 これだと恐らく彼は疲れてしまいます。仕事で忙しい人は、仕事中に頭をフル回転しています。それなのにデートで「なんでもいいよ」と言われると、ものすごく考えないといけなくなります。彼にとっては、「僕がやりたいことを優先してくれる」けど「いつも自分が考えなきゃいけない」と思い始めて、重いと思われてしまったのかもしれません。

◆「見返り」を求められると重い

 麻美さんのエピソードの中にこんなものもありました。「私が料理を作って、彼の帰りを待っていたんですね。でも彼の仕事が長引いて、料理が冷めてしまって。だから彼にまだ?ってLINEと電話をしたんです。でも連絡がなくて…。帰ってきた彼になんで事前に言ってくれないのか聞いたら『すぐ連絡できない時だってある』と怒られたことがあります」

「見返り」を求められると重い
 彼女は、尽くすことに対して見返りを求めるようになっていました。これは、自分のキャパシティを超えてしまっている証拠です。尽くすということは、本来は貢献的な意味合いがあるので、「自分がしたかったから」という自己満足的な感覚でいる方がいいです。

 しかし、度が過ぎると、自分がしてあげようという気持ちが強くなり、「してあげたんだから、ちゃんと応えてよ」と思うようになってしまいます。相手からすれば、頼んだわけでもないのに見返りを求められても…と思うのは当然で、尽くされることが重いと感じるようになります。

◆恋愛は尽くしすぎないことがポイント

 恋愛は自分が幸せと感じるレベルで相手に尽くすことが相手にとっても程よいのかもしれません。

 麻美さんには、自分の気持ちをもっと大切にして、したくないことだけでも口にだして相手に伝える練習をしていって欲しいとお伝えしました。相手に尽くすこともいいことだと思いますが、自分を大切にすることは忘れず恋愛してほしいです!

<文/田中亜依>

【田中亜依】

恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019