仕事や婚活や子育てを毎日頑張ってはいるけど、なぜか行き詰まってしまう…。ジェンダーの壁や、周囲からの常識の押し付けや圧力を感じて疲弊してしまう…。そのように感じている女性も多いはず。
そんな女性に対し、「“当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる」と語るのは、オンラインサロン業界でいま最も注目を集める起業家、河村真木子さん。河村さんは初著書「超フレキシブル人生論」を上梓、本書には彼女が語る「人生がより良くなる秘訣」が散りばめられています。
◆サロンに入会希望者が殺到する河村真木子とは
河村さんはもともと外資系投資銀行で働いており、のちに“バリキャリ金融女子”としてインスタグラムで社会派コラムを発信するようになりました。
幅広い金融・経済知識や国内外への広い視野を持ちながら、ズバッと本音に切り込むコラムはまたたく間に人気となり、2021年8月にはオンラインサロン「Holland Village Private Salon(ホーランドヴィレッジプライベートサロン)」を開設。
サロンでは金融経済知識から美容、英語教育、トレーニングなど、他にはない豊かな情報が得られるとあって、わずか1年のうちに1万人超が入会し、現在では業界でも最大級の規模になっています。
そんな河村さんも、現在の成功を手にするまでに、高校を20歳で卒業したり、外資系金融機関でバリバリ働きながら20代でシングルマザーになったりなど、さまざまな困難に直面したといいます。
困難な状況のなかでも「当たり前」を一つひとつ疑い、フレキシブルに挑戦し続けた河村さんの考え方、生き方のヒントが詰まった内容を一部ご紹介します。
二度の結婚を経験した彼女が出した結論は「結婚はしなくてもいい」。果たしてその理由とは。
(以下、本書より抜粋)
◆結婚はしなくてもいい
私自身は過去に2回結婚しましたが、結論から言うと、結婚はしてもしなくても大差なし、女性に経済力さえあれば結婚という枠組みに縛られる必要はない、と思うようになりました。
むしろ、今の日本の社会的慣行だと、基本的に名字を変えるのは女性なので、結婚離婚を繰り返すと「名義変更地獄」があなたを待ち受けています。「名変なんて大したことない、大げさな」と思われるかもしれませんが、IT化が進んだことにより、「名前」「パスワード」の照合が大切なのと同じぐらい姓名の一致というのが大切になっています。
姓が変わっただけでワタシと認識されなくなる。一致しないから健康保険が使えない、送金できない、株が受け取れない、配当が受け取れない、海外不動産の名義を変えるのに渡航……。名義変更は、もうほとんどライフワークです。
という、名義変更地獄に加え、結婚することによって◯◯像を押し付けられがちなのもこの社会の特徴。結婚した途端に、◯◯さんの奥さんとサブキャラにされるだけでなく、うっかりすると家族に組み込まれて◯◯家のヨメという家族キャラ(最下位)にされます。「ワタシ」はどこに行った? 今まで「ワタシ」として力強く生きてきたのに、いきなりのサブキャラ、いきなりの最下位。
◆欧米でも同じじゃないの?
「欧米でも結婚すれば、誰かの名字になって◯◯のワイフって言われるじゃない」と突っ込みが入りそうですが、欧米と日本の結婚に対する社会的インパクトは全然違います。欧米では結婚しても「引き続き」結婚前の生活が送れる。
結婚したから急に家族の最下位にされたり、サブキャラにされたり、夜に出かけにくいとか、子どもを産んだら「もうお母さんなんだから」と社会から追い出されることが比較的少ない。
日本はまだまだお母さん枠、ヨメ枠の役割を演じることが期待されていて、それに違和感や閉塞感を覚える人が増えていると思います。
一方で「お母さん枠」や「ヨメ枠」を喜々として受け入れられる人も中にはいて、そうい
う人には割と向いているシステムかもしれません。
◆結婚は「就職」の代わりにしてはダメ
ただし、どんな結婚も「就職」の代わりにしちゃダメです。結婚は結婚、就職は就職、別物と認識してください。なぜなら結婚には「旦那ガチャ」リスクが高過ぎるのです。具体的に二つの大きなリスクがあります。
一つは、就職先だと思ったはずの相手が仕事を失ったときの閉塞感(うわー、実は大して仕事できないオトコと結婚しちゃった? リスク)。
二つ目は、就職先だと思って結婚した相手に裏切られ、離婚を突き付けられた時の日本の女性の立場の弱さ(相手の浮気が原因でも、相手がどんなに悪くても、慰謝料などは、ほぼもらえないと思っておいてください)。
「30歳までに結婚しなきゃ」と焦っている女子の皆さん、焦る方向があるとすれば「一人でも生きていける経済力をつけること」かなと思います。
<河村真木子 文・構成/女子SPA!編集部>
【河村真木子】
1976年、奈良県生まれ。将来に不安を抱いた高校時代のモラトリアム期を経て、高校3年生の春にロサンゼルスのLe Lycée Français de Los Angels高校へ転入を決意。20歳で卒業後、関西学院大学に進学するも自主退学。再び渡米し、UCバークレー校に進学。卒業後は帰国し、米系投資銀行に就職。“バリキャリ金融女子”として日々奮闘した。2021年8月よりオンラインサロン「Holland Village Private Salon」をスタートし、わずか1年で業界トップの規模を確立。その他現在は、炭酸パックブランド「Carrie」の開発・販売も展開。