子どもが喜ぶポイントは?
秋が深まり、さまざまなリンゴが出回るようになりました。日本では定番果物の一つですが、少しでも見栄えよくおいしそうに食べられたら嬉しいですよね。
みなさんはいつもどのように切って食べていますか? お決まりのくし切りやかわいいウサギリンゴの他にも、凝った格子柄やキャラクター柄など、いろいろなカッティング方法があるようです。
◆リンゴの“ある切り方”が小学生の我が子に大ヒット!
私は日々の食卓に果物を積極的に取り入れ、工夫して提案するようにしていますが、リンゴについては確信できるようなアイディアがなく、子どもの反応を見ながら長い間試行錯誤を重ねてきました。我が家の食卓の果物はインスタグラム(@sugiakatsuki)でも「#スギアカツキ果物を食べよう」を付けて投稿しています。
切り方の難易度や衛生面などに考慮しつつ、なるべく子ども目線で喜ばれるリンゴの切り方を考えていたところ、“ある切り方”にたどり着きました。
そして実際に小学生の我が子や、そのお友達にも大ヒットだったので、今回ご紹介をしたいと考えました。さてさてどんな切り方なのでしょうか……。
◆用意するのは、塩水入りボウル、ミニ包丁、まな板、皿
用意するのは、塩水を入れたボウル、切ったリンゴをよけておくための皿(なんでもOK)、ミニ包丁、まな板です。
包丁は三徳包丁のような大きなサイズではなく、小回りの利くほうが使いやすいでしょう。塩水は切ったリンゴの変色を防ぐために使用するので、小さじ1/4程度の塩を入れて水に溶かしておきましょう。
それではスタート。はじめに、リンゴの底部分を切り落とします。底の厚みは1センチ弱。土台になる部分で、あまり見えない箇所でもありますから、緊張せずに切り落としてください。底部分は塩水に浸けておきましょう。
◆上部はフタになることをイメージして切る
次に、逆側の上部を切り落とします。ここはフタになる部分ですので、全体の30%程度のボリュームをイメージしながら切ればOKです。切ったフタは塩水へ。
残った胴体部分は、中身の果肉を切り抜きます。皮から1センチ内側を意識してぐるりと切っていきます。一度ですんなり切れない場合は慎重に2周で切るようなイメージで。胴体下側の径が小さいことを意識しながら、ゆっくり切っていけば大丈夫です。
◆果肉を押し出す!この瞬間が嬉しい
おおよそ切れたら、果肉を押して取り出しましょう。パイナップルのような円柱形の果肉が出てきます。周りの皮部分は塩水へ。
次に、果肉部分を切り分けましょう。芯の部分を除いて、一口サイズに切っていけばOK。特別なテクニックは不要です。細かくなった果肉も塩水へ。
◆仕上げは、リンゴの形を元通りに
ここまでできれば、あとは仕上げの組み立てです。リンゴの形を元通りに戻すべく、底と胴体部分を合わせます。
これを盛り付け皿に置きましょう。これがリンゴを入れる器になります。
◆リンゴの器に果肉を入れていく
リンゴの器に、切り分けた果肉を入れていきます。全部入れてしまうと多すぎるので、量はバランスを見ながら盛りつけてください。
果肉を盛りつけ、フタを飾れば完成です。
◆リンゴ以外の果物も組み合わせると華やかに
この盛り付けが喜ばれるのは、見た目のかわいさだけではありません。このパズルのような器が子ども的には好奇心を刺激されるようです。
また、フタ部分と底部分の食べ比べをしたり、皮部分の味を味わうことができ、子どもがしっかりとリンゴの味を満喫しやすいようになっている点も魅力です。「底のほうが甘いね!」、「フタがしっかり閉まるようにして!」など、子どもの反応も楽しみましょう。
応用としては、リンゴ以外の果物(柿やキウイなど)と組み合わせるのも華やかになるのでオススメです。
さあ、いかがでしたか? 特別なキッチンツールは必要ありませんから、ぜひ気軽にチャレンジしてみてくださいね(手を切らないようにくれぐれも気をつけましょう!)。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12