作者・りりーさんにインタビュー

 ここからは、娘さんが1歳半から保育園に通う作者・りりーさんんに、当時の心境を詳しく聞いてみます。

――保育園への送り迎えは基本的にはりりーさんが?

夫は仕事に行くのが早いので、送りは時短勤務をしている私がすることになりました。お迎えも主に私ですが、週1回は必ず夫もしてくれてます。

――「慣らし保育」というワードはいつから知っていましたか?

妊娠中から始めたTwitterで見た情報で知っていました。そのときはまだ自分の子どもが保育園に通うなんてことまでは想像もしていなかったので、「そんなものがあるんだ~」くらいにしか思っていませんでした。

――漫画でも描かれていた慣らし保育初日のことについて詳しくお聞きしたいです。

慣らし保育開始の日が近づくにつれて、娘と離れる寂しさがどんどん募り、前日は寂しさと不安がピークでした。朝は準備をして徒歩15分の保育園までベビーカーで向かいました。入園前まで、その保育園内にある子育て支援センターによく遊びに通っていたので、娘はいつも通りそこでママと一緒に遊ぶと思っていたと思います。

保育園に着くと他の新入園児たちの泣き声が響いていたり先生方も忙しそうで、私も朝のお支度を説明されるがままにバタバタとして、訳のわからぬうちに娘は先生に抱っこされて……。娘も何が起きたのかわからず、びっくりして泣きながら連れて行かれました。なんだか別れ際があっという間で、ぽかんとしてしまいました。

静まり返った部屋に少し寂しくなり、Twitterを開くと…

これ、終わるの…?「慣らし保育」親の葛藤を描いた漫画に共感の声。作者を取材<漫画>
(画像=『女子SPA!』より引用)

※イメージです(以下、同じ)

――保育士さんたちも慣らし保育期間は大変ですよね。それで、りりーさんは一旦おうちに帰ったんですか?

はい、それからひとりで家に帰って、まずは娘のいない静まり返った部屋に少し寂しくなりつつ、とりあえずTwitterを開きました。同じく慣らし保育に挑んでいるフォロワーさんたちのツイートを見て、みんながんばってるなあと勇気をもらいました。それから娘のいないうちに家事をすませました。娘の妨害がなかったのでとても捗りました。

――初日の保育時間はどのくらいでしたか?

初日は1時間45分後にお迎えなので、そんなことをしていたらあっという間に時間がすぎました。少しでも早く迎えに行って娘を安心させたいと思って、はやる気持ちで走って保育園まで行きました。他にも走ってきているお母さんがいて、みんな同じ気持ちなんだろうなあと……。

――ほんの短時間でも、いままでずっと一緒にいたお子さんと離れるのは気が気じゃないですよね。お迎えに行ったとき、娘さんの様子はどうでしたか?

部屋をのぞいてみると、娘の泣き声が一番大きく響き渡っていて、姿を探すと、先生に抱っこされて顔を真っ赤にして泣いていました。娘は私の姿を見ると、さらに大きな声で泣いて、先生の腕の中から私のほうへ腕を伸ばしてぎゅ~っとつかまってきました。その姿に私の涙腺が刺激されて涙が出そうになりました。こんなに顔を真っ赤にして泣いてずっとがんばっていたんだなあと。

人見知りの激しい子だったので、泣くだろうなとは思ってましたが、実際泣いている姿を見ると心にグサリとくるものがありました。帰り道のベビーカーの中では、娘は泣き止んでケロリとして、なぜか饒舌に宇宙語を喋っていたのが面白かったです。