季節の果物をクリームと一緒にサンドしたフルーツサンド。あるときはスイーツであり、あるときは食事であり、またあるときはデザートであり。サンドイッチのなかでもちょっと特別感がある存在です。

そんなフルーツサンドをこよなく愛する“フルサンガール”をご存知でしょうか?関東を中心にフルーツサンドを食べ歩いき研究する“フルサンガール”に、フルーツサンドの魅力やお気に入りのフルーツサンド、理想のフルーツサンドについてお話を伺いました!

新しい味覚の扉を開いてくれる。フルーツサンドとの出会い

―食べ歩いたフルーツサンドは200軒を突破したというフルサンガールさん!Instagram(@furusan_girl)で、さまざまなフルーツサンドの写真を投稿されていますが、フルーツサンドを好きになったきっかけ、食べ歩きを始めたきっかけを教えてください。

フルサンガール: 実は、私がフルーツサンドを好きになったのは大人になってからなんです。2016年の4月に、家族で『銀座千疋屋』さんのフルサンをテイクアウトして、デパートの屋上で食べたんです。私は大のしょっぱ党で、全然期待せずに口にしたのですが、「なんだ、このおいしい食べ物は!」と衝撃を受けました。甘いのにしょっぱさもあって、フルーツのジューシーさでどんどん食べられるんです。

ショートケーキが嫌いな私がフルーツサンドはペロリと平らげてしまう!なぜだ!と驚きました。その日から「もっとフルーツサンドの味を知りたい!」と、フルサンを食べ歩きするようになりました。記録魔の父と食べることが大好きな母の影響もあると思います(笑)。

(写真=@furusan_girl)

―フルサンガールさんの投稿を見ると、フルーツやパン、クリームの特徴を星5つで表現して、お店ごとの印象なども記録されていて、見ているだけでとても楽しい気持ちになります。フルサンガールさんにとっての、フルーツサンドの魅力を教えてください。

フルサンガール: フルサンのパン・クリーム・フルーツの三位一体から生まれるおいしさは私を豊かにしてくれます。私は、フルサンと出会う前は「生クリーム」と聞いただけで震えてしまうほど甘いものを毛嫌いしていました。しかしフルサン沼にハマると、新たな味覚の扉が開き、食べられる甘いものもあるのだと知ることができたんです。味覚が豊かになったと言っても過言ではないと思っています。また、フルサンは心も豊かにしてくれます。

―フルーツサンドをきっかけに新たな味覚の扉が開かれたとは、なんだかワクワクしますね!フルサンが心も豊かにしてくれるとはどういうことでしょう?

フルサンガール: 私はもともとおでかけが好きで、お休みの日にはチェックしておいた「行きたいリスト」にあるおいしいものを食べたり、行ったことのない街のお散歩コースを開拓したりして過ごします。そんな私の週末のルーティーンにフルサンの食べ歩きが加わったことによって、【おでかけができる】【食べられる】【記録をつけることができる】と3つの欲求が満たされるスペシャルな趣味ができてしまったのです。

フルサンの食べ歩きは私にとって心のオアシスになりました。そこからは狂ったようにフルサンを食べ歩き、今ではどんなフルサンでも、出会えただけで、フルサン経験値を上げられるだけで嬉しいと思うようになりました。フルサン狂のできあがりです(笑)。フルサンを食べると「あゝ私は絶対に幸せだなあ」とゆるぎない幸福感を感じることができます。私にとっては、どこか精神安定剤的な存在でもあるんです。

―なるほど。フルサンガールさんの投稿を見ていても、その幸福感がすごく伝わってきます(笑)。

フルサンガールのお気に入りフルサン5選!

―フルーツサンドを愛してやまないフルサンガールさんですが、都内でおすすめのフルサンを教えください。

フルサンガール: 先ほどもお伝えしたように、私は大のしょっぱ党です。でも、フルーツに関しては「三度の飯よりフルーツ!」と言うくらい好きです。そんな少々食にやかましい私のフルサンの好みのタイプはパンの主張強め・クリーム甘さ控えめ且つ少なめ・フルーツ多めです。僭越ながらこちらを踏まえた上でフルサンを偏愛する私のおすすめフルサンを紹介させていただきます…(笑)。

〈CENTRE THE BAKERY〉

フルサンガールさんがおすすめを聞かれたら、必ず答えているという『CENTRE THE BAKERY(セントル・ザ・ベーカリー)』のフルーツサンド。「フルサンに関しては同じお店には行かない」というポリシーがあるそうですが、こちらのお店には何度も訪れてしまうのだそう。

(写真=@furusan_girl)

「セントルさんは食パン専門店で、なんと言っても手に吸い付くようなしっとりもっちりとしたパンがすごい。存在感はあるのに主張しすぎない、ただ者ではない感。このパンが甘さ控えめなクリームと季節のフルーツたちと出会ったとき、それはもう一流オーケストラなのです。個々の能力がカリスマ的に高いのに調和がとれている。食べに行くといつも心の中で拍手喝采、スタンディングオベーションです。フルサン初体験の方におすすめです。一緒にフルサン沼にハマりましょう」(フルサンガール)

〈銀座千疋屋〉

次は、フルサンガールさんがフルサン研究をはじめるきっかけにもなった『銀座千疋屋』のフルーツサンドです。

(写真=@furusan_girl)

「テイクアウトで食べてから虜になった、天下の『銀座千疋屋』さんですが、イートインでいただくとテイクアウトの何倍もおいしく感じるのです…!ふわっふわなパンと甘さ控えめのクリーム、それにフレッシュすぎて口内ジュース化不可避のフルーツ…流石です。

『銀座千疋屋』さんのフルサンはリンゴが入っていてシャクシャク感が楽しめるのも特徴です。王道フルサンを食べたい方におすすめの1品です」(フルサンガール)

(写真=@furusan_girl)

「テイクアウトのボックスはときめきのターコイズブルーにレトロなバラ柄。パケ買い必至です」(フルサンガール)

〈丸福珈琲店 ザ・パーラー 銀座三越店〉

続いては『丸福珈琲店 ザ・パーラー 銀座三越店』のフルーツサンド。平日20時(L.O.19時30分)までなので、仕事終わりでもフルーツサンドを楽しめちゃいます!

(写真=@furusan_girl)

「金曜日の夜にとっておきの“おひとりさま”を堪能できる安らぎの地です。パンがふわっともっちりしていて、パンをしっかり感じる系フルサンです。一見重たそうなクリームですが、甘さ控えめで軽く食べやすいです。フルサンには季節のフルーツが添えてあります。フルーツ好きは“添える”という字を見ると咽び喜びます(私だけでしょうか笑)。フルーツは同じ銀座三越に入っている『サンフルーツ』さんのフルーツを使っているそうです」(フルサンガール)

〈ウッドベリーズ マルシェ〉

吉祥寺『ウッドベリーズ マルシェ』のフルーツサンド。手作りヨーグルトと産直果物を使った生フローズンヨーグルト専門店です。吉祥寺に2店舗あり、フルーツサンドはマルシェ店でいただくことができます。

(写真=@furusan_girl)

「なんと言ってもすごいのが自家製のヨーグルトベースのクリームです。濃厚さがあるのにさっぱり&後味スッキリでまさにチャンピオンクリームです。このクリームのフルサンなら10個はいけると確信しております(笑)。

しかも『ウッドベリーズ』さんに魅せられるのが、クリームだけでなくパンやフルーツまでぬかりなくこだわっているところです。そんなこだわり溢れる『ウッドベリーズ』さん特製のフルサンは一口いただけばもう中毒です。フルサンは鮮度命なので、作り置きをせずその場で作ったものをいただけるのもおすすめのポイントです」(フルサンガール)

〈バナナファクトリー〉

最後は、『バナナファクトリー』のフルーツサンド。東京スカイツリーのすぐ近く、下町向島にある小さなバナナスイーツ専門店です。

(写真=@furusan_girl)

「専門店だけあってバナナは完熟、そして惜しげもなくフルーツがごろっごろと入っています。それに加えて厚めのふわもち系食パン。クリームは甘さ控えめでフルーツの甘みをちゃんと感じられます。一見シンプルな作りに見えますが、緻密な計算をされたであろう、深みのあるとっても繊細なお味がします。『バナナファクトリー』さんのフルサンは私が心引かれる要素満載のおすすめフルサンです」(フルサンガール)

フルサンガールが追求する、理想のフルサンとは?

―さまざまなフルーツサンドを食べてきたからこそ、自分の好みが見えてくると思うのですが、フルサンガールさんの理想のフルサンを教えてください。

フルサンガール: 私の理想のフルサンは、パン・クリーム・フルーツの3つそれぞれにこだわりがあります。

  • パン
    最近流行りの「生食パン」ではなく、ちゃんと塩味を感じられる食パンです。そしてふわふわしているだけでなく、もっちりしっかり感もあるパン。ただ、噛んだときにネチョッとつぶれない、跳ね返しのあるタイプがいいです。耳は付いていない方が好みです。
    耳が付いているとパンの主張が強すぎるフルサンにはなります。食べごたえのあるフルサンになるので部活帰りの高校生にはおすすめです(笑)。
  • クリーム
    甘さ控えめであっさりしているタイプのクリームがいいです。ヨーグルトやマスカルポーネが入っているとすんばらしいです。バタークリームは苦手です。濃厚だけど後味すっきりとしたクリームが理想です。
  • フルーツ
    缶詰やコンポートではなく、やはりフレッシュなフルーツがいいです。いろいろな種類のフルーツのフルーツが入っているものでも、季節のフルーツが1種類入っているものも好きです。ただいずれも、食べ頃な事とごろっごろとたくさん入っているのが理想です。

―もともと、しょっぱ党ということもあり、食パンは塩味をしっかり感じられるものだったり、クリームもすっきりしたものだったり、フルサンガールさんの理想のフルサン、いつか食べてみたいです!

最後になりますが、フルサンガールさんがこれからやってみたいことがあれば教えてください。

(写真=@furusan_girl)

フルサンガール: 将来の夢は、趣味で世界一おいしいフルサンを作ることです。趣味なら義務感なく、探究心を持ち続けられそうだと思うのです。そのために、食パンも食べ歩きして研究しています。当たり前ですが、パン屋さんによって材料はもちろんのこと、甘み・風味・食感など全く違うので研究しがいがあります。

また、フルーツ検定たるものに挑戦しようと思い勉強中です。私は、電車の沿線ごとにフルサン屋さんを手書きでノートにリストアップしているのですが、まだ関東でも行けていないところがたくさんあるので楽しみです。全国版のノートもあるので、しばらくフルサン研究は終わりそうにないです。

―楽しく続けられそうな趣味ですね。手書きのノート、関東版はもちろん全国版ともなると地方によって特徴も出てきておもしろそうです!これからもフルサンガールさんの投稿を楽しみにしています。

楽しいお話をありがとうございました!

■取材協力
フルサンガール

提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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