夫婦の料理家ユニットとしてテレビや雑誌で活躍するぐっち夫婦。SNSを中心に簡単につくれる料理を発信し、インスタグラムやYouTubeなどを合わせたSNS総フォロワー数は100万人にも。夫婦であり、仕事仲間でもある2人のプライベートについて聞いてみました。
◆試作しすぎて、ジャンキーなものを食べたくなることも…
――日々レシピを考え、つくり、発信していると、試作品をその日のプライベートの食事として食べることも多いのでしょうか?
SHINO「試作品がその日のメニューに出ることは確かに多いですね。でも、やっぱり同じものが続いたりすると、一品つくり足したりすることも多いです。」
Tatsuya「そのとき食べるためのものは別につくりたいですね。そこで、気分のリセットしておかないと、しんどくなりますから。だから、たまにね、マックとか、吉野家とかジャンキーなものを食べたくなることもあるんですよね(笑)。」
SHINO「そうそう、無性に食べたくなって、2人で仕事を終えてカレーのCoCo壱番屋に食べに行ったりしたこともあったね。」
Tatsuya「お互い一人で行くこともあるし、忙しいときはUber Eatsだってお世話になってます。」
――料理家さんは、普段自分でおいしいものがつくれるから、お店の味にはちょっと厳しいイメージがあります。
SHINO「チェーン店は味がわかっているからいいのですが、ぐっちさんは初めていくお店も研究対象にしてるよね(笑)。」
Tatsuya「料理を仕事にしているからこそ、『これはどんな出汁を使ってるのかな?』というように、気になってしまうんですよね。たとえば、だし巻き卵など、お店の実力が出る品からいくつか頼んでみます。その日に複数のお店をはしごすることだってあります。」
SHINO「お通しが来た時点で『あ、美味しい』ってわかるものもあるよね。ご飯を食べるとついつい仕事モードになってしまうことも多いですね。」
◆夫婦げんかをしない工夫は外注すること?
――仕事仲間であり、夫婦でもあるお2人ですが、けんかをすることはあるのでしょうか?
SHINO「最近は…ないよね(Tatsuyaさんを見て)。」
Tatsuya「そうだね。ストレスの原因になるものをなるべくつくらないようにしています。仕事が大変なのは同じなので、家事はなるべくお互いがいっぱいいっぱいにならないように、家事代行サービスにお願いして、少しでもラクになる工夫をします。」
SHINO「自宅で料理撮影することも多く、来訪者も多いですし。代行をお願いできたおかげで、仕事にしっかり集中できますし、とても助けられました。」
Tatsuya「余裕ができてお互い笑っていられるなら、お金を払って家事をお願いしちゃってもいいって思っています。たとえば僕の場合、「家事をやって」と言われちゃうのが嫌で…もちろん治すべきだとは思うんですが、そこで機嫌を損ねてしまうとお互いによくないってわかってきたので、誰かにお願いすることで回避できるなら、これからも積極的に活用したいと思っています。」
――お互い同じ仕事で大変さもわかるからこそですよね。
Tatsuya「そうですね。ドラマの料理監修の仕事をしたときは本当に大変で、いろいろとピークに達する前に『銭湯に行こう』って、一緒に疲れを取りに行ったりしますね。」
SHINO「ぐっちさんのほうが長風呂で私のほうが待ったりすることも(笑)。外食するときも、『お腹すいたね、私たちがんばったねー』なんて労い合うことも多いんです。」
Tatsuya「僕たちは結婚5年。これからも仲良くいられるために、工夫しながら過ごしたいですね。」
◆食いしん坊な2人、外食先で出合った味を再現することも
ぐっち夫婦は2人とも旅好きで、おいしいものが大好き。時間ができたら旅行をして現地の飲食店を巡り、『これは!』という料理があったら、家に帰って再現することもあるそう。
Tatsuya「このレシピは神奈川県・小田原にある定食屋さんのアジフライを再現したもの。アジフライが絶賛されているお店だったので、どれだけおいしいのか確かめてみようと言ったんです(笑)。そしたら度肝を抜かれました。外はサクッと、身はふわふわで、今まで食べたことがないアジフライ。これが家でつくれたらいいなぁと、帰ってすぐ試作を始めました」
SHINO「アジのふわふわ感を再現するために、蒸したり温度を変えたりと2人で試行錯誤をくり返しました。ポイントは、生パン粉を使うこと、中温をキープすること、揚げているときはなるべく触らないこと。このつくり方にたどり着くまで苦労した分、愛着のあるレシピになりました」
◆サクッとふわふわアジフライ
【材料(2人分)】
・アジ 4尾
・ゆで卵 2個
・A[酒大さじ2 塩少し]
・B[マヨネーズ大さじ2 牛乳大さじ1/2 塩、コショウ各少し]
・塩、コショウ 各少し
・薄力粉 大さじ2
・C[卵1個 牛乳50ml 薄力粉50g]
・生パン粉、揚げ油、中濃ソース 各適量
・D[キャベツ(千切り)適量 レモン(くし形切り)1/2個]
つくり方
(1)アジは背開きにし、骨を取り除く。Aをふり、15分ほどおく。
(2)ボウルにゆで卵の黄身を入れ、白身は粗みじん切りにして入れる。Bを加えて混ぜ合わせる。
(3)(1)の水気を拭き取り、塩、コショウをふる。薄力粉をまんべんなくまぶし、余分な粉をしっかり落とす。よく混ぜ合わせたCをからめ、全体にパン粉をまぶして軽く押さえる。
(4)鍋に揚げ油を深さ4~5cm入れて180℃に熱し、3の皮目を下にして入れる。なるべく触らないようにして片面を2分ほど揚げる。裏返し、さらに1分ほど揚げて油をきる。
(5)器にD、4を盛り、2と中濃ソースを添える。
ぐっち夫婦の新刊『いろいろつくってきたけど、やっぱりこの味』では、2人がくり返しつくってきて本当においしかったレシピが満載です。
<ぐっち夫婦 文/女子SPA!編集部>
【ぐっち夫婦】
Tatsuya、SHINOからなる夫婦料理家ユニット。共働き夫婦で料理家、SHINOは栄養士の資格ももつ。インスタグラム(@gucci_fuufu)、YouTube、Twitter、ホームページ「ぐっち夫婦の今日なにたべよう?」で日々の料理が楽しくおいしくなるアイデアを発信している。LINEでレシピ検索できるようになりました