最近「婚活」や「恋活」という言葉が浸透しつつありますが、独身を貫く人も存在します。
その1人である浅野恭子(仮名・28歳)さんは、趣味を楽しむことで一生をおくると決心したアラサー独身女性です。そんな浅野さんが恋愛をしたくないと改めて思った出来事を聞かせてくれました。
◆キャンプに熱中し、恋愛を忘れたアラサー女性
浅野さんはキャンプ愛が深く、知らぬ間に恋愛を忘れてしまったといいます。
「キャンプが好きで週末は出かけてしまうため、男性との出会いがまったくありません。そもそも趣味が充実しているため、合コンなどのお誘いにも断り続け、気づいたらシングル歴8年になっていました」
趣味を楽しむことを人生の生きがいとしている浅野さん。ある日、趣味のキャンプをするために地方へ出かけました。
「特に宿泊場所を決めていなかったので、当日泊まれるキャンプ場を探していました。夜も少し遅くなってしまったため、なかなか空いているところを見つけられず…。ダメもとで一番近いキャンプ場を直接訪れました。
すると、スタッフの方が『今日はイベントで貸切なのですが、それでもよければ泊まってください』と優しく接してくれたんです。無事に寝床を確保でき、やっと寝られると一安心したのを覚えています」
◆テントの裏で男女のヒソヒソ声が…
やっと寝られると喜んでいたところで、何やら外から音が聞こえてきました。
「私のテントの真後ろで男女が静かに喋っているような声が聞こえました。遅い時間にあまりにもヒソヒソ声が続いていたので気になって眠れませんでした」
そのヒソヒソ声は1時間経っても終わることはなく、浅野さんの我慢も限界に達します。
「さすがに眠れなかったので外に出ると、やはりそこには男女が話している姿が見えました。従業員にそのことを伝えると『イベントなので……』と濁されてしまいました。そこでイベントの内容を聞くと、婚活イベントであることが明らかになったのです。
テントの移動をお願いしたのですが、それもできず……。男女のいい感じの雰囲気を邪魔することもできないので、我慢して寝ようとしました」
◆男女のイチャイチャがはじまり絶望
キャンプ場での婚活パーティーは、グループだけでなく、気になる男女が1対1で話せる企画もあるようです。浅野さんは、その様子を目の当たりにします。
「結婚に向けた男女のやりとりが私のテントの後ろで行われていると思うと、気になって仕方なくなりました。深夜まで男女の駆け引きは続き、雰囲気もお互いに“いい感じ”になっているようでした」
そして、男女2人の雰囲気は徐々に変わっていきます。
「喋り声が急になくなったんです。やっと静かになったと思い目を閉じると、なんだか他の音が聞こえてきました。よく耳を澄ますと、2人はイチャイチャしていたようで、音は収まるどころか、どんどん高揚していきました。無理矢理泊めてもらっているため、クレームも言うことができず、結局我慢することしかできなかったです」
◆大人の恋愛を目にし、恋愛に向かないと再認識
そして翌日、浅野さんは寝不足のまま起きることに。
「結局深夜2時ごろまで私のテントの後ろで他人のイチャイチャ声を聞く羽目となり、最悪の気持ちのまま眠ることとなったのです。翌朝は、寝不足のまま観光しました」
まさか、キャンプ場で予想外の出来事が起こるとは思ってもいなかったでしょう。浅野さんは大人の生々しい恋愛を目の当たりにし、やっぱり自分は恋愛には向いていないと実感したそうです。
<文/Honoka Yamasaki イラスト/カツオ>
【Honoka Yamasaki】
ライター、ダンサー、purple millennium運営。
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