東京での観光で悩んだときは、印刷博物館に出かけてみましょう。印刷博物館は、印刷にまつわる歴史や文化などを知りたいときに利用される施設です。また、印刷博物館は子どもも大人も楽しめるよう展示も工夫されています。この記事では、印刷博物館の施設概要に触れ、おすすめポイントや割引情報、アクセスなど、お出かけに必要な情報を詳しくまとめています。東京での観光や家族とのお出かけに悩んだら、学びも深められる印刷博物館へ足を運んでみましょう。

印刷博物館とは

印刷博物館とは、技術的な側面のみならず、印刷が人にもたらした事柄について学べる施設です。人類が発展していくにあたって、印刷の技術が必要不可欠であったことはいうまでもありません。印刷というと技術面ばかりが注目されがちですが、コミュニケーションメディアとしての側面もかね備えているのです。印刷博物館では、博物館が所蔵する充実したコレクションを見て印刷の歴史・文化に触れるとともに、特色あるワークショップを通して印刷技術の体験もできます。

豊富なコレクション

印刷博物館は、豊富なコレクションを所蔵している施設です。具体的には、「百万塔陀羅尼」(764年)や「不動明王坐像印仏」(平安中期頃)などの資料は、1000年以上も前に印刷されたもの。それにもかかわらず、これらは現在でも当時と変わらぬ姿で保存されている大変貴重な資料といって良いでしょう。他には、南アメリカ大陸で最初に出版された「先住民教育のためのドチリナ・キリシタンとカテキズモ」(1584年)や、セネフェルダー「石版印刷の手引き」Vollständiges Lehrbuch der Steindruckerey(1818年)などがあります。これらは、印刷の技術や文化を考えていくうえで、世界的に見ても貴重なコレクションとして所蔵されています。印刷博物館でこれらのコレクションを目の当たりにすると、古くから伝わる印刷技術の素晴らしさに驚かされることでしょう。

また、印刷博物館の総合展示ではブロックごとにコレクションをわかりやすく展示しています。「印刷との出会い」「色とかたちを写す」「印刷の遺伝子」などのテーマをもうけて5つのブロックに分類し、印刷にまつわる歴史や文化を紹介している点が特徴です。膨大なコレクションを5つのブロックにわけて展示することで、印刷がいかにして文明の発達に大きな影響を与えてきたかがよく理解できます。日本の印刷技術がこれほどまでに発展したのは、世界とのつながりがあったからということはいうまでもありません。印刷博物館で貴重なコレクションに出会うと、印刷に対する知識をさらに深めることができるでしょう。子どもの自由研究などの題材で悩んだときにも、印刷博物館に足をのばしてみてはいかがでしょうか。

興味深い!印刷博物館の企画展示とは

博物館をあまり利用したことがない人のなかには、「いつも同じものが展示されているからつまらない」という人もいるのではないでしょうか。印刷博物館では豊富なコレクションの他にも、印刷をテーマとした企画展示が定期的に開催されています。そのため、いつ訪れても楽しく、大人も子どもも飽きることがありません。たとえば、2017年には子どもたちに親しまれている「キンダーブック」を扱った企画展示「キンダーブックの90年―童画と童謡でたどる子どもたちの世界―」が行われました。キンダーブックは月間保育絵本として、現代でも多くの幼稚園や保育園で読まれているものです。実は、キンダーブックは1927(昭和2)年11月に誕生しており、2017年には創刊90年を迎えたという歴史があります。

この企画展示を見ると、保育の現場と印刷の技術には密接なつながりがあることがわかるでしょう。キンダーブックの企画展示を見ると、大人は懐かしく、子どもはいつも自分が触れ合っている絵本であることから興味を示してくれる可能性があります。さらに、自分にとって身近な印刷物を見ると、より知識が深まるだけでなく、興味が多方面へ広がっていくという期待もあるのです。このように、大人も子どもも楽しむことができる博物館として、印刷博物館は企画展示の内容も工夫をしています。

印刷博物館では、年に1回企画展示が行われています。過去には、「印刷と美術のあいだ―キヨッソーネとフォンタネージと明治の日本」(2014年)、「武士と印刷」(2016年)など、さまざまなテーマで企画展が開催されました。企画展に足を運ぶと、印刷文化を学び、肌で感じられるだけでなく、新しい発見があるという点も大きなメリットです。印刷博物館は総合展示だけでなく、企画展示も要チェックして、家族や友人と積極的に出かけてみましょう。

大人も子どもも楽しめる!ワークショップ・講演会に参加してみよう

「見るだけでなく、実際に触れてみたい」という人には、ワークショップや講演会にも参加してみましょう。印刷博物館では、さまざまなワークショップが開催されています。施設内にある「印刷の家」と呼ばれる印刷工房では活版印刷を中心に、印刷技術を実際に体験することが可能です。特に、ワークショップは印刷技術に興味がある人必見の内容となっています。過去には、罫線を印刷して中綴じ製本のノートを作ったり、和文活字で年賀状を作ったりするなどのワークが行われました。興味があるワークショップがあれば、ぜひ参加してみましょう。

他にも、印刷博物館は無料公開講座も充実している点が特徴です。印刷の歴史を学んだり、工房内の印刷機を見学したりするガイドツアーや、季節感を活かした限定イベントなどが楽しめます。簡単な印刷体験やワークショップなどを通して、印刷文化を身近に感じてみましょう。さらに、知識を深めたいという人は講演会への参加も良いでしょう。トークショーが行われることもあり、印刷にまつわる事柄の最先端を知ることができます。総合展示や企画展示とコラボした講演会が行われるケースもあるため、興味がある分野の講演会は必ずチェックしておきましょう。

旅の記念に!ミュージアムショップも

せっかく印刷博物館を訪れたのなら、旅の記念になるようなものが欲しいですよね。そんなときには、施設内にあるミュージアムショップに行ってみましょう。ミュージアムショップは、印刷博物館の入り口左手にあります。ここでは、印刷博物館のオリジナルグッズや関連書籍などを購入すると良いでしょう。ミュージアムショップでは、たとえばオリジナルレターセット(税抜き400円)や、活版刷り一筆箋(10枚入り)(税抜き300円)などを販売しています。これらのグッズは、遠方に住んでいて印刷博物館になかなか来ることができない人へのおみやげにも喜ばれるものです。

他にも、印刷博物館のオリジナルグッズのマスキングテープは、15mm各360円(税抜き)、24mm各450円(税抜き)、30mm各600円(税抜き)と種類も豊富です。他のショップでは手に入らないため、とても人気があります。マスキングテープは、印刷博物館のコレクションのなかから「南総里見八犬伝」、歌川国芳「義士夜討乱入之図」などをモチーフとして作られています。これは、印刷文化に興味がある人だけでなく文学や歴史、美術などが好きな人にも好まれるグッズです。

さらに、活版印刷に興味がある人は、「活版ミュージアムグッズ」も必ずチェックしておきたいところです。ミニバースデーカード+封筒2種(花、フルーツ)(税抜き各350円)は、プレゼントのアクセントにもぴったりということで人気があります。バースデーカードの書体はAlbertusで、カードにあしらわれた花・フルーツの絵柄も活字というこだわりです。他には、ポストカードCalifornia Job case(税抜き250円)や花形装飾活字コースター3枚セット(税抜き各500円)なども販売されています。印刷博物館のミュージアムショップでは、来館の記念にもなるグッズがたくさん販売されているため、お気に入りのグッズをチェックしておくことが大切です。

また、印刷博物館の企画展に訪れた際には、「企画展カタログ」の購入も検討してみましょう。企画展示の内容やコレクションのなかには、今後なかなか目にすることができないものがたくさん含まれます。企画展カタログを購入しておけば、企画展示の内容や展示物などをいつでも見ることができます。企画展示のなかには、日本ではなかなか目にする機会のない展示も多くあるため、カタログももれなくチェックしておくことがポイントです。

レストランやカフェの利用もおすすめ

印刷博物館の見学に疲れたら、関連施設の利用も良いでしょう。印刷博物館があるトッパン小石川ビルには、いくつかの関連施設があります。まず、「小石川テラス」と呼ばれるのが、トッパン小石川ビル2階にあるレストランです。小石川テラスでは、生産者が愛情込めて育てた伝統野菜や旬の食材が味わえます。ランチ営業は11:30~14:00となっており、印刷博物館の見学を終えた後に、「プレミアムランチプレート」や「一汁五菜ランチセット」などを味わってみると良いでしょう。

加えて、小石川テラスは14:30~17:30はカフェとしての利用が可能です。この時間帯にはコーヒーや紅茶、ソフトドリンク、こだわりのスウィーツなどが楽しめます。小石川テラスはフードメニューにこだわっているだけでなく、店内の雰囲気も素敵です。広々としたメインダイニングでぜいたくに食事を楽しんでみたり、ガーデンテラスで開放感に浸りながらくつろいだりするのも、癒しのひとときとなることでしょう。また、小石川テラスでは日本各地の若手陶芸家が手がけた器と一緒に料理を堪能できるという魅力的なスペースです。

次に、トッパン小石川ビルの2階には「ハートフルカフェ」も併設されており、家族やカップルがゆったりとくつろげる空間を演出しているため、ぜひ利用してみましょう。ハートフルカフェでは、コーヒーや紅茶はもちろんのこと、健康を意識した飲み物を提供している点が特徴です。具体的には、ハーブティーや豆乳ラテ、青汁ブレンドなどがあります。他には、日替わりランチやミートソース、ボンゴレなどのパスタもあるため、ランチスペースとして気軽に訪れてみましょう。

印刷博物館の料金

入場料

一般:400円
学生:200円
高校生:100円
中学生以下無料
企画展開催時には、上記料金は変更。ただし、総合展示入場は企画展料金に含まれます。

印刷博物館の割引クーポン

印刷博物館を利用する際には、入館料の割引がある場合があります。20名以上で入館する場合は、団体割引の利用が可能です。

団体割引

施設を20名以上で利用する場合、団体割引が適用されます。

一般:通常400円→350円
学生:通常200円→150円
高校生:通常100円→50円
※5月5日(こどもの日)、11月3日(文化の日)は入場料無料
※障害者手帳などをお持ちの方およびその付き添いの方、70歳以上の方は入場料無料

印刷博物館の営業時間

通常営業時間

10:00~18:00(入場は17:30まで)

休館日

毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間は休館"

印刷博物館のアクセス

公共交通機関を利用する場合

地下鉄有楽町線(4番出口)「江戸川橋」駅より徒歩約8分
JR総武線(東口)、地下鉄有楽町線、地下鉄東西線、地下鉄南北線(B1出口)、地下鉄大江戸線「飯田橋」駅より徒歩約13分
地下鉄丸ノ内線、地下鉄南北線(1番出口)「後楽園」駅より徒歩約10分

車を利用する場合

首都高速5号池袋線「飯田橋出口」(竹橋方面)から約450m
首都高速5号池袋線「早稲田出口」(池袋方面)から約1,000m

駐車場

印刷博物館があるトッパン小石川ビルには地下駐車場があります。また地下駐車場の他にも、近隣には有料駐車場がいくつかあります。

有料駐車場

名称:トッパン小石川ビル地下駐車場
住所:東京都文京区水道1丁目3番3号トッパン小石川ビル
営業時間:6:00~23:00

(※2018/10/1に公開した記事を再編集したものです。掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。最新情報は必ず公式HPでご確認ください)

提供・あそびのノート

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