芸術の秋です。今回は、前々から気になっていた“羊毛フェルト”を使って手芸に挑戦! まずは、初めてでも気軽に試すことができそうなダイソーの「羊毛フェルトキット(110円)」を購入してみました。
キット内容から作り方、所要時間などなど…、詳しくレポートしていきたいと思います。
◆ダイソー「羊毛フェルトキット」を購入、中身は?
さまざまな手芸用品を取り扱うダイソーでは、羊毛フェルトのコーナーも充実。羊毛フェルト単品はもちろんのこと、作品作りに使用する道具まで揃っちゃう。
また、羊毛フェルト初心者にも安心の「羊毛フェルトキット」の種類も豊富で、レベル1~3まで難易度別に、うさぎやしろくま、パンダなどほかにもたくさんの動物たちがラインナップしています。
その中から筆者が選んだのは、“レベル2”の「羊毛フェルトキット(みけねこ・ブローチ)」(110円/税込)。
レベル1のキットを見つけられず、みけねこの顔の部分のみを作る比較的簡単そうなものをチョイスしました。
成形時のサイズを見ると、手のひらにコロンと乗るような可愛らしい大きさ。しかも、たったの1時間半で作ることができるそう。時間的にも、長すぎず、短すぎずちょうどいい感じですよね。
ちなみにキット内容は、羊毛(白色、茶色、濃茶、ピンク)とニードル1本、ブローチピン1個。
工程は、1~16に分かれていて、すべて写真つき。説明も細かに書かれています。
それと、キット内容のほかに、接着剤とハサミ、定規、羊毛フェルト専用マット(なければスポンジ)が必要になるとのこと。すべてダイソーで揃いました。
それでは早速、「羊毛フェルトキット」でみけねこ・ブローチ作りに挑戦です!
◆土台作りが地味に大変
ここからは、「羊毛フェルトキット」の作り方の手順を参考に進めていきます。
まずは、羊毛フェルトを使用部位ごとに分けることからスタート。こう言ってはなんですが、羊毛フェルトって本当にただの繊維…。これが、どうやって見本のようなコロンとしたねこの顔になるのか…半信半疑です。
では、土台であり、メインになる顔作りからはじめていきましょう。白い羊毛フェルトを合わせて、平たい円を形成します。
テーブルに羊毛フェルト用のマットを置いたら、その上に羊毛フェルトをスタンバイ。それを、ニードルという羊毛フェルト専用の特殊な針を使って、ひたすらチクチクと刺していきます。何でも、羊毛フェルトは、刺せば刺すほど小さく固くなる性質があるのだそう。
土台は、「これ以上刺しても、形が変わらないぐらいの固さに刺し固める」と書かれているので、黙々と手を動かし続けます。
ところが、なかなか小さくなってくれず。要した時間は、なんと1時間15分。縦・横6cm以上、厚み2.5cm以上あるものを、縦2.8cm×横3.3cm×厚み1cmまで刺し固めていくのですが、これがとにかく大変! 残り時間15分で完成するわけがないとわかると、途端にペースダウン…。
集中力も途切れがちに。すると、ニードルで指先をチクリ…。ここだけの話、5回くらい刺しました。ニードルは、先端が鋭利なので、気をつけながら使用しましょう! ですが、この土台作りで、ニードルの使い方にもだいぶ慣れることができました。
◆各パーツの取り付けは簡単
ウィスカーパッド(ひげ袋)と呼ばれる口の上のぷっくりした部分や、目、鼻、頬のような細かなパーツは、羊毛フェルトをひとつまみしてクルクル丸め、刺し固めれば完成。この辺りから、集中力が持ち直してきます。
ただ、見本よりはだいぶ大きめです。ここからさらに小さくするのは、素人には至難の業! 一方で、その大きさのおかげで、パーツを取りつけやすいと言うこともできるかもしれません。土台に置いて刺しつけていくだけで、しっかり固定されるので、ここはわりと簡単です。
それっぽくなってきたのではないでしょうか。ここまで、だいたい2時間。
◆みけの模様をつけるのが意外と難しい
意外と難しかったのは、みけの模様をつけるところ。
土台の上部・両サイドを覆うように、濃茶と茶色の羊毛フェルトを置いて、刺しつけていくのですが、危うく白い部分と色が混じりそうになります。
それをニードルの先端で、ちょいちょい押し込んで、ごまかし、ごまかし…。三角に折りたたんだ耳は、つけ根を土台に合わせてチクチク刺すと、繊維同士がからんでカチッと固定されます。
◆完成したら愛着が湧いてきた!
ようやく完成! 繊維の状態からは想像がつきませんでしたが、ぬいぐるみさながらの手触りです。
顔の中のパーツが見本の3倍くらい大きいですが、これはこれでいいのでは? 苦労して作っただけあって、愛着が湧いてきます。
◆裏側にブローチピンをつける
と、忘れていましたが、裏側にブローチピンを取りつける作業が残っていました。
接着剤でペタッと貼りつけて、残りの羊毛フェルトで覆えば、今度こそ出来あがり!命名・ミケ子。
◆完成までにかかった時間は3時間半
18時に作りはじめ、完成したのは21時半。まさかの3時間半もかかってしまいました。首も肩も、背中もガチガチですが、ひたすら羊毛フェルトをチクチクする時間は、無心になることができて、ちょっとクセになりそう。
ポイントは、とにかく手もとに気をつけること。
細かな部分は、ニードルでチクチクすれば微調整がきくので、思いのほか何とかなります。羊毛フェルト用マットは、同じところだけを使うと、表面がくぼんだり、羊毛がからんだりするものの、裏返して使えば問題解決。
◆材料にかかった合計金額は550円
「羊毛フェルトキット」のほかに、必要になる道具をすべて購入しても、かかる費用は550円!
秋の夜長、ちょっと時間を持て余しているときに…と言いたいところなのですが、長期戦を覚悟しなくてはならないので、「何も考えたくないっ!」「無心になりたいっ!」というときなどに、ひたすらチクチクしてみてはいかがでしょうか。
<文/高木沙織>
【高木沙織】
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。2021年からは、WEB小説の執筆も開始。Instagram:@saori_takagi