夏から秋にかけて増えてくるブタクサ花粉。公園や道端など、身近な場所に潜む花粉は、アレルギー持ちの人にとってはかなりの強敵です。くしゃみ、鼻づまりに加え、目や鼻のかゆみ、だるさなど、つらい症状に悩まされる人がたくさんいます。
角田恵(仮名・27歳)さんは、花粉症が原因で彼氏の前で赤っ恥をかくことに。そして危機一髪の出来事が起こります。当時の心情を伺いました。
◆重度の花粉症に悩む秋
角田さんは、秋になると花粉症に悩まされています。
「花粉症のときは、特に目のかゆみとくしゃみが止まりません。この時期だとコロナだと思われることもあるので、なるべく外でくしゃみをしないように我慢しています。あまり薬が効かないので、症状がひどいときは仕事やお出かけを休むこともあるほどです」
日常生活に支障が出るほどの重症を患う角田さん。そんな花粉症の時期に、当時付き合っていた彼氏が、角田さんを喜ばせようとある提案をします。
「彼氏が秋の景色を見に行こうとドライブデートを提案してくれたんです。本当なら素直に喜びたいところなのですが、花粉の時期の遠出は正直しんどいと思ってしまいました。ですが、せっかくのデートなので我慢して出かけることにしました」
◆くしゃみを我慢しながらドライブデート
デート当日、薬やティッシュを万全に用意して出かけます。ですが、やはり花粉に勝つことはできません。
「やはり花粉症の症状は絶頂を迎えていました。しかも、行く先が神奈川県の草木が生い茂った大きな公園だったんです。私にとっては天敵のような場所だったので、あまり乗り気ではありませんでした」
花粉症で観光どころではない角田さん。目的地へ向かう車の中から苦労したといいます。
「当時、私は彼氏の前で猫をかぶっていたんです(笑)。なるべくかわいい彼女を演じようと、くしゃみひとつするにも気を遣ってしまい、なるべくしないように我慢していました。車の中は地獄のようで、高速のパーキングエリアに入ってはすぐにトイレに駆け込み、鼻をかんでいました」
彼氏の前ではかわいくしていたい気持ちはわかりますが、生理現象を我慢するとなると、かなりのストレスが溜まっていくはず……。
◆我慢の限界…!くしゃみが原因であわや大惨事
彼氏といるときは、ずっとくしゃみを我慢していた角田さん。ですが、ついに我慢できずに恥ずかしい出来事が……。
「頑張ってくしゃみを止めていたのですが、無理でした。『ハーックション!!!!』と大きなくしゃみをしてしまったんです。そして、運転している彼の体がビクッと驚いたのを感じました」
と同時に、さらなる大事故が起こります。
「あまりの音の大きさにびっくりしてしまったのか、彼がアクセルを過剰に踏んでしまったのです。その瞬間、事故になるかと思いました。
幸いにも前の車との間隔が空いていたため、大惨事になることはありませんでしたが、彼は反射的に急ブレーキを踏んでしまったため、後ろの車にも迷惑をかけてしまいました。後ろからクラクションの音が響き渡り、大変なことになったのだと冷や汗と動悸が止まらなかったです」
◆彼氏がフォローしてくれるも大恥に赤面
そのときの心情をこう語ります。
「危機一髪でしたが、自分のくしゃみで衝突寸前になるなんて恥ずかしすぎます…。彼氏は事故にならなくてよかったとフォローしてくれましたが、その優しさが逆につらかったです」
大事故は避けられたものの、恥ずかしさだけが残った秋の思い出。珍しい出来事かと思うかもしれませんが、花粉症による事故は増えているそうです。少しでもつらいと感じたら、無理をしないことが賢明かもしれません。
<文/Honoka Yamasaki イラスト/カツオ>
【Honoka Yamasaki】
ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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