元TBSアナウンサーの宇垣美里さん。大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。

宇垣美里さん
撮影/中村和孝
 そんな宇垣さんが映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』についての思いを綴ります。

映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』
●作品あらすじ:警察と韓国ヤクザ、中国マフィアが繰り広げる三つどもえの抗争を描いた『犯罪都市』(2017年製作)の続編にあたり、本作でも人柄と腕っ節の強さが魅力のコワモテ刑事マ・ソクトが、犯罪組織を相手に繰り広げる壮絶な戦いが描かれます。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)、『悪人伝』(2019)はじめ、マーベル・シネマティック・ユニバースの『エターナルズ』(2021)で世界でも人気のマ・ドンソクが主演とプロデュースを務め、韓国で観客動員1200万人を突破した本作を宇垣さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣美里さんの寄稿です。)

◆マ・ドンソク主演最新作!「平手でこんなに人がぶっ飛ぶの見たことないよ」

犯罪都市
突然だが、私の一番好きな映画での主人公の登場シーンは、ぶっちぎりで『犯罪都市』のマ・ドンソクだ。商店街のど真ん中で始まった刃物を持ったチンピラ同士のけんかに、携帯電話片手に通話したままふらりと近づき、あっという間に制圧。バーンと画面いっぱいに映るその背中の広さといったら! それからずっと、マ・ドンソク、いやマブリー(マ・ドンソクの愛称)の大ファンだ。

そんなマブリーの最新作が『犯罪都市 THE ROUNDUP』。国外逃亡した容疑者を引き取るべくベトナムへ向かったマ刑事と上司のチョン班長は、そこで観光客の誘拐と殺害を繰り返す凶悪犯・カンの存在を知ることに。息子を誘拐の末、殺された大会社の社長も復讐のため、殺し屋をカンの元へと派遣。3者はベトナムと韓国を行き来しながら、三つ巴の闘いへと突入していく。

映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』
『犯罪都市 THE ROUNDUP』より
前作を見ていなくてももちろん楽しめるのだが、前作のおなじみのメンバーである強力班や、懐かしの小悪党まで登場するので、思い入れのある人はより楽しめることだろう。相変わらずの法を無視したむちゃくちゃな捜査に、相手が牛刀を持っていようが銃を構えていようがお構いなしに炸裂する平手打ちと、マ刑事の暴れっぷりがいっそ清々しい。平手でこんなに人がぶっ飛ぶところ、他の作品で見たことないよ。

◆もはや熊対虎による自然界頂上決戦

今回の敵であるソン・ソック演じるカンの血も涙もないサイコパスな最凶犯罪者とのバトルは、正義対悪というよりは、もはや熊対虎による自然界頂上決戦のような趣。バトルフィールドも多種多様、要素てんこもりで飽きる暇なし。迫力といい、スピード感といい、ここまで殴る蹴るを重ねられると景気が良くっていっそ笑える、というか整った。

強力班の他のメンバーも凶悪犯を捕まえるために体を張り、犯人とやり取りをする羽目になった社長夫人は肝が据わったカッコいい女性で、マ刑事以外の見せ場も多かった。

どうかずっと続くシリーズになってくれ……!と神に祈ったところ、すでに4作目まで制作決定しているとのこと! ありがたい。

『犯罪都市 THE ROUNDUP』

主演・プロデュース/マ・ドンソク 監督/イ・サンヨン 配給/HIAN ©ABO Entertainment Co., Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION

<文/宇垣美里>

【宇垣美里】

’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。