お互い好きで付き合ったり、結婚したりしたはずなのに、ささいなことで相手にイラッとしてしまうことも多いですよね。「可愛さ余って憎さ百倍」といいますが、好きだからこそ止まらないイライラが大きな喧嘩に発展することも…。今回は実録シリーズ「夫婦・カップル間のマジ喧嘩」から、過去の人気記事を再録します(初公開2017年11月10日、情報は掲載当時のものです)。

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 皆さんは、ささいなことで夫や彼氏と喧嘩してしまった事はありますか?

夫婦ゲンカ
※画像はイメージです(以下同じ)
 今年の夏にある夫婦が、一枚の「うちわ」を巡って大喧嘩した話を紹介します。

◆きっかけはソファに置いてあった一枚のうちわ

 Aさん(イラストレーター・38歳)の夫は、普段は家事を率先してやる優しい人だったそうです。

 しかしキレると爆発して怒りが治まらなくなる傾向があるので、神経を逆撫でするような言葉は極力言わないようにいつも気を付けていたとのこと。

 ある日、Aさんがいつものようにソファーに座って洗濯物を畳んでいると後ろから夫の怒鳴り声が。

「ちょっとあんた! 何やってるの!」と鬼のような形相で叫ぶので「どうしたの?」と聞くと、「あんた、何をお尻で踏んでるのよ! 俺の大切なうちわだよ!」と怒り狂った様子で叫んできたそうです。

怒る夫
 Aさんがお尻の所を見ると、一枚のボール紙状のうちわを踏んでいるのを発見。よくみると、うちわには夫が以前参加した勉強会のイベント名が大々的に書いてありました。

 しかし、うちわの作りはボール紙状で防水加工もしておらず、素材も明らかに無料の安物です。

 夫に「そのうちわは、勉強会でしか貰えない大切なものなんだよ! 何てことをしてくれたんだ! こうなったら、あんたにそのイベントに参加してもらう! そして、もう一回全く同じうちわを貰ってもらうからな!」

 と怒鳴られたので、Aさんが「でも、そのイベントはもう終わったなら無理でしょ。無料で貰った安物のうちわじゃないの?」とそっけなく言い返すと、夫はとうとうブチ切れてしまったのだそうです。

◆ブチ切れた夫は青アザができるまで足を踏みつけた

 怒りがMAXになった夫は、「ええい! あんたには俺の心の痛みが一体どんなものか、身をもって味あわせてやる!」と叫びながらAさんの足の甲を思い切り踏みつけ、グリグリと何度もアザができるまで押さえつけたのです。

「ぎゃぁぁぁ! 痛い! 痛い!」と泣き叫ぶ彼女を見ても、容赦せず踏み続けたとのこと。

 いやそれ、立派なDVじゃないでしょうか!?

うちわで夫婦ゲンカ
 Aさんは足を散々踏みつけられた後、痛さのあまり立ち上がれなかったそうです。

「立てない…立てない…」と泣きだすと、「わかったか! 俺はこんなにも辛い気持ちだったんだよ! 本当はこんな事なんてしたくないんだよ。俺だって辛い。でも、あんたにこの気持ちをわかってほしかったんだよ!」と悲しそうな目で訴えてきた夫。(はぁ!?)

 しかし、完全に脳内トランス状態のAさんは、痛めた足を引きずりながら「家を出てやる!」と言い放ちました。すかさず夫は「何でや!」とAさんの手を握って止めます。

 泣きながら玄関でうずくまるAさんに、夫はボソッと「家を出ていこうとしたって事は、もしかして俺が必要ないんじゃないかと思った。だって、家を平気で出れるって事は一人で外に行っても自分はやっていけるって思っているんでしょう?」と言い、悲しそうな顔をして立っていたそうです。

 その日はお互いに何も話す事なく、背を向けて寝床につきました。

◆翌日、謝ってきた夫。かまってほしかった?

ベッドで冷戦
 次の日の夜、仕事から帰ってきた夫は「やっぱり、もう一度あんたと仲良くやっていきたい」と謝ってきました。きっと、一日経ってから冷静に考え直したのでしょう。

「今日は、久しぶりに一緒にテレビを見よう」「ワインを一緒に飲もう」と色々と仲直りの提案をする夫を見て、ふとAさんは気づいたといいます。

「思い起こせば、最近は付き合った頃のように一緒にテレビを見る事すらなく時間に追われていました…。いつからだったのでしょうか? 色んなことがおざなりになって、少しずつ色んな事を省略していたんです」(Aさん)

夫婦関係のひずみ
 Aさん夫妻は、結婚生活をスタートしてから2人で一緒にテレビを見る事すらなかったそうです。

「私はフリーで仕事をしています。このケンカが起きた頃は仕事が最も多い時期で、夫が目の前にいても『仕事があるから』『大切なお客様だから、まずメール返させて』と言って向き合わないで過ごしていたんです。

 もしかしたら夫はずっと寂しくて、私にかまって欲しかったのかもしれません」(Aさん)

 かまって欲しくて暴れるって子供か!と思いますが、Aさんは優しい妻なんですね。

◆些細な事で夫婦喧嘩にならないための工夫

 その後、夫に「本当は、うちわが原因ではなくてあの頃寂しかったんじゃないの?」と聞いたそうです。

 すると「いや違う。俺の大切なうちわだから」と言い張るので、「じゃあ、あのうちわ今どこにあるの?」と聞くと「ん? さあ…」と、言葉を濁したそうです。うちわは単なる喧嘩の口実に使われただけかもしれません。

夫婦でテレビ
 その喧嘩以来、週末は絶対に2人で一緒に楽しむ時間を作るようにしているとか。

「夫が仕事から帰ってきた後は、私も絶対に仕事をしないように気を付けてます。家事分担もお互いに決めて協力し合うようになりました。この喧嘩がキッカケで改めてお互いの存在を大切にするようになった気がします」(Aさん)

 丸くおさまってよかったですが、もし次に暴力を振るわれたらビシッとお仕置きしたほうがいいと思いますよ…。

―夫婦・カップル間のマジ喧嘩―

<TEXT/真田真由美 イラスト/やましたともこ>